昨年書きかけだった「実験の思い出シリーズ」第3弾。

今回は分光実験について書きます。

 

分光実験では太陽光等のスペクトルを見ました。

スペクトルとは、光の中にどんな波長(≒色)の光が含まれているかを表した図と思っていただければ良いと思います。例えば赤色のLEDのスペクトル図は波長650nm付近がピンと立ったグラフ、緑色のLEDのスペクトル図は波長520nm付近がピンと立ったグラフ、青色のLEDのスペクトル図は波長450nm付近がピンと立ったグラフになります。

実験の本題は分光器という装置を用いて空を見て、大気中の酸素濃度やオゾン濃度を測ったりしたのですが、ここでは実験の中で一番分かりやすい、白熱灯蛍光灯の光のスペクトルについて書きたいと思います。

 

さて、白熱灯や蛍光灯のスペクトルはどのようになっているのでしょうか?

答えはこちら。

左の白熱灯のグラフはなだらかですが、右の蛍光灯のグラフはなんだか1つピンと立っている部分がありますね。

見た目はあまり変わらないこれらの電灯ですが、スペクトルを見ると明らかな違いがあることが分かると思います。

これは白熱灯と蛍光灯の仕組みに秘密があります。

 

蛍光灯の仕組みは「実験の思い出2 〜 蛍光灯は点滅している?」でも紹介した通りです。まず、蛍光灯に電気を流すと蛍光灯管内に満たされている水銀ガスに電子が大量に衝突し、水銀ガスが紫外線を発します。そして水銀が発した紫外線によって、管の内側に塗布されている蛍光塗料が発光する、という仕組みです。実は物質はそれぞれの物質ごとに特徴的なピーク(スペクトル図でピンと立っている部分)を持つのですが、上記の理由から蛍光灯のスペクトル図には水銀特有のピークが現れるのです。これが先ほどのスペクトル図においてピンと1つ立っている部分の正体でした。上のスペクトル図の範囲には現れませんが、他にも内側に塗布されている蛍光塗料の色に対応する波長の部分にもピークがいくつか現れます。

一方で白熱灯は、電子が電球のフィラメントの中を流れる際の摩擦によって光を放っています。フィラメントの中を流れるスピードは電子によって異なり、それぞれがそれぞれのエネルギーに応じた光を放つため、全体的になだらかなスペクトル(連続スペクトル)になります。

 

スペクトル図のお話だけではピンと来ないと思うので、最後に「回折格子」というものを通して白熱灯と蛍光灯を見た画像をお見せしたいと思います。回折格子は光を通すとその中に含まれている色が分離して見える透明なシートです(高校物理等で聞き覚えのある方もいらっしゃるかもしれませんね。原理は全く異なりますが、今回の話の範囲ではプリズムのようなものだと思っていただければOKです。)。

さて、以下の画像は回折格子を通して白熱灯と蛍光灯を見たものです。どちらが白熱灯でどちらが蛍光灯でしょうか?

ここまでの話をヒントに考えてみてください。

 

答えは、左が白熱灯右が蛍光灯です。

左の方が色が連続的に見えているのでこちらが白熱灯、右の方は蛍光塗料に対応する色が見えています。

回折格子というとなんだか大変な物に聞こえますが、東急ハンズ等で「分光シート」等の名前で照明用器具として販売されています。意外と簡単に入手できる上、結構楽しいのでもし興味があったら買ってみてください(笑)

但し、目を痛める可能性があるので太陽を直接見ることのないように気をつけてください。

 

ではでは!