伊都国つうしん 214
● これは事実なのだろうか、だとしても悲劇はまだつづく。
今回は、伊都国とは関係のない、固い話になります。
2022年2月にロシアの攻撃によって始まったこの戦争。
実はそれ以前に、ウクライナ南部のクリミア半島を侵略し、
さらには東部の一部を制圧していたロシアが、
ウクライナ全土を制圧して国家じたいをロシアにしてしまう目的で
始まった戦争です。
まもなく丸4年になるこの戦争について、
ちょっと前ですが、日経新聞の「Opinion」欄の記事です。
10月15日付け日経新聞。
歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏。
1976年イスラエル生まれとあります。
ロシアの、いやプーチンの狂気的な野望によって始められたこの戦争、
強国ロシアに対して、ウクライナが善戦して膠着状態になっている ………
領土を割愛することで休戦するなどと、ウクライナ側が飲むはずのない条件をだし、
それに応じないウクライナを非難しているロシア ………という状況。
そんなふうに現状を認識していたので、
この「ウクライナは勝利している」には、正直、びっくりしました。
● 少し長くなりますが、その内容をざっくりとまとめてみますと。
冒頭で、こう語っています。
ロシアとウクライナの戦争は、ロシアのプロパガンダが吹聴する筋書とは逆に、
これまでのところウクライナが勝ち続けている。
今年2月、ゼレンスキー大統領に「あなたにはカードがない」のだから
ロシアの要求に屈しなければならない、と言っていたトランプ大統領でさえ、
9月には「ウクライナはEUの支援を受けて戦いに勝利する立場にある」と表明した。
………と。
ウクライナが勝利しているのは、2つの面があります。
1つは、軍事的な勝利。
2つめは、プーチンの野望が達成できない ……という面からです。
まず肝心な軍事面。
当初、プーチンをはじめロシア側は(そしておそらく世界の多くの人も)
ロシアの圧倒的な軍事力によって、数週間あるいは数か月のうちに
ウクライナは制圧されるだろう、と考えていたでしょう。
しかし、現実はちがいます。というか、
ウクライナ軍は戦力で劣るにもかかわらず、キーウ攻撃を退け、
さらには戦いが始まった22年の夏の終わりには、反撃に転じた。
22年当初にはロシア側に占領された領土の多くを解放した。
それ以降、両陣営ともほとんど動かなくなった。
ロシアは絶え間なく前進している印象を与えようとしているが、
戦いを始めて以降、戦略的に重要な大都市の攻撃目標を一つとして
制圧できていない。
25年に入ってから、兵士の死傷者数20万~30万人という代償を払って
ロシア軍がなんとか獲得できたのは、前線周辺のわずかな領土だ。
その面積は、最も信頼できる複数の情報源によると、
ウクライナ全土の約0.6%にすぎない。
(この数字は思うに、22年2月に始まった戦いで獲得した領土、ということだろう。
ときどき新聞で見るウクライナ東部のロシア側が制圧した領土図では、0.6%とは
思えない。たぶん以前の、クリミア半島を略奪した時に制圧した東部エリアは、
この0.6%には入っていないのではないだろうか。
こんどその領土図が新聞に載ったときに、改めて確認してみようと思います)
さらには、海でのウクライナ軍の成果は目覚ましい。
最初は劣勢だったが、
一度は制圧された黒海西部の要衝、ズメイヌイ島を奪還。
この間にロシア軍の黒海艦隊の旗艦だった「モスクワ」を含む多くの戦艦は
黒海の底に沈んだ。
ロシアの制海権を無力化し、海上戦そのものを一変させた。
空でもロシアは苦戦している。
25年6月にはロシア国内の軍用飛行場がウクライナのドローン攻撃を受け、
多数の戦略爆撃機が失われた。
ロシア軍はいまだにウクライナ上空での優位性を確立できていない。
これらにより、ロシアは長距離ミサイルやドローンで
ウクライナ都市を攻撃し、市民を恐怖に陥れることで反撃している。
ウクライナ軍がロシア海軍を奇襲。
(画像サイト JBpress より)
● 2つめの、プーチンの狂気の野望が達成できない、ということ。
プーチンはいくつもの演説や論文で、ウクライナは真の国家ではないと主張している。
ウクライナという国家は存在せず、ウクライナ人は実際にはロシア人であり、
きっかけさえあれば喜んで母なるロシアの一部になる、と語っている。
そして、そのためにウクライナという国家の破壊を主たる目的として戦争を始めた。
しかし、それが達成できないのは明らかである。
この戦争がどうなっていくかは、予測がつかない。
だが、極めて重要なのは、ウクライナの勝利は既に決定的で、
覆されることはないという点だ。
………としています。
さらには、
プーチンの妄想と野心のために、今後どれだけの命が失われるかわからない。
だが世界中に明らかになった揺るぎない事実は、ウクライナが本物の国家であり、
ウクライナの人々はロシアからの独立を守るためなら何が何でも戦うつもりだ、
ということだ。
………としています。
今後、どれだけの時間がかかり、どんな風に決着がつくのか、想像できません。
が、ウクライナにとって、それが最もいい形であることを、望んでやみません。
● 話は大きく変わり。
わが家の玄関前の小さな庭には、ナミさんが植えたハーブのほか、
垣根のような植栽の中からたくましく雑草たちが生えています。
うっとうしい雑草たちですが、たまに小さな花を咲かせると、
とたんに何か、可愛らしく見えてきますね。
ローズマリーが、もうまさに雑草のように
小さな林になっている。
その一本に、小さな薄紫の花が咲く。
なんという名かさえわからない雑草。
門柱わきにまるく刈った植栽の中から
突き出てきている雑草に、黄色い花が。



