これまで一度も本気になったことがなかった
本気になることがダサいと思っていたから・・・

本気になるってなんだろう?

自分に問いを投げかけてみる

哲学的な問いを
自分に投げかける自分がカッコいいと思っていたりもする

もちろん答えなんてでやしないし
はっきりとした答えなんて期待していない

モヤモヤした思いと
これからはじまる新しい出逢いに期待をしながら
僕は荷造りをはじめた


もともと病弱で
まともに旅行すら行ったことがない僕には
何から手をつけていいのやら・・・

ちょっとそこまで旅行に行くような感じじゃない

もうすく僕は家を出る

春から慣れ親しんだ地元を離れ
大学に入学する

かっこよく言ってみたけど
やっと受かった志望校だった

現役の時には全く手が届かずにいた
憧れの大学に

何もかも初めて経験

大学生
一人暮らし
家事

浪人時代にはまぶしすぎて
考えないようにしていた

一言でいうと「完全な自由」

もちろん
地元の仲のいい友達と遊ぶことも楽しい

そりゃ長い付き合いだし
なんの気遣いもいらない
楽な関係だと思う

でも自分で思い描いた将来に少しでも
本当に少しでも近づくことができるかなと思って
背伸びしてみたのかもしれない

かっこよく言うと
ぬるま湯から抜け出すような感じ

もちろんものすごくドキドキしている

よく周りから
お前はどこに行っても大丈夫
なんて言われている

なぜそんなこと断言できるのか
僕には不思議でしょうがなかった

だって誰も僕じゃない

僕の本心を知っているのは
僕しかいないんだから

人のまえじゃ
いくら家族でもいいかっこする

そんなことを考えながら荷造りは・・・
進むわけない

どうしよう

こうなったら
なんでも詰め込んでしまえ

僕は手当たり次第に乱雑に
段ボールに荷物を詰め始めた

まるで僕の思いを
まとめるかのように

これまでの18年を詰め込んだ