●お手玉を使って
「カエルがぴょん」わらべ歌を歌いつつ、
時計回りに、自分から人へ投げては、受け止める。
唇での破裂音「P音」の外へ広がる発声とともに、リズムと一緒に他者に投げ、そして他者から自分に受け止める。
今日は、自分の左手から右手へポーンと上に投げ、落ちてきたお手玉をぎゅっと受け止めることも取り入れました。
より意識的に受けるための練習です。
左が弱いので、逆方向にも行ないます。
●掌から掌にタッチ。
「汽車ぽっぽ」の歌では、受けること、与えること、双方向の動きを、
機械的にならぬように、緩急つけて行ないます。
旅に出るようにワクワクしながら!
抱く感情によって、脳は異なる指令を出すようです。
また、破裂音Pは M, Bともに、閉じた唇が開くときの音声で、発声しやすく、明るい楽しさが感じられる響きです。
いろんな感情体験ができると、動作もそれに合わせてバリエーションが増えてきます。
心から動きへと。これを基本に、心へ働きかけるのです。
●母音 A と Uを交互に
「祇園の夜桜」でパッと開く満開の花。
グッとこれから咲こうとする蕾。
イメージと音声に合わせて、手と足で「開いて、閉じて」を繰り返す。
これは母音の A, Uの動きにあたるのです。
「わぁきれい! 今度はぐっとつぼんだよ」
感情豊かに、動きの源が彼女の心の中心から流れ出るように声をかけるのです。
障害を持つ人には、「感情の熱が必要だ」とシュタイナーも「治療教育講義」において語っています。
Aと Uの両極の動きを、発声とともに、繰り返し緩急をつけて体験するとき、
生き生きした目覚めが起こります。
それは、心と体の柔軟体操とも言えるのでしょうか。
ラジオ体操と違うのは、
やはり心の動きやイメージの変化を大切にすることです。
そうすると動きはいつも、自分の内側から起こるのです。
●母音の E交差の動き
「マーチングマーチ」を歌いながら
両手を振り、脚を使って踏みしめるように動く。
座りながらも、「マーチ」をしている気分。
「代わりばんこ、代わりばんこ」
の歌詞では、
途中、交差の腕の動きを入れる。これは母音の E の体験にあたります。
何度かやっているうちに、 Mさんの動きが
より意識的に、対角線を意識した動きに変化しました!
Eは,自分と他者を分ける力。
自分に触れ、自らを一点に集める力。
(神経の束は背中でEの交差のカタチをしています)
Eは,自我と非我を,分け隔てる力でもあります。
この時の
Mさんの表情も、いつもと違って見えます。
歯をくいしばるような、気合の入った動きになったのです。
母音Eの オイリュトミーフィギュア
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場所を移動し、立って発声しながら、ボール投げや、棒を使った動きをしました。
投げること、放つことは「発声」と大きな関わりがあります。
しっかりした発語を促すために、内から外へ向って言葉を放つように、
棒や、ボールを使って「投げる」「放す」ことを練習しています。
●リズムでボールを投げる
今日のMさんは、ボールの投げ方がガラッと変わりました。
暴走させたり、短すぎて届かない、ということがなく、いつも私の手元にしっかり届き、受け取ることができました。
いわば焦点が絞られたように確かさが加わりました!
交差することで、意識が目覚める母音 Eを、今日は集中して練習したからでしょうか。
●棒を使って空間把握
垂直、水平を棒の動きで感じ、また背後を感じる練習。
いずれも歌を用いて練習。
●歌いながら IAOのオイリュトミー
Mさんの I の背骨を伸ばす仕草が、以前よりもしっかりできるようになりました。
背骨を意識できるようになってきたようです。
背骨を意識するには?
背中に触れてあげたりもしますが、イメージを通して、発声とともに、例えば、植物が太陽の光に向かって伸びてゆく姿をイメージして、背骨をしっかり意識して伸ばすように導きます。
「 Mさんのお花のタネは、お日様に向かって、芽を出して伸びてゆきますよ」
「 Mさんの好きなお花は、どんな花?」と問いかけると
決まって「お花が笑ったの花が、好き」との答えが帰ってきます。
「では、大好きなお花を、タネから育てて大きく咲かせようね。」
そうすると、精神的な光を感じて、まっすぐに伸びることがより容易にできるようになります。
ただ、命じられるまま、まっすぐに立たせられるのと、自らの意志で、立とうとするのでは、雲泥の差がありますね。
●その後、器楽練習。
木琴、ピアノ、笛、グロッケンといろんな材質の楽器で、これらの曲を練習しました。いずれも彼女自身が選んだ曲です。
・カエルの歌
・咲いた咲いた
・キラキラ星
・ぶんぶんぶん蜂が飛ぶ
楽器を練習することは、脳と神経と運動を連動させる良い練習になります。
また感情と呼吸に働きかけることで、喜びが湧いてきて、表情がより生き生きとしてきます。
自らの動きを正確に導くことで、正しい音が出る体験は、
思考と意志の結びつきをも強めます。
何よりも、「繰り返し」練習が楽しくできるのが良いですね。
そして繰り返すことで上達し、それによって自己肯定感が生まれます。
●フォルメンや絵文字、詩
エポックノートにクレヨンで「かく」ことで定着できるように。
また、視覚を用いて、動きをカタチにする練習でもあります。
●最後に、笛の演奏をプレゼント
コロイの笛を一緒に練習してから、 Mさんに好きな曲を3曲選んでもらい、今日も頑張ったね、の気持ちを込めて、私が「プレゼント」として演奏します。
彼女が選ぶ曲のうち、3曲めは、決まって美しい「クリスマスの歌」です。
それは、天使が歌っているようなやさしい調べで、この曲を選んだ彼女の純粋さが感じられました。
どんな人の魂の中にも、真善美を感じる力がある、とシュタイナーは語っています。
「クリスマスの歌」を奏で、そばで聴き入る Mさんのピュアな心に触れたとき、
ダウン症という障害を持つ Mさんの、聖なる自我に触れたような感じがしました。
コロイの笛、
銅のメルヘンクーゲル
毛糸ボール
お手玉、羊毛ボール
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