バイロイト祝祭歌劇場(2015年12月、ドイツ・バイロイト) | クラシック音楽と食べ物と。。。

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今回は、2015年12月のドイツバイロイトからです。

ハンブルクから飛行機での移動です。ハンブルク空港にもクリスマスの飾りがかかっています。

 

この日は、朝7時のフライトでハンブルクを立ち、フランクフルト経由でニュルンベルクへ10:40頃着く予定が、いつも通り遅れて到着。鉄道でニュルンベルク中央駅まで移動予定でしたが、予定の電車に乗れず、タクシーで移動になりました。このまま、バイロイトへ移動予定でしたが、少し時間があるので、駅のまわりを少しぶらぶらと。ニュルンベルク、なかなか雰囲気ある街です。

 

ここからバイロイトまで1時間ほどの列車の旅。途中、小さめの三角屋根の家々が並び、たまに赤い格子などが入っていたりして、ちょっとアルペンチック。山間に川が流れているところもあり、ちょっと長野っぽい感じです。また、少し丘になっていたり平地になっているところは牧草地があり、そこにも小さな小川が流れていて、その両側に木が並んでいます。水は冷たそう。なんとなく上高地を思い出す風景。雪が多いところなのか少し老朽化している家が多い気がします。なんかよい感じの車窓の風景です。(写真撮り忘れてました)

 

バイロイトの中央駅は小さな町の駅って感じです。それでもバイロイトの人口は7万人以上。


中央駅からリヒャルト・ワーグナー・フェストシュピールハウス(祝祭劇場)へは、歩いて25分ほどです。街は少し古い感じのする町並みで、あちこちにワーグナーが手を上に広げた像があり、どうもワーグナーゆかりの人や場所の解説になっているようです。

 

歩道にはワーグナーを示す「W」の文字。

 

遠方に、祝祭劇場が見えてきました。坂の上に建ってます。

 

最後に坂を上っていくとそこに祝祭劇場があります。ワグネリアンの聖地!!

なんと工事中で全面に囲いがされていました。

 

ワーグナーの銅像。

 

コジマ(ワーグナーの妻、リストの娘)の銅像。

 

松阪節三の「夢」。

 

 

14時からのガイドツアーに参加します。ドイツ語オンリーでしたが、日本語の解説シートがあり、それを貸してくれました。こんな時期にバイロイトに来る外国人は少ないようで、ドイツ語圏以外のツアー参加者は3人だけ。他の人は少なくともドイツ語ができる人たちで全員で十数名ってところです。(残念ながら、内部の撮影は禁止)

 

ここ祝祭劇場は木でできた劇場で、ワーグナー自身が設計して作ったものです。木造なのでロビーに太い柱が並びちょっとほかのホールとは違ったおもむきです。収容人数は1925席。エントランス・ホールは極めて簡素で、ある意味ログハウスを思わせる造りになっています。内部も、それほど豪華ではなく、音響を第一に考えられているようで、客席も元々は全部木でできていたそうです。今は、座るところに少しクッションがついていますが、それでも他の劇場に比べればなんとも質素な椅子。多分、これに座り続けていたらお尻痛くなりそうです。舞台と客席の間は防火用の鉄のカーテンで仕切られていました。おそらく火災対策でしょうか。客席は、土間席がほとんどで、ボックス席はほどんどなく、舞台正面に少しだけボックス席っぽい席がある程度。床も木材で、その下は空洞になっているようです。もともとその下は砂だったようですが今はコンクリートになっているとのこと。劇場のツアーガイドのおばちゃんの声がものすごくよく響いて、ものすごい音響効果なのだろうと納得です。

 

面白いのはオーケストラピット。普通は部隊の前にオーケストラピットがあるものですが、ここは舞台の下に潜り込んでいいます。舞台の前に半月状の空間があり、そこから舞台の下に向かって深く段々が刻まれています。そこにオーケストラが配置されるので、舞台が見えるのは指揮者だけ。それ以外の人からは舞台が全く見えない造りです。最下層のオーケストラ席からは、指揮者ははるか上の方で、正直かなり狭いです。この劇場は7~8月のバイロイト音楽祭の時だけ使用されるわけですが、空調もないため、かなり暑くなり、オケの人々はTシャツ・短パンで演奏しているとか。今は、モニターが設置されていてオケのメンバーからも舞台が確認できるようになっていました。また、これも音響のためとのことですが、オーケストラピットと客席の間には、よく高速道路にかかっている鎌倉みたいな1/4円状の覆いがかかっています。

 

一方、舞台の方はなかなかに広い舞台で、実際立ってみると、想像以上に広くてびっくり。オペラだけのために、人間の快適性を完全に無視して、ここまで音響にこだわった劇場というのは面白くはあるのですが、オーケストラからは演奏しづらいという声もあるとのこと。1時間ほどのツアーでした。

 
今回は、文字文字の記事になってしまいました。バイロイト編、次回に続きます。