ヤコビ教会(2016年2月、ドイツ・ハンブルク) | クラシック音楽と食べ物と。。。

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今回は、2016年2月のドイツハンブルクからです。

 

家を出て電車でハンブルクの中心まで向かいます。雪が降っています。

 

ヤコビ教会は、ハンブルク中央駅から市庁舎に向かうと最初に見えてくる大きな尖塔をもつ教会です。

 

この教会は1255年には既に文献に登場し、元々はハンブルクの城壁の外にある小さな教会だったようです。1260年にハンブルクの城壁が拡張されるとハンブルク市の一部となり、スペインなどへの聖地巡礼者が途中で立ち寄るようになったようです。

 

ヤコビ教会で有名なのは、なんといってもパイプオルガン。アルプ・シュニットガーが設計し、1693年に制作されたもので、60のレジスター、約4千のパイプを備えた北ヨーロッパ最大のバロックオルガンです。アルプ・シュニットガーと言えば、バイオリンでいうところのストラディバリウスのような最高の名工的存在で、彼の作ったオルガンは世界的に大変高く評価されています。ここヤコビ教会のオルガンはヨハン・セバスティアン・バッハも弾いたという話で、バッハは、この教会のオルガニスト試験を受けたそうですが、要求された寄付金が高かったので辞退したのだとか。

ハンブルクも第二次大戦で大きな被害を受けますが、オルガンは爆撃前に分解され別の場所に移され、戦後試行錯誤を繰り返し、ユルゲン・アーレントというマイスターの手で1992年にやっと復元されたそうです。いくら部品が残っていても、最高の名工の作品を最高の音色で奏でるのは簡単ではなかったようです。

 

教会へ入ると人が続々と集まってきていて、日曜の朝のミサはいきなりオルガンからスタートしました。なんともクリアーな音色。どこの教会のオルガンも古いものが多く、どうしても音が濁りがちですが、ここのオルガンはびっくるするほどのクリアーさ、音の多彩さ、なんといってもすごい迫力。背中と足元から音の振動が伝わり、体中を震えさせます。この音を聞いていると鳥肌が立ち、涙が出そうになりました。このオルガンはすごい!! 今日の奏者は、Gerhard Löfflerでした(多分)。

 

ここのミサはかなりの参加型で、みんなに歌わせる、みんなに朗読させるタイプ。どこのミサでも同じようなことするのですが、その比率が高い気がしました。途中、管弦楽あり、合唱あり。最後に寄付を集めて終了です。1時間20分ほどのミサでした。このオルガンは、聴く価値ありです。

 

ミサが終わってから市庁舎の方角へ歩き、ヤコビ教会の方を振り返ると、手前にペトリ教会、その奥にヤコビ教会の高い尖塔が見えます。ハンブルクはその景観を後世に伝えるために、建物の高さ制限がかなり厳しく、5つの高い尖塔がよく見える景観がしっかりと残されています。


市庁舎近くにあるCafe de Parisへ行ってみます。ハンブルクの市庁舎はいつ見てもほれぼれします。

 

Cafe de Paris満席だったのですが、少し待ったらカウンターが空きました。

 

リースリングとチョコタルトを注文。ケーキと白ワイン、その組み合わせどうなの?という人もたまにいますが、個人的には気に入っています。

 

ワインとケーキを堪能して、今日はもう一つ目的地がありますが、それは次回レポートします。