私が最も尊敬しているのは、
自身の祖父である。
80歳を超えた今でも、
朝から経済新聞の隅から隅まで目を通し、
時事問題で知らないことは彼に聞けば全てを教えてくれるとさえ思っている。
そんな祖父は中卒だ。
祖父の時代、中卒なんか珍しくもなんとも無いが、
私が尊敬しているのはそこではない。
一代で築き上げた会社で家族5人を養い、
実家に一軒家をプレゼントしたのが30歳だったと聞くから
こりゃあたまげた。
祖父の口から聞いたことが無いが、
親戚から聞いたことなので本当なのだと思う。
稼いだお金は最低限の家族の生活に必要なものだけ残し、
慈善事業に寄付をし、
交通遺児などの学費に充てるようにしていたようだった。
お金の使い道だけに対して尊敬しているわけではないが、
彼の「何とかする」という根性は
孫の私から見てもどこからそのパワーが沸いて出てくるのか疑問なほどである。
大学へ行ったことのない祖父が、
私の両親より卒論に詳しく、
単位の取り方、教員免許の取得方法に詳しい。
孫の私が大学へ行くと決まったときから、
嬉しそうに色んな資料を読んでいた。
母が病気で入院したときも、
その病気の本を買って熱心に勉強し、
誰よりも早く退院後のことを視野に入れて動いていた。
美術館、資料館、展示会に行けば、
食い入るように何時間でも眺めている。
そしてそこで得た知識を決してひけらかすことなく、
黙って一人過ごす。
「人生毎日勉強だ」という祖父の口癖、
本当に素敵だと思う。
私は祖父にはあまり外見は似ていないが、
性格がとても似ていると言われる。
傍から見たらただの頑固者に見えるかもしれないが、
私には一生かかっても超えられない憧れの存在である気がする。
また祖父母と古都にでも旅行に行きたいなぁと思っている。
祖父と行くとガイドが要らないから。
仕事が落ち着いたら、誘ってみよう。