ヨーロッパ在住デザイナーの現地レポート、今回はスペイン・バルセロナの至宝、アントニオ・ガウディのカサ・バトリョについてのレポートです。
あの、バルコニーの手すりというか腰壁というかが、オペラ座の怪人みたいなマスク様の装飾になっているやつですね。
あまりの芸術性の高さに、凡人にはほとんど意味はわかりかねます(笑
それにしても、こんなに芸術が身近にあり、しかもそれを当たり前とせずに日々触れさせる機会を設けることが自然に行われ日常となっている、このヨーロッパの文化・芸術分野の取り組みこそが、彼らをしてデザイン先進国であり続ける源泉なのでしょうね。
日本における、高級なファッション、高級なバッグ、高級な時計、高級な車。。。最上級ブランドは、すべてヨーロッパのものですよね。
それならば、その延長にあるであろう、住宅、店舗、建築などにおけるデザインも、ヨーロッパのものが最上級というのが当然の帰結ではないでしょうか?
いつも思い続けていることですが、こういった日常から、初歩的な一歩一歩から、考え直さなければならない訳です。
早速ですが、以下、本題のレポートです。
6月末に終了したロックダウンですが、一度は緩和され、外出時にある一定の距離が確保できればマスク着用の義務はなかったのですが、近日では感染者数が再び増加し、二次感染予防のためバルセロナではできるだけ外出しないよう再度の警告が出されました。
もし外出する場合はマスク着用が義務になり、もしマスクを着用してないと100ユーロの罰金を受ける事になっています。
ニュースにもなっていますが、海岸沿いは、海水浴を楽しむ人の人数制限のために、警察がコントロールしています。
しかしこれに反するように、現在では他のヨーロッパ諸国からの観光客の姿が少しみえます。
文化面においては、美術館、コンサート等は7月1日から、人数を制限して再度オープンしました。
その一環でまず第一に、医療者のオマージュとして美術館の入館の無料チケットが配布され、さらにこの暗い時期に少しでも文化に触れて欲しいとのことでバルセロナ市内の居住者にも予約制でくつかの美術館が無料で開館されることになりました。
運良く、今回カサバトリオの無料チケット(オプションによっては少し支払いがありました。今回は全ての見学、オーディオ用イヤフォンの貸し出し、ワイン一杯が込まれているオプションを選びました)を入手することができました。
入口にはやはりハンドアルコールが設置され、イヤフォンには直接触れないようにガーゼが被せてありました。
人数制限がされてはいましたが、人との間隔を保持するのは少々難しかったです。
入口から階段を登るとメインの階に到着するのですが、多くの部分には湾曲な形をした木材が使用されています。
中心部分には外側には曇りガラスが使用され、内部は木材で造られたエレベーターがあり、その内部のパティオには上に向かって薄いブルーから濃いブルーのグラデーションされたタイルで装飾された壁が太陽の光を浴びて、とても素敵でした。
屋上は以前暖炉の空気孔として使用されたノッポの煙突があり、こちらもカラフルなタイルで装飾されています。
日によっては夜のコンサートを行っており、夜用のイルミネーションもありました。
いつも明るい性格なラテン人。
楽観的なこともあり、一度規正が緩和されると、調子に乗り、すぐに集まり、近くで会話を初め、手振り身振りで大声で笑ってしまう人種。ある意味、ポジティブシンキングで良いのですが、いつもその後の問題を考えないのもラテンの典型的な性格です。
日本では問題が起こる前に問題を定め、起こらないように対処しますが、こちらの考えは全く反対で問題が起こってから考えよう、起こる前にくよくよ考えても何も起こらない、というのがこちらでは常識です。
なので、この二次災害も彼らの行動をみてしまうと。。危ないなあ。。と考えてしまうのですが、芸術に関してはとても重要視しており、この点に関しては素晴らしいと思います。
普段は観光客が多く、入場券も観光客用の値段になり、住民にはあまり手の届かない環境になってしまいますが、こんな暗い時期だからこそ、芸術に触れてほしい、という考えは本当にうれしいです。
1枚目の写真 : ファザードでもみれますが、カラフルなステンドガラスです。写っている人でご確認できますが、マスク着用必須です。
2枚目の写真 : メインの階(日本では2階部分です)の内側のテラスからです、メインの階以外にも様々な手すりや壁の細部まで装飾がアイアンの部分にもされています。
3枚目の写真 : 木製のエレベータです。外側の扉に曇りガラスが使用されています。
4枚目の写真 : エレベーター内部のボタンです。
5枚目の写真 : エレベーターの横のお隣さんのお宅の扉です。こちらも木製でドアの枠には内部パティオの青のグラデーションで装飾されたタイルと同じ色のタイルが使用されており、扉の番号も特徴的な形の文字を使用しています。
6枚目の写真 : 屋上です。4つのノッポな形をした煙突が際立ちます。そして夜用のライトも見えます。
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