そういえば、ベトナム、ハノイにある5つ星ホテルの中でも、フレンチコロニアル様式が美しいホテルともなると、そうは数がありません。

 滞在期間中、ほとんどを安ホテルで済ませて、1泊だけアプリコットホテルに集中投下したお話を、そのままにしていましたので、思い出したように書いておきたいと思います。

 

 このアプリコットホテルは、ハノイ目当ての観光客でしたらまず最初に集まるであろう、ホアンキエム湖のほとりに、瀟洒に佇んでいて、湖を一周散歩すれば、その美しさに、ひときわ目を引きます。

 ちなみに、本物のパリの建築を想像されては困ります。あちらの外壁内壁は本物の大理石、砂岩系の石、どのみち本物の石積みです。

 ここはベトナム、「コロニアル」とは何かお洒落な響きがありますが、直訳すれば「植民地の」という、身も蓋もない意味ですから、フレンチコロニアル様式とは、フランスが植民地時代に母国を思って似せて安普請した建物と理解するのが早いと思います。

 ですから、大理石積みを思わせるデザインの外壁も、ほぼすべてコンクリートで模して表現しています。

 でも、良いじゃないですか、それでもアジアにおいて最もパリに近いんですから。これぞ「東洋のパリ」です。

 日本でも、これを見習えば良いと思うのです。

 

 さて話を戻しますが、もう1点。このアプリコットホテルは、フランス統治時代の建物を利用していたかと思いきや、建てられたのは2015年と結構最近のお話です。

 その辺りも、勘違いしやすいと思いますので、お気を付けください。

 要は、フレンチコロニアル様式にこだわり抜いたホテルを、新たに建築した、そのことです。

 ただし、ロートアイアン屋としては、まず外観で目に入るのは贅沢に多用されたロートアイアンで、デザインも含めてとてもお洒落ですし、一足エントランスをくぐれば、写真2枚目のように大きな吹き抜けをグルっとロートアイアンで装飾されており、これで正面に大きな階段でもまわっていれば、もう完璧なフランスの世界観でしたが、まあそこはホテルの敷地の制限が(それほど大きなホテルではありませんので)あって無理だったのでしょう。しかしながら、替わりと言っては贅沢過ぎるシャンデリアに、天井のデザインとライティング、なかなか素敵な空間が出迎えてくれます。

 

 さらにはこのアプリコットホテル、館内の至るところに彫刻、絵画その他の芸術品がところ狭しと展示されていて、どうやらその数700点以上、すべてベトナムの名だたるアーティストの作品だそうで、それこそ、ちょっとした美術館のよう。

 その作品の価値は知りませんが、そんな下世話な話より、その素地のお話の方に、感動します。

 その素地とは、フランスが、フランス統治時代にベトナム芸術大学を設立したお蔭(どこまでの割り合いかは知りませんが)で、ベトナムの方々のアート感覚が磨かれて、その結果として、こういったホテルになったと考えれば、フランスって街づくりや建物だけでなく、色々遺していったのだと、改めて関心しきりです。

 どこかの超大国とは、全然違いますね。

 

 ちなみに、調度品が凄いとは全然思いませんでしたが(目が曇っているのかな?)、家具その他の調度品にも植民地時代をイメージしてデザインし作らせたほどのこだわり。。。だったそうです。

 1点、写真3枚目のアンティーク風にデザインされた電話だけは、とってもかわいい、と思って写真に収めていました。

 

 そして、もはやホテルなんて関係ないお話ですが、4枚目はプロのカメラマンの写真(先般ご紹介しました書籍の表表紙です)。

 対して、写真1枚目はiPhone7のカメラで撮った写真です。

 。。。もはや、同じ物にすら見えません。

 この時代だからこそ、余計にカメラの性能って、とても大切ですね。心底実感します。

 そして、もちろん、腕ですよね。それは、職人さんというかその道のプロのお仕事ですから、同じレベルを希求するのはどだい無理としても、あまりに違い過ぎることに驚きを隠せません。

 どの世界でも、プロのお仕事を尊敬し、信じて、お任せするってことの大切さを、改めて勉強させられる1枚でした。

 

 次は是非、トランプさんと金さんが昼食会を開催した、ソフィテル レジェンド メトロポール ハノイに、チャレンジしたいですね。

 蛇足ついでに、そういえば、しばらく前からアプリコットホテルの隣に、フォーシーズンズホテルが建築中ですね。そちらも、どんなデザインになるのかとっても気になりますが、願わくば変なモダンな建物にせずに、フレンチ系のコテコテしたデザインになってもらいたいものです。

 

 皆さまも、ベトナム、ハノイにご滞在の際には、是非!

 

 

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