「 埼玉県、ハイパーエネST進行」
昨年10月、埼玉県は「E-KIZUNA Project」の大綱が固まり国に対し特区申請を行うと発表して以来、着実に同プロジェクトを推進している。
このプロジェクトには埼玉県を始め神奈川県が参加し、浜松市を含む青森市までの東日本をネットワークで結ぶ、2県21 市12社の参加により進められている。それらのベースステーションとなる様々な発電方 式を備えたハイパーエネルギーステーション(以下:ステーション)の建設が埼玉県内で 間もなく完成し、いよいよ実働する。
「EVとFCVとホーム」
同プロジェクトに参加する、日産自動車、三菱自動車はEVを持ち込み、トヨタ自動車は燃料電池車(FCV=Fuel Cell Vehicle:以下FCV)を持ち込み、また、HONDAはEVとFCVの両方を持ち込み間もなく本格始動する。
それらの中枢を担うステーションの通常時はソーラパネル等で発電した電力をEV用の急速充電設備へ供給し充電を行うほか、水素を貯蔵しておりFCV車両に充填を行う。
また、非常時にはEVに蓄電した電力やFCVで発電した電力とソーラパネルで発電した電力等を地域のスマートホーム100戸程度のコミュニティに供給できる仕組みとなっている。
最近になりEVから電源を供給する考え方は定着してきているが、同プロジェクトの特徴でもあるFCVで発電した電力を利用する例は初の試みとなる。
そもそもこのプロジェクトで特区に申請する大きな理由の一つは発電量に起因する、一設備の発電量が10キロワットを超えると発電事業となり、取り扱い規制や従事者等の配置など現行の規制が普及実現に向け大きな隔たりとなっている為だ。こうしたプロジェクトが始動する事で国内の自動車CO2排出ゼロの推進が実現する。
「EVとFCVの違い」
EVは蓄電池を搭載し、そこに蓄電した電力で走行する方式で、FCVは搭載したタンク内に水素を圧縮充填し、その水素を空気中から得た酸素とを化学反応させ発電し、その電力で走行する方式をとっている。
どちらも電力を用いて走行する事は同様なのだが、それらの特徴は大きく異なる。EVは自宅で充電出来る事や充電設備は小規模設置が可能だが、FCVの充填設備は普及しておらず設備は大規模となってしまう。
その反面EVで走行出来る航続距離はフル充電で約200Kmだが、FCVは一度の充填で600Km程走行出来、エネルギー効率が良い点だ。
これらの違いから鑑みると利用するフィールドにはかなりの違いがある事や、FCVでは高圧水素搭載の危険回避が必須となっており、安全なタンクの開発と実用化が急務となっているようだ。
