言語とは最終的には「音声を媒介したテレパシー」です。
「あらかじめ蓄積していた知識を思い出してわかる」ようなものではありません。
もしそうなら、蓄積知識ゼロの幼児は永遠に言葉がわからない計算になります。
音声を媒介しているとはいえ、テレパシーであるがゆえに理解とは無関係に吸収できるのです。
それを可能にするのは「同じ波長を出すことにより『共鳴』を発生するからです。
だから、長年連れ添った夫婦はどんどん音声が要らなくなり、何もしゃべらなくても意思の疎通ができるのです。
でもこれは超能力のような類のものではなく、日常の延長にあります。
最初はそろばんをはじいていても、だんだんそろばんが要らなくなるのと一緒。
『共鳴』を発現させるのに最良の方法が「同じ音を出すこと」です。
同じ音を共有する方言話者同士のほうが話が通じるのは、この理由によります。
そして、この感覚が目覚めれば目覚めるほど、翻訳も文法知識もフレーズも要らなくなります。
それらは全部、母語を媒介するからです。
そして、共鳴感覚が目覚めた後は日本語は邪魔にしか感じなくなります。
中国語は、中国語としか結びつきません。
なのに、日本語を混ぜるということは、結びついてはいけない要素をそばに置くということ。
例えるなら、あなたはチョコレートだけを食べたいのに箱の中にクッキーが混ざっているようなもの。
するとだんだん、クッキーは別の箱にしまうようになるのです。
そしてクッキーとチョコレートを食べた時の味も触感も違うように、しゃべる言語によってもキャラが変わるのです。
チョコレートを食べた時とクッキーを食べた時のあなたは、反応が違いますよね?
言語って、そんなものなのです。
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