
だいぶ人も減って、日も傾いてきたので、帰ることにしました。
リラの僧院を出たのが18時頃。
カーブの多い山道を、僧院から帰る車が下っていきます。
対向車は殆ど来ないから、わりとスピードを出していますね。
しばらく走ったら、道の脇に寄せて、車がたくさん停まっていました。
『あれっ、なんだろう。キャンプ場かな。』
上ってくるとき、キャンプ場の近くに数台停まっていたのです。
その横を通り抜けるようにして少し進んだら、
ダメだ、ダメだ、と合図する人がいました。
見たら、前方で大きな車が路肩にはみ出して停まっていました。
事故があったのでした。

路肩にはみ出していたのはキャンピングカーで、
その横にバンタイプの車が道を塞ぐようにして、
谷の方を向いて停まっていました。
タイアが一つパンクしていました。
キャンピングカーの方は、運転席側のガラスがこなごなになって、
道路に飛び散っていました。
前の車輪が一つ、完全に壊れていました。
ゆるやかなカーブで、どちらかがセンターラインをはみ出したのでしょう。
下りの車は十数台連なっていて、事故現場に人が集まっていました。
携帯で電話している人が2、3人。
キャンピングカーの運転手は小柄なお爺さんで、バンの方は中年のオジさん、
言い合っています。
車はどちらも自力で走行できない状態。

いつまで時間がかかるか分からないので、近くにいた優しそうな人に、
「英語が話せますか?私たちで(バンを)動かせるんじゃないですか?」
って言ってみたら、
「ポリスが来るまで動かすことはできない。」とのこと。
見たら、バンの後部座席で少年が一人、横になっていました。
『あぁ、これはダメだ。』
フランスでは、怪我人がいなかったら、ポリスは来ないで、
自分たちで保険の用紙に必要事項を記入して、
それぞれ契約している保険会社に提出するだけなのですが。