今回は社会人になっていつもの三人で休日に飲み会をしたとき。
酔った佐々木が「自分の苦労も知らないで…」と愚痴をこぼしていた時の出来事を物語風にして書いたものになります。
霊感のある人って意外にいろいろ神経使ってるなと思った出来事でした。
ついでに山田彼女初遭遇で強烈な印象を残されました
それではとある飲み屋の一角の光景をご覧ください。
〇 登場人物
津田 (一般人、結婚2年目)
佐々木(霊感あり、結婚5年目)
山田 (直感王、念願の彼女を手に入れた)
山田彼女 (童顔の可愛い子、年下だが山田より立場が上)
---------------------------------------
≪第2夜 視える人の苦労≫
佐々「だいたいお前らは昔から変に首突っ込むせいで俺がどれだけ苦労したか…特に山田! お前に言ってるんだぞ!」
山「まさかの俺!?」
いつもの三人で居酒屋で飲んでいるとある休日、珍しくお酒を大量に飲んでいた佐々木が酔っ払いながら私たち二人にそんなことを言い出した。
津「佐々木酔っ払ってるじゃん…珍しい」
佐々「いつもいつも…すいませんビールもう一杯」
山「社会人特有のストレスってやつだな。放っておけって。それよりさ、俺に念願の彼女が出来た!」
津「うん聞いた。もう5回は聞いたから。よかったねおめでとう。山田も随分酔っ払ってるな」
山田が酔っ払うのは珍しくもないので放っておくとして佐々木が酔っ払うのは珍しい。
いつも嗜む程度に飲んで山田の介抱を私とするというのがパターンなのだが今回はスタートから勢いよく飲んでいたので珍しいと思った。
山「いや聞けって。ちっこくて可愛いのなんの。しかも一生懸命でさ、ちょっと抜けてるところもあるけどそこを俺がフォローする感じでいい訳なんよ」
津「それも聞いたから。けど昔からそういうタイプがいいって言ってたもんね。良かったじゃん、理想の相手が見つかって」
佐々「…山田がそう望むから…」
そんなことをポツリと佐々木が口にする。
普段佐々木が言わないことということもあって山田の惚気話よりそっちに興味がいく。
津「なに佐々木? どういうこと?」
佐々「…そいつがそう望んだからそうなったってだけ」
山「おっ、つまり俺が願えば全部叶うってやつか? やっぱり俺超すげー! …けどさ、宝くじが中々当たらないのはなぜだ?」
謎発言をしつつ、山田が気を良くしてグラスの酒を一気に飲んで追加で酒を注文する。
本人は当たらないと言っているが山田はちょくちょく宝くじとかを当てている。
高額当選以外は当たりじゃないとでも思っているようだ。
そのうち本当に当てて「やべー俺金持ちだわ」とか言ってきそうである。
さて、私は山田よりも佐々木が霊的な話を自主的にするのが珍しかったのでさらに質問する。
津「それって守護霊とかそういう見えない何かが導いてる的な?」
佐々「…違う。山田がそうしたいと思うからそうなるってだけ」
佐々木も酔っ払っているようで要領を得ない返答がくる。
佐々木の言いたいことは山田の守護霊的ポジションのそれが山田を導いているという話と解釈したのだが本人的には違うようだ。
この件はそれ以上何か答えを聞く機会は無かったが心霊的な話を普段ほぼしない佐々木が本当に珍しかった私は色々聞いてみることにしていた。
津「ちなみにさ。霊ってどんな感じで視えるの?」
佐々「…その辺の人と大差ない…普通の人…」
津「そう視えるの?」
佐々「視ようとすれば…嫌なら視界から外せる…」
佐々木は霊視は切り替えができるという話をしてくれた。
凄いなとか思っていたがここで補足説明をされる。
佐々「でもどうしても視える存在もいる…」
津「霊視しなくても?」
佐々「むしろアピールしてくるみたいな…こっちを視ろって…本当にうざったい…」
山「おっ。うちのハニーからや。えっと、あと一時間ぐらいかなと…」
山田は最愛の彼女から連絡が来たようで嬉々としてメッセージを打っている。
そんな様子を横目に佐々木がまた口を開く。
佐々「その典型が目の前にいるんだけどな…」
津「え? あ、あぁ、そういえばいるんだよね」
佐々「よく分からないよ本当に…ただ山田が俺たちを友達だと思っているおかげなのか特に危害を加えようとかそんな感じじゃない。ただ見守ってる感じ…」
かなり眠そうではあるがそんなことを言う佐々木。
視える人というのも大変だなと思う。
津「色々苦労してるんだな。ほら、とりあえずもう一杯」
佐々「…会社でも心霊スポットに行ったバカな後輩がいてそいつが霊を持ってきてさ…」
津「マジで? 悪霊か何か?」
佐々「…ストーカーレベル…。ただ職場をうろつくから本当にうざくて…後輩も目に見えて体調崩し始めてたから仕方なく…」
そこから佐々木の最近の心霊話を聞かされる。
何でも休日に会社の後輩たちは地元の有名なスポットに行ったそうだ。
そしてその後輩が女の人をそのスポットから連れて来たとのこと。
霊の影響かその後輩が風邪を引きやすくなったり所持品が無くなったりと実害が出ていて放っておくとこっちにまで影響が出ると考えた佐々木が後輩の家まで行って簡易的な対策と親戚の神社を紹介してやったそうだ。
佐々「…午前中はそれに付き添ったから疲れた…」
津「そ、そうか。本当に大変だったね。ほらもう一杯」
佐々「だいたい俺は祓えないんだぞ…なんで面倒ごとに巻き込まれるんだよ…」
佐々木はクール系ではあるが面倒見がいいのはよく知っている。
結局後輩を気の毒に思って動いたのだろう。
集合した時点でちょっと疲れていたがそういう事情だったのかと納得する。
津「けど無事に終わってよかったな。ほら、もう一杯」
佐々「ぐび…ぐび…日本酒うまい…」
山「おいおい津田。あんま飲ませんなって。もうダウン寸前じゃん」
佐々「うるせー! 飲まなきゃやってられないんだよ!」
山「まさかの逆切れ!?」
そんな感じで会話と酒を楽しみながら時間が経過していく。
飲み会も終盤、すでに寝落ち寸前の佐々木がポツリと呟く。
佐々「…今なら飲める…こいつの側なら…簡易結か…い…」
そう言って佐々木はテーブルに突っ伏してしまった。
最後にポツリと言った簡易結界…山田の守護霊のことだろう。
津「あっ、寝た」
山「おいおい。こいつ奥さん呼ばなあかんやん。ったくしょうがねーな」
津「普段は山田の役割なのにね。そういえば珍しい、なんで山田今日は酒控えてたの?」
普段なら浴びるほど飲んで勝手に寝落ちし私と佐々木に看護されるであろう山田が割と普通の状態にしている。
山「いやさ。彼女がお酒飲みすぎはダメだよって言ったから。俺は約束を守る男だからな。このあとは彼女の家で飲み直しだ。ぎゃはははは」
津「いやダメって言っている張本人の家に行ったら飲める訳ないじゃん」
山「大丈夫だ、問題ない」
その後、佐々木の奥さんに連絡して迎えに来てもらい佐々木を回収してもらった。
普段は大して飲まないのにお二人の前だとつい飲んでしまうんですとか言いながら謝罪をしてその場を去って行った。
佐々木が私たちの前で酔っ払うまで飲むのはたぶん山田がいて霊的な影響を受けないからであろうと最後に呟いた一言を聞いてそう思った。
私と山田は山田彼女が迎えに来てくれるということで彼女の車を待っている。
程なく、彼女が姿を現す。
ちなみにこのとき私は山田の彼女に初めて遭遇という場面だ。
山「お迎えあざっす。津田送ってったあとコンビニ寄って」
津「わざわざすみません。山田の友達の津田と言います」
山「初めまして津田さん。お話は聞いてました」
山田が言う通り背が低い子でかわいい部類に入ると思った。
制服着せたら学生でも通じるレベルである。
山「それじゃよろしく。コンビニも寄ってね」
山彼「そうだね。お水買わないとだよね」
山「えっ? いやおさけ…」
山彼「お水だよね〇〇ちゃん(山田の下の名前の敬称)? 脱水症状になっちゃうから必要だよね?」
山「…はい、おっしゃる通りです…」
笑顔でそう言われた山田は顔を引き攣らせながら彼女さんの言う通りにしていた。
このとき、私はすでに山田カップルに上下関係が出来ていることを知った。
ただ山田の場合はこういう彼女の方がピッタリだとも思う。
自由奔放な男を縛る鎖、この二人のやり取りを見てそう連想する私だったのです。
---------------------------------------
いかがだったでしょうか?
佐々木の話よりも結局山田ネタが多くなってしまいましたね。
佐々木が普段どんな感じで霊を見ているのかとか気になることを多少聞けた飲み会だったのですが…
最後に登場した山田彼女(現奥さん)のインパクトがどうしても強くてつい書いてしまいました。