あなたはあなたなだけ(2)笑っている父のオーラが好きでした | 古代パワーあふれるケアンズで考えた徒然

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世界最古の熱帯雨林とサンゴ礁に囲まれた古代パワーあふれるケアンズで考えたことをあれこれとつぶやきます。

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父は釣りが大好きでした。

 

僕は、渡良瀬遊水地という、

4県にまたがる巨大な遊水地の近くで生まれ育ちました。

 

 

 

 

 

今では整備され、都内からもウインドサーフィンをしに来るレジャースポットになっているみたいです。

でも、当時は「おばけ沼」と呼ばれ、おどろおどろしい感じでした。

 

 

ここに、父はへら釣をしによく来ていました。

まだ4、5歳くらいの時、へら釣りに連れてきてもらいました。

僕が言ったんでしょうね。お父さんと一緒に行きたいって。

 

 

「いいか。へらはうるさいと逃げるから、静かにできるか?」

と父。

 

「うん!」

と返事はしましたが、まあ、5歳児の言うことです。

 

夜明けのおばけ沼で、

船の上、体もろくに動かせない状況。

 

僕は30分後に「帰る」と泣き出したそうです。

 

 

 

こんな話もありました。

 

 

 

父が釣りをしていると、ものすごい当たり。

 

興奮して、釣り上げると雷魚という大型の魚。

 

この魚、食べられないし、簡単に釣れるというので、

釣り人には嫌われているそうなんです。

 

父は悔しさからか、

雷魚の歯に釣りで使う浮き輪に糸をつけて逃がします。

 

最初は勢いよく、ぶくぶくぶくと潜っていきますが、

しばらくすると浮き輪だけがぽんと水面にでてくるわけです。

 

それを見て、

 

 

「あいつはこれからずっと自分の位置を知らされていくんだなぁ」

 

と自分でやったくせに、このコメント。

 

 

さて、翌日、

 

 

 

 

 

釣りにいくと憐れ雷魚君は絶命していました。

 

 

浮き輪の糸に竿が5、6本からまって、川の中心にぷかぷか浮いていたのです。

 

竿を固定して釣り人もいるんですね。それを雷魚がひっかけた。

 

父はそれを全て回収して、釣り場に戻りました。

 

すると釣り仲間が

「いや~参っちゃったよ。釣り竿なくしちゃってさぁ~」と。

 

 

そこで父、

 

 

「釣り竿、余ってるの何本かあるから好きなの持っていきな」と。

 

「それでしばらくかわいがってもらったんだよ」と言った父に

 

「なんで、川で拾ったやつって言わなかったの!」と聞くと

 

 

 

「お前、拾ったやつなんて、誰も欲しがらないだろ」

 

と父。

 

 

 

 

 

天性のいたずらっ子でした。でも、どこか憎めない。

 

 

 

 

 

 

こんな話もありました。

 

 

釣り堀を日本庭園に変えるべく、

Tシャツ一枚で泥まみれになって造園しているところへ

若いセールスマンがやってきて父に言います。

 

「すいません。社長どちらですか?」

 

「う~~ん。あっちにいたかな」

 

と社長である父が言うわけです。

 

僕が「え。なんで、嘘つくの?」と聞くと

 

「嘘じゃないだろ。あの人の社長を俺は知らない」

 

と父。

 

 

 

こんな話、まだまだたくさんあります。

 

 

 

 

 

 

そんな父が大好きでしたが、母とケンカする時の父は嫌でした。

 

嫌・・・・というのはちょっと違う。怖い・・・かな。

 

笑っている父のオーラが好きだったと思うんです。

 

冗談を言ったり、好きなことをしている時の父は、

オレンジ系や黄色系のほわんとしたオーラをまとっていました。

 

それが、ケンカになると重い色になり、音色も重低音。

 

あの変化がたまらなく嫌だったし、怖かったんです。

 

だから、お経をあげる時、

父の笑顔を思い浮かべるのかもしれません。

 

そうすると、楽しい思い出が浮かんできて、

父が暖色系の光の中で更に笑顔になるのです。

 

 

 

つづく