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◆【旅のものがたり】
株式会社いい旅ホームページ http://www.etours.jp
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2011年11月4日号
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「旅のものがたり」は、素直な好奇心で、先入観なく世界や日本のことを
楽しもうと始めた企画です。雑学や話のネタとしてお楽しみください。
題材は基本的にいい旅のツアーから選んでいますが、時々日本の話や旅と
は関係ない話も登場します。
それでは早速、今回のものがたりをご紹介しましょう。
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【第109回】
「賢き王の宝」
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(これはとても悲しく、残酷な物語ですが、たいへん重要な遺跡にまつわる
話です。)
今から1500年ほども前の話です。
インド洋に浮かぶ島に、ある王様がいました。その王様は、北からの侵略者
を追い返し、干ばつに苦しむ民のために、数多くの貯水池と水路をつくった、
とても立派な君主でした。
王様は3人の子宝に恵まれ、豊かになった国で子供たちはすくすくと成長し
ました。
ですが子供たちが大きくなると、問題が出てきました。
2人の王子は母親が違い、兄王子の母は平民の出であったのに対して、弟王
子の母は王族の血筋でした。
そのため人々は、弟王子が王位を継ぐものと思っていました。
でも兄王子には、兄としてのプライドがあり、そんなことは絶対に許せない
と考えていたのです。
これが悲劇の起こった背景ですが、引き金になったのは別の事件です。
もう1人は王女で、こちらは軍の司令官に嫁ぎました。
この司令官は王様の甥にあたり、2人の王子のいとこにあたる人でしたが、
どうしたことか王女を大事にせず、ひどく虐待したのだそうです。
怒った王様は、なぜかその司令官を罰することはせず、その母親を捕らえて
火あぶりにしてしまったといいます。あろうことか、自分のきょうだいを殺
してしまったのです。
このあたりの事情は、昔のことなのでよくわかりませんが、とにかくその司
令官は母親を殺されたので、王に強い恨みを抱くようになりました。
そして司令官はある策略を練り、ウソの噂を流しました。
それは、「王様が宝物を弟王子に譲るため、どこかに隠した。」というもの
でした。
彼が兄王子と弟王子のことをどう思っていたのかは分かりませんが、兄王子
の不安を利用して王に復讐しようとしたのです。
悲しいことに兄王子はその策に乗ってしまい、王を幽閉してその座を奪い、
弟までも殺そうとしましたが、弟は辛くも国外に逃れました。
王に代わって王国を牛耳った兄王子は、王から宝のありかを聞きだそうとし
ました。
ところが王はそんなものは隠していません。
宝物はどこだと問われた王は、外を指差して答えました。
「あれが私の宝物だ。」
指の先には、人々のために王様が作り上げた大きな貯水池がありました。
これを聞いて怒り狂った兄王子は、王を殺してしまいます。
王様は、かつて子宝として授かったはずの息子に殺されてしまったのです。
その後兄王子は正式に国王となりましたが、いくら工夫をしても父殺しとい
う汚名は拭えず、人々の心をつかむことはできませんでした。
一方で弟の復讐をひどく恐れた若き王は、首都を他の場所に移し、人を寄せ
付けない、200mもの高さを持つ断崖絶壁の頂上に、王宮を築いたのです。
もとは僧が修行を行うとても寂しい場所で、工事には1万人の人手を駆り出
し、7年の月日を費やしたといいます。
今でこそ鉄製の階段が作られ、観光客も何とか登ることができますが、その
ようなものもなかった時代に、宮殿の建造に使用した大きな石をどうやって
運び上げたのでしょう。
どのように外界と行き来していたのでしょう。
実は、今もよく分かっていません。
狂気の王カーシャパは、シギリヤ・ロックに築いたこの王宮で、11年間を
過ごすことになります。
望んだ地位は得たものの、父を殺したことへの悔恨、なびかぬ民意への焦り、
弟の報復に対する恐れに苛まれ、強い風の吹き抜ける地上200mの王宮で
何を思っていたのでしょうか。
スリランカにある、現在のシギリヤ・ロックには、血なまぐさい物語とは反
して、魅力的な遺産が数多く残されています。
次回は若き王の運命と、シギリヤ・ロックについてもご紹介しましょう。
▼ハカセの... もうちょっと知りたい!
※弟王子の名はモッガラーナといい、インドに亡命しました。
兄王子の母はバラヴァ族の出身で、シンハラ族より身分が低いとされました。
弟王子の母はシンハラ族の出身で、王族の血筋を引いていました。
※軍の司令官の名は、ミガーラといったそうです。
王の最期は、カーシャパの指示かどうかは不明ですが、ミガーラが、王を生
きたまま壁に塗りこんでしまったといいます。
▼オマケの話
※この後カーシャパは、首都をアヌラーダプラからシギリアに移しました。
シギリヤ・ロックは火山のマグマが固まったもので、地面からの高さ約200
m、海抜は377mとのことです。
▼これであなたも物知り博士?
「シギリヤ・ロックには、スリランカを象徴する動物の像があったそうです。それは?」
A.ゾウ
B.トラ
C.ライオン
答え:C.ライオン
途中に「ライオンの入り口」と呼ばれる場所があり、現在も巨大なライオン
の前あしが残っています。
シンハラ族は「獅子の子」という意味をもつ人々ですので、それを象徴する
巨大な獅子が築かれたようです。
この他、岩の形が鎌首をもたげた蛇に似ていると評判の、「コブラ石」とい
うものもあるようです。
▼編集後記
私は会社の責任者をやっていますが、手がまわらない部署があれば手伝うし、
電話が鳴っていれば出ます。
私がやった方がよいかどうは会社全体を見て決めますし、よくないと思えば
頼まれても断りますが、お客様を大切にしなければ、責任者も何もあったも
のではないからです。
でも責任者なので、日々の仕事の他にも、先を考えて手を打っておかなけれ
ばいけないことがあります。
業績に関わらず、常にこの仕事はあります。
また、そうしたものは、いくら考えてもやってみるまでどれがうまくいくか
わかりません。
複数のプランを進めてみて、モノになりそうなものに会社の力を集中します。
その仕込みが進んでいる時は気分がよいですが、思うように進まないと危機
感が募ります。
ちょっと機嫌も悪くなったりします。
このところ祝日が多すぎてちっとも仕込みが進まないので、今日(11月3日)
は会社は休みですが、出てきて仕事をしています。
家族のためにも、タイムマネジメントはしっかりしたいと思いますが、新しい
ものを作る時は時間より集中の度合いを優先するしかありません。
また、毎日夜中まで働いた上に深夜の会議もあり、休みが月に3回くらいしか
なかった頃を思えば、今は休みすぎなくらいです。
ちなみにこの原稿は今日書いたものではなく、出てきたのは他の理由です。
さあ、せっかく出てきたのだから集中しようと思います。
▼ものがたりに学ぶ、今週の教訓
「努力や過程は、身近な者にも伝わらないことがある。結果を以って語らしめよ。」
●最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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★次回 旅のものがたり
「岩山の王と美女たち」(仮)
それでは、次回の「旅のものがたり」をお楽しみに!
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「旅のものがたり」
発行者:株式会社いい旅
執筆:黒崎 康弘
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