また読みたくなった

「汝、星のごとく」


今の私にとって、心に突き刺さる言葉がいくつも登場するからだと思います。

前回の互助会感覚の夫婦っていうのもまさに私と夫がこうだと感じる関係。


そして、この一文も私の気持ちを代弁してくれているようで好きなんです。


「僕は過去を間違えましたが『つい間違えた』わけではありません。間違えようと思って間違えたんです。後悔はしていませんが、そんな間違いは一度で充分だと思っています。」

教え子と子供まで作った先生の言葉として登場します。


私も、もう優さんとのような間違いは他には無いと思っています。

どれだけ考えても、「つい間違えた」と言うようなものではなく、あの時私は自分のすべてを捨てて彼の期待に応えたいと思ったし、自分の立場もこの地もすべて捨てても構わないと思ったから、彼の故郷にもついて行ったのです。


それだけの熱量は私にはもう無いし、後悔などないけど間違いと言われれば間違いだとも思います。

二人の関係が植物熱に変わり、抱き合う時間さえ持たない時があっても、不思議なことに二人の繋がりがお互いに唯一無二の関係になったのは、やはり二人の間には深い縁があったのでしょう。


本当の彼の気持ちは知りません。

知る必要もないと思っています。

彼が私をどう思っていようと今の関係が幸せなんです。


「幸せになれなくてもいいのだ。

ああ、ちがう。これがわたしの選んだ幸せなのだ。

わたしは愛する男のために人生を誤りたい。」

主人公の言葉は私の気持ち。


「俺は長くは生きていないよ」と言った優さんは、いつかぷっつり連絡が来なくなるその日まで、間違いだと思っても間違いを続け、人生を誤り続けるのかもしれません。


私は他人のために生きているわけじゃない。

他人に何かしたい時は、自分の気持ちがそう動くからしているだけで、他人に言われたからとか頼まれたわけじゃない。

だから、私は他人に決めてもらわなくてもいいし、誤り続ける人生の清算は必ず自分でしたいと思っています。


どうやら、小説の男性の主人公と優さんが重なって見えて淋しいのかもしれません。



優さんが分けてくれた、ベラドンナの花