「日本電産、脱レアアースモータ」 先月18日、日本電産株式会社とグループの日本電産トーソク株式会社は「第3回EV・HEV駆動システム技術展(EV JAPAN:1月18日~20日:東京ビックサイト)」にて、自社開発の脱レアアーストラクションモータ「SRモータ」を業界に先駆け出展した。
この日は同社の初お披露目とあって、各メディアから大きな注目を集めた。同社の技術が実現したことで、今後のEV駆動用モータの開発フィールドに大きな躍進をもたらすことは間違いないだろう。
「国際競争にも強み」 従来の高性能モータに必要不可欠とされていた永久磁石を製造する際、レアアース(希土類元素)を使用するが、同モータはその永久磁石を使用しないことで脱レアアースを実現させたもの。
レアアースは特定国からの輸出が約9割を占めているため国際問題にも度々発展するケースがあり、以前、製造現場に安定した生産が行えない不安を生じさせた。
同社は、日本の国際競争力を失ってしまうことを懸念するとともに、自社技術でEV用のトラクションモータ分野に進出し新たな価値を生み出せると確信したなどの理由から、脱レアアースモータを開発するに至ったと言う。
現在、数々の会社をM&A等でV字回復させ、今ではグループ170社、15万人の従業員を抱えるグローバル企業へと成長させた日本電産株式会社(代表取締役社長:永守重信氏)は、同モータを世界中のEV業界に投入することで、コスト面でも新たな競争力を持つと見ている。
同製品の基本性能は以下の通り:定格出力19キロワット(最大44同)、最大トルク86Nm(ニュートンメートル)、水冷式、スイッチドリラクタンスモータ。

「EVモータ小型化進む」 現在、リリースされているEV用のトルクモータは、「日産リーフ」のグループ会社製造(80キロワット)と「i-MiEV」・「MINICAB-MiEV」の明電舎製(47キロワット)のモータが使用されている訳だが、前述の通り国内から新たなトルクモータサプライヤー数社が登場している。
日本電産のほかにMAZDAと共同開発に取り組む安川電機も3年前にEVトルクモータを完成させているなど、電機関連メーカーの参入が本格化してきた。中でも明電舎製と安川電機社製のトルクモータは、太いケーブルを介して別取り付けとなっていた制御インバータをモータ本体と一体化し、より一層の高効率・小型化を進めている。
しかし一体化することによる振動トラブルなどが懸念されるため、実用化に向けた研究開発が必須となってるが、EVフィールドからも小型化・軽量化のニーズが浮上してきているため新技術の早期実用化が期待されている。