小説かいてみました。 -2ページ目

小説かいてみました。

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>軽音部を辞めたコウキは、ライブハウスに出ようと考えた。

そして、市内で一番栄えている駅の近くにライブハウスを見つけた。

見つけたその瞬間、コウキはそのライブハウスに入った。

(小さいな・・・)

コウキは、そう思った。

そこは、アコースティックライブの専門のライブハウスだ。

それを知らなかったコウキは、その規模に驚いた。

そして、スタッフらしき人に睨まれていることに気付いた。

「すいません、今日は、ライブやってないんですけど。」

と、素っ気なく言われた。

「あの、出演したいと思ったんですけど。。。オーディションとかしてますかね?」

コウキは、戸惑いながら言った。

「あーちょっと待ってくださいね。」

そう言って、スタッフらしき人は奥へ行った。

そして、その奥から別の人が現れた。

「どーも、はじめまして。ここのオーナーの山下と申します。よろしく。 ライブに出たいの?」

その人は、オーナーの名にふさわしくないほど、髪がぼさぼさのおじさんだった。

「はじめまして。突然、すみませんが、ライブに出たいと思って来ました。

 オーディションとかやってるんですか?」


「いや、うちはすぐにでも出られるよ。チケットのノルマはあるけどね。」

「すぐに出られるんですか?!じゃあ是非出たいんですが、チケットのノルマって何ですか?」

「簡単に言うと、出演者がうちにお金を払って、そのお金でチケットを発行するから、そのチケットをノルマ以上売上げれば、出演者に儲けが出る、てこと。まあ、出演料だと思って。」

「はあ・・・じゃあそれは、1ライブいくらなんですか?」

「1ライブで、15,000円だよ。てか、学生?一人でやってんの?ギター?」

「えっと、高校2年で、軽音部に入ってたんですけど、辞めて一人でライブやりながら、バンドメンバーを探そうかなと思っています。一応、ギターをやってます。」

「高校2年かぁー若いねー。軽音部でも、ギターとヴォーカルをやってたの?」

「いえ、軽音部では、ギターだけでした。」

「今、オリジナルの曲とかある?」

「いえ、まだありません。」

「あー、そっかー・・・うちは、一応オリジナルだけでお願いしてるんだよね。」

「そうなんですかー・・・わかりました。」

コウキは、勢いに任せて、入ったことを少し後悔した。

(冷静に考えると、まだまだライブに出られるレベルじゃないよな。

 オリジナル曲も持ってないし。カバーのレパートリーですら、あまりないのに。

 第一、俺、歌も練習しなきゃ。はあ・・・浅はかだった。)

「じゃあ、また今度、曲を作ってから来ます。」

「よし、待ってるよ。じゃあ、一応これ、俺の名刺を渡しとくよ。」

「ありがとうございます。またよろしくお願いします。」

コウキは、少し恥ずかしそうに立ち去った。

しかし、ライブハウスの玄関に差し掛かった時、一つの張り紙を見つけた。

{アルバイトスタッフ募集中!!週2日~OK!!}

コウキは、急いでオーナーの方へ戻った。

「おう、どうした?」

「あの、アルバイトを募集してるんですか?」

「うん、一応ね。」

「僕みたいな未経験じゃだめですか?」

「いや、全然大丈夫だよ。」

「じゃあ、働かせてください。」

「おっ、いいねー。じゃあやってみるか?」

「いいんですか?!じゃあ、働きます!」

「高校生だよね?じゃあ基本的に、土日の出勤になるけど、OK?
 まあ、休みたいときは言って。仕事なんだけど、ドリンク作ったり、まあホールスタッフが
 メインになるけどいい?あと、時給は850円ね。」


「はい!全然大丈夫です!」

「じゃあ、今週末から入れる?」

「入れます。」

「じゃあ、今週の土曜日の、昼の3時に私服でしてもらえる?」

「わかりました。」

「じゃあ、よろしくねー。」

「はい、よろしくお願いします!」

「あっ、えーっと名前は、なんだっけ?」

「コウキと申します。」

「コウキ君ね。じゃあ、土曜日よろしく!」

「はい!失礼します!」

オーナーの山下は、奥の方へ消えていった。

コウキは、自宅に戻り、そのことを両親に伝えた。

両親は、最初こそは、急に音楽を始めた息子に、戸惑っていたが、次第に、息子の本気さを感

じ、心の中では、応援していた。

当然、アルバイトの事も了承した。

コウキは、着実にステップアップしていく自分の音楽人生に、少し浮かれていたのだろう。

この音楽が、人生の中で大きなギャップを作ってしまうことに気が付くのは、ずいぶん、先にな

るだろう。

そんなことも知らずに、コウキは、今日もギターを弾く。


どこかで掛け違えてきて、気がつけばひとつ余ったボタン。

同じようにして誰かが、持て余したボタンホールに出逢うことで意味ができたならいい。

            ミスターチルドレンーくるみ