赤ちゃんが文字から学ばない理由のパート2です。
一つ目は、音がよくなるから。
二つ目は、「頭の中が画面になるから」です。
当然ですが、文字を知らなければある発音を聞いた時、赤ちゃんの頭の中では「画像」に転換されます。「ママ」と聞いたら、文字ではなく母親の顔を思い浮かべるはずです。
ここに、母語が文字から学ばない最大の理由があります。
画面に転換するほうが、文字に転換するよりも速く正確だからです。
文字転換は、
①聞いた文字を順番に文字に転換する→②ひとつずつの単語を文法で日本語に並べ替える という、大変な手間がかかります。
しかも、順番に聞いて文字化するので途中でわからない単語があるとそこで止まり、全部聞けません。英語のヒアリングテストでは、よくあることです。
画面転換は、
「聞いた瞬間にわかる」これがあるだけです。
母語は、何秒でわかりますか?
「0秒です!」
外語は、0秒でわかりますか?
「無理です!」
これ、どうしてですか?
「慣れてない」からですか?
ちがいますよ!
「ファイル形式が違うから」です。
母語は画面処理、外語は文字処理なので、別のファイル形式なんです。
母語:「音声」+「画像」のファイル
外語:「文字」+「翻訳」のファイル
最初に文字を学ぶことで、母語と同じく無時間で作動する「音声+画像ファイル」ではなく、遅くて鈍い「文字+翻訳ファイル」を作ってしまっているのです。
例を挙げます。
上が画面、下が文字です。
上のように画面転換してしまえばすぐわかるだけでなく、日本語への翻訳は不要となります。日本語と語順が違っていても、画面にすれば相対関係がわかるからです。
つまり「画面は中国語がそのままわかり」「文字は日本語にしないとわからない」
のです。聞いた瞬間に中国語がわかるのに、わざわざ日本語に直す必要はありません。
また、画面転換は知らない単語があっても大丈夫です。
この絵の中で、二番目の「喝」がわからくても、全体の把握ができます。
最後の「頻果汁」がわからなくても、好きな飲み物の話をしているとわかります。
ゆえに赤ちゃんは、知らない単語でもどんどん吸収できるのです。
脳の使い方をこうすれば、大人でも同じこと。
画面は二次元~四次元、文字は一次元どまり。
つまり、「次元が違う」のです。
外語とは、外語の発音を外語の順番に並べたものを言います。
それを訓練するのに、母語の発音も母語の順番も、邪魔にしかなりません。
だから「日本語の〇〇は中国語で何ですか?」は絶対にやってはいけない練習です。
「先に日本語で考える癖」をつけてしまったら、中国語が直接口からなんて、でるわけがないのです。
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