パパが最期に着ていた服を洗濯して、その週、もう1つ、やろうと思っていたことがあった。


パパが倒れた場所に行く。


パパと何回も何十回もデートした◯◯駅。

それでも、刑事さんが言ってた場所が私にはわからなかった。

その駅を通勤に使っていた次男と嫁ちゃんは、わかると言っていたけれど。

階段の下、それが右側なのか、左側なのか、パパが座っていて、立ち上がって、倒れた場所を、ピンポイントで知りたかった。


もしかしたらパパは今もママが迎えに行くのを待っているかもしれないと思えた。


また辛いミッション。

私はどうしても決行しなきゃと思っていたけど、次男と嫁ちゃんは連れて行かない方がいい気がした。

毎日、通勤途中に通る場所で、毎日、ここでパパが・・・と思い出させるのは過酷だ。

来なくていいよと言ったのに、二人とも行くと。

ちゃんと知っておきたいと。

家族の絆が嬉しかった。


◯◯警察署に寄り、詳しい場所を教えてもらった。

改札口のすぐそばなのに、寂しい感じの静かな場所だった。

パパが座っていた所に座ってみる。

ここに何分ぐらい座っていたの?

トイレからママに電話くれて、15分後だったとしたら40分?

苦しかった?

痛かった?

怖かった?

パパがかわいそうで、かわいそうで、かわいそうで


そばにいなくてごめん。


家から持って来た、あの日、パパが履いてた革靴。袋から出して、その靴に履き替えた。

「さー、パパ、やり直しね!ちゃんとお家に帰ろう!今日はタカラがクルマで連れて帰ってくれるよ!良かったね」