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小説かいてみました。

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部活を引退した中学3年生は、高校に向けて勉強に専念する。

あるいは、放課後の時間を持て余し、気が付けば、道を逸れてしまう子もいるだろう。

コウキは、後者になってしまった。

高校に行っても野球をする気には全くなれなかった。

とはいえ、目的もなく、勉強を頑張る気にはなれなかった。

放課後は、次第に、悪とされていた陸上部の友達とよく遊ぶようになった。

彼女の由美は、勉強で忙しかった。

コウキが

「勉強ばっかりしてないで、やっと時間があるんだから、遊ぼうよ。」

などといってもあしらわれてしまう。

それもそのはず。

由美は、東京にある高校に進学する為に、必死だった。

彼女は将来、医療関係に進みたいと考えていた。

そのために東京にある高校に進みたいと、考えたのだ。

コウキは、その選択にも不満を抱いていた。

「由美が、東京に行ったらはなればなれになるじゃん。それは仕方ないとしても、

 その分、今のうちに遊びたいのに。勉強ばっかり。」

この思いを、直接伝えたことはなかったが、言動として出てしまう。

そして、2人はよくケンカするようになった。

目的もなく地元の高校に進学するコウキ。

夢のために、東京の高校を選んだ由美。

今、同じ場所にいても、将来、全然違う道を歩むことは明白だった。


コウキは、だらだらとした半年を過ごした。

家にいる時間は、部活していた時よりも少なくなっていた。

夜帰ってきて、ご飯を食べるとまた、遊びに行く。

自ずと、家族との会話も減る。

だが、両親は、

「遊びたい年頃だろうし、それも経験だろう。今まで部活をやってきた分、遊びたいんだろう。

 でも、変な事はやってないだろうか。」

と、心配は当然していたが、甘く見るようにしていた。

しかし、コウキがどこで、誰と、何をやっているかは、把握していなかった。

そして、コウキが何を考えているのかも把握できなくなっていた。

そして、迎えた中学校の卒業。

無事、目的の高校に合格した由美は、卒業式の10日後に、東京に引っ越すことになった。

実は、最後のクリスマスに、コウキへ由美からメールで別れを告げていた。

「コウキ。突然ごめんね。もう別れよ。最近は、遊ぶ時間もなくなったし、コウキが何を考えて

 いるかもわからない。今までありがとうね。はなればなれになっても、野球頑張ってね。」

コウキは、強がって返信した。

「うん、そうだね。ごめんね。頑張ってる由美を素直に応援できなくて。

 俺は俺でがんばるからさ、由美は東京に行って、絶対頑張れよ!こちらこそ、ありがとね。」

そして、由美の引っ越しの日。

コウキは最後に、由美を公園に誘った。

まだコウキは、由美のことが好きだった。

いや、別れてから前にも増して、由美への気持ちは膨らんでいく。

きちんとけじめをつけようと、公園へ誘った。

そして、待ち合わせの時間に少し遅れて、由美がきた。

「ごめんね、待った?引っ越しがなかなか終わらなくて。ほんとごめんね。

「いいよ。こっちこそ急に呼び出してごめん。」

沈黙が続いた。

「コウちゃんはさ、高校に行っても野球を続けるの?」

「・・・いや、たぶんやらないよ。」

「なんで?」

「・・・野球が好きじゃなくなった。」

「・・・そうなんだ。コウキが甲子園に出れば、東京でも見れるのになーとか思ってたのに。」

由美は少しおどけて言った。

「ごめんね。僕は由美に何もしてあげられないね。ホームランも打てなかったし。」

「そんなことないよ!全国大会に連れて行ってくれたじゃん!すごい楽しかったよ。」

「ありがとね。ホントに由美は優しいね。しかも、頑張り屋だし、目標も定まっていて、ちゃん

 と努力してる。本当にすごいよ。僕なんかとは、釣り合わないよね。」


「・・・そんなことないよ。コウちゃんだってちゃんと、目標を見つけなよ。絶対、コウちゃん

 は頑張れるって信じてるから。私も頑張って、夢を叶えるから。コウちゃんも頑張ってね。」


「・・・うん」

「じゃあ、私、行くね。」

「うん、頑張ってね。ありがとね。」

「うん。じゃあね。」

由美は家の方へ歩いた。

コウキは、走って、後ろから抱きしめたかった。

(もう一度、やり直したい。

遠距離になってもいいから、由美の邪魔はしないから、もう一度付き合って欲しい。

由美がどうしても好きで好きでたまらない。

お願いだから、行かないで。)

しかし、コウキは、何も言えずただ呆然と立ち尽くしていた。

そして、涙が溢れた。

素直になれなかった自分。

それを温かく、優しく包んでくれた由美。

夢に向かって東京に行った由美。

ただ地元の高校に進んだ自分。

どうしようもない感情がこみ上げてくる。

処理しきれない感情がコウキを支配し、それは涙となり、溢れる。

感情に終わりがないように、涙は流れ続けた。

そして、どれくらいの時間が経っただろうか。

コウキの携帯が鳴った。

1通のメールが入った。

「コウちゃん、今まで本当にありがとね。私は、野球を頑張ってるコウちゃんが、一番好きだっ

 たよ。最高にかっこよかった。野球を続けないって聞いてショックだった。

 もう野球をやってるコウちゃんを見られないんだなーって。

 やっぱり、夢中になってるコウちゃんが、一番輝いてるよ。

 何でもいいから、夢中になれる事を見つけてね。さようなら。   由美。」

続けて携帯がなり、メールがもう1通入った。

「今日、ご飯食べるでしょ?できたから、帰っておいで。

 から揚げだから、なくなっちゃうよ。」

母からのメールだ。

いつまでも泣いてなんかいられない。

そう呟いて、コウキは、ゆっくりと自宅へと歩き始めた。