実験の思い出第2段です(第1弾はこちら)。

今回は電気回路実験について書きます。

この実験は前評判通り、実験の全5テーマの中では一番大変でした。他の実験は18時前に帰れることも多かったのに、この実験は7日間連続20時退社でした!研究が始まったらこんなでは済まなそうですが(苦笑)

しかし、自分ではんだごてを持ち、いくつかの選択肢の中から好きな回路を選んで作り、好きなデータを測定することができるなど、自由度が高く、とても楽しかったです。

 

7日間セットのうち1〜4日目は第1次フィルター回路と第2次フィルター回路の制作を行いました。ざっくりと言うと、入力信号のうち高周波成分をカットできる回路です(低周波成分を通す回路なのでローパスフィルター、或いはLPF回路と呼ばれています)。家庭の交流電源くらいの周波数(50-60Hz)の電流を入れると出力端子からはだいたい同じような電流が出てきますが、もっと高周波の波(100,000Hzとか)を入れると出力端子からはほとんど電流が出てこない、という回路です。

少し組み替えれば低周波成分をカットする回路も作れます。

 

5,6日目には上記のフィルター回路を組み込んだセンサー回路の作成を行いました。私は「フォトダイオード」という、光をあてると電気を流す素子を用いた光センサー回路を作成しました。フォトダイオードというとすごい素子に聞こえるかもしれませんが、実はLEDと大して変わりません。LEDも強い光をあてると少しだけ発電するんですよ!

 

 

私は、自作した光センサー回路を用いて蛍光灯の光を測定してみました。

蛍光灯に電気を流すと蛍光灯管内に満たされている水銀ガスに電子が大量に衝突し、水銀ガスが紫外線を発します。そして水銀が発した紫外線によって、管の内側に塗布されている蛍光塗料が発光します(蛍光ペンにブラックライトをあてると光るのと同じです)。これが蛍光灯の原理です。私はここから「蛍光灯の明かりは電源と同じ周波数で揺れているはずだ!」と予想して、明るさの測定を行いました。

測定の結果、蛍光灯は “100Hz周期で” 点滅していることがわかりました。100Hz…電源の周波数の2倍ですね。どうしてでしょう。

理由は次の通りです。

まず、コンセントから得られる電流は高校の数学でやったY=sinXのグラフのように振動しています。電流値がプラスのときもあればマイナスのときもあるのです。一方で明るさにマイナスというものはなく、電流値がプラスのときもマイナスのときも同じように発光します。だから電流がY=sinXのように振動するなら蛍光灯の明るさはY=|sinX|のように振動することになるのです。以下のグラフのように、Y=|sinX|のグラフの周期はY=sinXのグラフの周期の半分になるので、周波数はその逆数の2倍になります。これが蛍光灯が100Hz周期で点滅している理由です。

 

 

 

ここまで読んで、「蛍光灯が周波数100Hzで点滅していたら肉眼でもチラツキがわかるのではないか」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

人間の目で認知できる点滅周波数の限界(点滅限界といいます)は30Hz程度で、先ほど測定した蛍光灯の点滅(100Hz)はおそらく認知できないと思います。

しかし、認知できなくても目にはあまり良くないらしく、近頃では「インバーター」というものを内蔵した蛍光灯もあります。インバーターとは、入力された電流に対して好きな周波数で電流を出力できる素子で、蛍光灯の場合はこのインバーターを用いて蛍光灯にかなり高い周波数の交流電流を流しているそうです。

ではインバーター入りの蛍光灯の点滅の様子も調べてみよう、と思い先ほどの光センサー回路で測定してみました。色々条件を変えながらデータを何度もとって結果を比較しました…がどんなにデータたちとにらめっこしても「インバーター入りの蛍光灯も100Hzで点滅しているかもしれない」という結論しか出てきませんでした…。メーカーが嘘をついているとは思えないので、この結論は誤りだと思います。部屋の明かりなどが邪魔になってしまった可能性大…無念。

 

授業でやる実験だと失敗した場合にやり直す時間がないのがつらいですね。。。