「他国から奪ってまで輸入するのか」とは自給率向上派の大きな声です。
価格が高騰することで、輸入国の食費は上がります。
そのため、2008年の価格高騰では暴動が起きるほどでした。
これは、現在の高騰が原油とリンクして上がることに大きな原因があります。
生活の中で食料を買うことに大きな比率を占める貧困層は、ただでさえ自分の得るお金から食料に大きな額を出しているのに、費用が高まることによってどうしようもなくなるという事態になるからです。
たしかに、私たちの買う食料のせいで途上国の人たちが買えない値段になったらそれはいやだなぁ、というのはありますね。
では、私たちはどれだけ他の国の食料を奪っていると言えるのでしょうか。
2007年の農産物輸入額ランキングを見てみましょう。
私たちの人口は1.9%ですが、
小麦では5%
とうもろこしでは15.8%
大豆では6.3%
肉類は9.3%
コメはほとんど自給しているので表示されていませんね。しかしミニマム・アクセスという取り決めで日本は消費量の7.2%を輸入しています。輸入だけして食べませんが。
コメのことは今度取り上げるとして、これらの合計で5.1%の輸入シェアを占めています。
さて、これはどれだけ途上国をいじめていることになるのでしょうか。
まず最初に、日本の食糧安全保障を考えるのではなく、「途上国で暴動が起きる程度の影響があるかどうか・飢餓人口が増えるかどうか」で考えてみようと思います。
肉類は、普通食べられる小麦やとうもろこしをわざわざ食わせて育てるものですから、飢餓を前提にしたものでは考える必要はないでしょう。
ただし、飼料穀物に向けられる量が多くなると価格が高くなるので、間接的には影響しています。
大豆も、日本では食用ですが、世界では油用と飼料用が一般的です。
特に中国への輸入量は世界の半分を占めており、暴動が起こるような途上国ではあまり輸入されていないようです。(それと同時に、これは「金額ベース」なので、食用の高いものが多い日本は量的には少ないとも考えられます。証拠はないですが)
そこで考慮すべきなのは、小麦ととうもろこしの二つとなります。
この二つで日本人が「罪悪感を抱かないように」するにはどうしたらいいでしょうか。
小麦に関しては、2007年では世界で生産された小麦の内19.1%が輸出に回されます。
その中で、日本は2008年に60.6%をアメリカから、23.7%をカナダ、15.5%をオーストラリアから輸入しています。
つまり、ほとんど3ヶ国から輸入しているんです。この内1国でも不作になれば、それはかなりの不安要素になるでしょう。
まあでも、たとえばオーストラリアなどは日本専用にASW(オーストラリア・スタンダード・ホワイト)という、うどんなどのための品種を開発していますから、それはオーストラリア国内には出回らないと考えていいのではないでしょうか。
また、輸入一位のイタリアは輸入した小麦を加工し、パスタなどで日本に輸出している部分もあります。
そういう事例を考えると、一切輸入できなくなる事態というのは考えられないですが、それは蛇足なのでちょいと置いときましょう。
日本は品質を重視するため、実質三ヶ国からですが、世界の輸出割合ではEU、ロシア、アルゼンチン、カザフスタン等が小麦の輸出を行っています。
それを考えると、小麦の生産地は各大陸でうまく分散しているようにも見えます。
ですが、各輸出国の輸出規制などで値段はうなぎ登りになりました。実際には生産が減った国はほとんど無かったにもかかわらずです。(06年が悪かったですが、07年以降は回復しています。しかし価格が本格的に上がったのは07年以降です)
つまりこのことを考えるとき、供給の不足ではなく、「価格高騰をいかに抑えるか」という答えのない問題にいきあたることになります。
輸出国一国ならば輸出規制をすればいいですが、他の国が迷惑ですし、国際間取引となると値段を抑える手段はよくわかりません。
そこで日本の方策としては「輸入を減らすために」二つのやり方があります。
1.国内小麦生産を増やす
2.小麦消費を減らす
農林水産業の将来ビジョン
農水省は、目標として現状の88万トンから、平成32年に180万トンへの生産拡大、パンなどの小麦製品について、1割の国産小麦・米粉の使用割合を引き上げる目標を立てています。(どうやってするかはしりません)
生産を増やすには、補助金を増やすぐらいしか方法がないと思うのですが・・・。
大泉一貫氏は、米粉やエサ米の補助金が破格なため、小麦を作るよりはコメを作るほうが割に合うといっています。
米粉が広がれば小麦の需要も少なくなるため、輸入も減る方向に働くかもしれません。
その分小麦生産が減る可能性もあるかもしれませんが。
二番目の消費を減らす方策はどうでしょうか。
これも米粉パンの普及ぐらいしか対策はないんですかね。
それか小麦の値段が上がり、消費者が実感することでコメが優位にたつぐらいでしょうか。
それは政府には管理できないので(まさか関税代わりのマークアップを意図的に高くすることはないでしょうから)、結局は米粉推進みたいな曖昧なものにしか頼れない気がします。
日本の実際の小麦輸入は例年500万トン程度。平成21年は目標に反して収穫量は67万4千トンと、ものすごい下がってます。
それで、これが目標どおりいったとしましょう。
輸入量が500万トンですから、100万トン国内で増産したと単純に計算すれば輸入の削減効果は1%・・・。
お世辞にもこれでなんとかなるとは言えないです。しないよりマシだと言われればそうかもしれませんが。
では、トウモロコシはどうでしょうか。
2007年は生産量のうち12.4%が輸出されました。
そして最大の生産国はアメリカで61.8%。アルゼンチン15.9%、ブラジル8%と続きます。
なんとトウモロコシはほとんどアメリカで作られているんですね。
となれば、アメリカで不作になれば、世界が混乱することになるといっても過言ではないかもしれません。
現状、アメリカを除いて大量にトウモロコシを生産できる国が無いといっても良いようです。
また、アメリカはバイオエタノールの原料としてもトウモロコシを使っています。
これが投機を呼び込む最大の要因の一つでしょう。
実際はサトウキビと違って、石油に対するエネルギー効率があまり良くないと言われ、また増産が回り回って熱帯雨林の破壊につながっているともされて非常に評判が悪いです。
今後は、これへの補助金が継続するのか、生産量が持続できるのかで「貧困者の飢餓」への影響が決まるでしょう。
そして日本は最大のトウモロコシ輸入国です。
これは「途上国の食べ物を奪い取って家畜にやっている」と言われてもしかたない数字にも見えます。
平成20年度の食料需給表では1635万トンぐらいを輸入して、そのうち1256万トンを飼料用にしています。
そしてなんと国内生産はゼロパーセント!
これはビックリです。
コーンスープなどには北海道産のスイートコーンなどが使われているし、甘いトウモロコシなどがお取り寄せで人気なので、生産がゼロというわけではないのですが、分母が多すぎて1%以下になってしまうということでしょうね。
ではトウモロコシも二つの面から考えましょう。
しかし増産といっても、ほとんど生産されていないトウモロコシにはほとんど注意が払われていないようです。
飼料自給率について調べても、飼料自給率向上計画とやらが平成17年度策定されたみたいですが、いまさら感があるし、効力がなかったのは明確だし・・・。
平成20年度からの計画もしたみたいですが、「推進」とだけ書かれていて具体的に何をしたのかまったくわかりません。
戸別所得保障も、とうもろこしに対して特別に支給する補助金は設定されていないようです。
増産はやる気がないといっても差し支えないようなので、消費のほうから考えましょう。
といっても、過半が飼料用途なので、消費者には手が届かない問題なのも事実。困りました。国産は歓迎されているはずなんですが。
政府は飼料用米の増産を考えているらしいですが、一時的かもしれない補助金のために輸入飼料から切り替える畜産家はいないと浅川芳裕氏は主張しています。
良い方策が私には思いつかないですね。
もうこうなったら、小麦やトウモロコシの代わりに、日本で余っているコメをどばーっと途上国に景気良くばらまいちゃうのが一番手っ取り早いか、とも思います。
金のことなんか知りません。
あれ、というかコメを生産して渡すより小麦を買うための金を出す方がよっぽど安上がりなのではないか・・・。
価格が高騰することで、輸入国の食費は上がります。
そのため、2008年の価格高騰では暴動が起きるほどでした。
これは、現在の高騰が原油とリンクして上がることに大きな原因があります。
生活の中で食料を買うことに大きな比率を占める貧困層は、ただでさえ自分の得るお金から食料に大きな額を出しているのに、費用が高まることによってどうしようもなくなるという事態になるからです。
たしかに、私たちの買う食料のせいで途上国の人たちが買えない値段になったらそれはいやだなぁ、というのはありますね。
では、私たちはどれだけ他の国の食料を奪っていると言えるのでしょうか。
2007年の農産物輸入額ランキングを見てみましょう。
私たちの人口は1.9%ですが、
小麦では5%
とうもろこしでは15.8%
大豆では6.3%
肉類は9.3%
コメはほとんど自給しているので表示されていませんね。しかしミニマム・アクセスという取り決めで日本は消費量の7.2%を輸入しています。輸入だけして食べませんが。
コメのことは今度取り上げるとして、これらの合計で5.1%の輸入シェアを占めています。
さて、これはどれだけ途上国をいじめていることになるのでしょうか。
まず最初に、日本の食糧安全保障を考えるのではなく、「途上国で暴動が起きる程度の影響があるかどうか・飢餓人口が増えるかどうか」で考えてみようと思います。
肉類は、普通食べられる小麦やとうもろこしをわざわざ食わせて育てるものですから、飢餓を前提にしたものでは考える必要はないでしょう。
ただし、飼料穀物に向けられる量が多くなると価格が高くなるので、間接的には影響しています。
大豆も、日本では食用ですが、世界では油用と飼料用が一般的です。
特に中国への輸入量は世界の半分を占めており、暴動が起こるような途上国ではあまり輸入されていないようです。(それと同時に、これは「金額ベース」なので、食用の高いものが多い日本は量的には少ないとも考えられます。証拠はないですが)
そこで考慮すべきなのは、小麦ととうもろこしの二つとなります。
この二つで日本人が「罪悪感を抱かないように」するにはどうしたらいいでしょうか。
小麦に関しては、2007年では世界で生産された小麦の内19.1%が輸出に回されます。
その中で、日本は2008年に60.6%をアメリカから、23.7%をカナダ、15.5%をオーストラリアから輸入しています。
つまり、ほとんど3ヶ国から輸入しているんです。この内1国でも不作になれば、それはかなりの不安要素になるでしょう。
まあでも、たとえばオーストラリアなどは日本専用にASW(オーストラリア・スタンダード・ホワイト)という、うどんなどのための品種を開発していますから、それはオーストラリア国内には出回らないと考えていいのではないでしょうか。
また、輸入一位のイタリアは輸入した小麦を加工し、パスタなどで日本に輸出している部分もあります。
そういう事例を考えると、一切輸入できなくなる事態というのは考えられないですが、それは蛇足なのでちょいと置いときましょう。
日本は品質を重視するため、実質三ヶ国からですが、世界の輸出割合ではEU、ロシア、アルゼンチン、カザフスタン等が小麦の輸出を行っています。
それを考えると、小麦の生産地は各大陸でうまく分散しているようにも見えます。
ですが、各輸出国の輸出規制などで値段はうなぎ登りになりました。実際には生産が減った国はほとんど無かったにもかかわらずです。(06年が悪かったですが、07年以降は回復しています。しかし価格が本格的に上がったのは07年以降です)
つまりこのことを考えるとき、供給の不足ではなく、「価格高騰をいかに抑えるか」という答えのない問題にいきあたることになります。
輸出国一国ならば輸出規制をすればいいですが、他の国が迷惑ですし、国際間取引となると値段を抑える手段はよくわかりません。
そこで日本の方策としては「輸入を減らすために」二つのやり方があります。
1.国内小麦生産を増やす
2.小麦消費を減らす
農林水産業の将来ビジョン
農水省は、目標として現状の88万トンから、平成32年に180万トンへの生産拡大、パンなどの小麦製品について、1割の国産小麦・米粉の使用割合を引き上げる目標を立てています。(どうやってするかはしりません)
生産を増やすには、補助金を増やすぐらいしか方法がないと思うのですが・・・。
大泉一貫氏は、米粉やエサ米の補助金が破格なため、小麦を作るよりはコメを作るほうが割に合うといっています。
米粉が広がれば小麦の需要も少なくなるため、輸入も減る方向に働くかもしれません。
その分小麦生産が減る可能性もあるかもしれませんが。
二番目の消費を減らす方策はどうでしょうか。
これも米粉パンの普及ぐらいしか対策はないんですかね。
それか小麦の値段が上がり、消費者が実感することでコメが優位にたつぐらいでしょうか。
それは政府には管理できないので(まさか関税代わりのマークアップを意図的に高くすることはないでしょうから)、結局は米粉推進みたいな曖昧なものにしか頼れない気がします。
日本の実際の小麦輸入は例年500万トン程度。平成21年は目標に反して収穫量は67万4千トンと、ものすごい下がってます。
それで、これが目標どおりいったとしましょう。
輸入量が500万トンですから、100万トン国内で増産したと単純に計算すれば輸入の削減効果は1%・・・。
お世辞にもこれでなんとかなるとは言えないです。しないよりマシだと言われればそうかもしれませんが。
では、トウモロコシはどうでしょうか。
2007年は生産量のうち12.4%が輸出されました。
そして最大の生産国はアメリカで61.8%。アルゼンチン15.9%、ブラジル8%と続きます。
なんとトウモロコシはほとんどアメリカで作られているんですね。
となれば、アメリカで不作になれば、世界が混乱することになるといっても過言ではないかもしれません。
現状、アメリカを除いて大量にトウモロコシを生産できる国が無いといっても良いようです。
また、アメリカはバイオエタノールの原料としてもトウモロコシを使っています。
これが投機を呼び込む最大の要因の一つでしょう。
実際はサトウキビと違って、石油に対するエネルギー効率があまり良くないと言われ、また増産が回り回って熱帯雨林の破壊につながっているともされて非常に評判が悪いです。
今後は、これへの補助金が継続するのか、生産量が持続できるのかで「貧困者の飢餓」への影響が決まるでしょう。
そして日本は最大のトウモロコシ輸入国です。
これは「途上国の食べ物を奪い取って家畜にやっている」と言われてもしかたない数字にも見えます。
平成20年度の食料需給表では1635万トンぐらいを輸入して、そのうち1256万トンを飼料用にしています。
そしてなんと国内生産はゼロパーセント!
これはビックリです。
コーンスープなどには北海道産のスイートコーンなどが使われているし、甘いトウモロコシなどがお取り寄せで人気なので、生産がゼロというわけではないのですが、分母が多すぎて1%以下になってしまうということでしょうね。
ではトウモロコシも二つの面から考えましょう。
しかし増産といっても、ほとんど生産されていないトウモロコシにはほとんど注意が払われていないようです。
飼料自給率について調べても、飼料自給率向上計画とやらが平成17年度策定されたみたいですが、いまさら感があるし、効力がなかったのは明確だし・・・。
平成20年度からの計画もしたみたいですが、「推進」とだけ書かれていて具体的に何をしたのかまったくわかりません。
戸別所得保障も、とうもろこしに対して特別に支給する補助金は設定されていないようです。
増産はやる気がないといっても差し支えないようなので、消費のほうから考えましょう。
といっても、過半が飼料用途なので、消費者には手が届かない問題なのも事実。困りました。国産は歓迎されているはずなんですが。
政府は飼料用米の増産を考えているらしいですが、一時的かもしれない補助金のために輸入飼料から切り替える畜産家はいないと浅川芳裕氏は主張しています。
良い方策が私には思いつかないですね。
もうこうなったら、小麦やトウモロコシの代わりに、日本で余っているコメをどばーっと途上国に景気良くばらまいちゃうのが一番手っ取り早いか、とも思います。
金のことなんか知りません。
あれ、というかコメを生産して渡すより小麦を買うための金を出す方がよっぽど安上がりなのではないか・・・。