高木 豊の歩む道 In Ethiopia -3ページ目

高木 豊の歩む道 In Ethiopia

アフリカの事、エチオピアの事、自分自身の事を書いていきます。

力を与えられるように心込めて書きますので、読んでもらえると幸せです。

 ついに、35日間だ。数えて見たら、エチオピアに来て750日も経っている。そして、その締めくくり。。。
 2年という時間のおかげで、ここエチオピアでは、どんな状況でも対応できるようになった。
 例えば、今日の部活のゲーム中、生徒がファウルがきっかけで殴り合いのケンカになった。その時、俺は、腕を組んで笑って見ているだけである。次に起こる展開が予想できるからである。 笑っている俺を、横目にチームメイトは必死に彼らを止める。そして、そこから10分間のダッシュをチーム全員で行った。俺は、『2人の問題はチームの問題、みんなで責任とれ!』と10分間怒鳴りちらし、生徒を追い込む。そんな表情とは裏腹に心の中では、彼らが可愛くてしかたない。

 授業では最後の種目ハンドボールを教えている。最初に集合し、ハンドボールのパスを教えたが、最初に口をすっぱくして、『ボールを蹴ったらマイナスね!』と言う。これが、ないと、たちまちサッカーが始まってしまうからである。 現在の授業ではアムハラ語しか使わなくなった。やはり、体育で集団を動かす時の反応の早さ、理解し行動に移る速さは英語とアムハラ語では比にならないほど、アムハラ語が勝っている。

 その他でも、タクシーに割り込むためのポジションや、車と車の間を抜けて歩く感覚、失礼な奴には容赦なくブチ切れるスピード、どれも生活の中で自然に身についたものである。
1日に1回はコーヒー飲みながら、一人で何も考えずに、「ボケ~」とする時間が大好だし、友人と、時間を気にせず「おしゃべり」する時間が大切になった。そして、不便なことにストレスを感じなくなった。停電になったら寝るし、水止まったら風呂入らないし、バス無かったら歩けばいい。

 現在、オレの生活は朝から晩までアムハラ語、彼らと同じ飯を食べ、同じ水を飲み、同じ仕事をする。基本的に早寝早起き。たまに夜8時とかに寝ることがある。土日の過ごし方まで、同じになってしまい。日曜日は外に出ずにゆっくりするのが、当たり前になった。 そういう生活を頑張って真似ているのでは無く、自然とそうなっている自分がいる。 本当、『いいよ~エチオピア。』 オレ、この国が自分に合ってしまった。『好きだな~エチオピア。』
 日本に帰るのもいいけど、エチオピアに一生でもいいや。

最後の1ヶ月は、いろいろと忙しくなりそうだ。先週、バスケ部の生徒に学校から支給された交通費を渡したら、『ユタカにプレゼントを買うから、もらった分の半分づつ集めます』って生徒が、オレが目の前に居るのに集めだして、集め終わった後『ユタカには秘密だぞ!』って。。。。。。。知らないふりするのが大変だっつーの!でも、まぁ、そういう不器用なところも、今となっては可愛く見える。 帰国の1週間前に、バスケ部の生徒を家に呼んで、みんなで羊か鶏をさばいて食べる予定である。

2年2ケ月振りの「日本!」オレには、どんなふうに写るんだろう?楽しみである。
バスケ2試合目!
先日、ココベツバというガバメントの学校との試合があった。この試合に勝てば、我々はスプライトカップに出場できるという大事な試合。
相手チームのココベツバは荒削りだけども選手層は厚く、背が高い選手が多く、3試合目だけにコートやリングへの感覚は慣れていた。 その日は2試合あり1試合目は、前回倒したHill-sideと自分と丸さんで開催した大会で優勝したLucyの私立同士の試合で、白熱したゲームの末Lucyが1点差で勝利。
この時点で、我々がココベツバに勝てば、スプライトカップに出場できるという状況が作られた。
でも、この状況を予想していたので、試合を見学中の生徒を離れた場所へ連れて行きストレッチングさせ、『自分たちのゲームに集中しよう!』と話をした。 学校終了後、1番乗りでコートに来て、たくさんのシュートを打たせ、試合前のアップも時間をかけてしっかりした。

でも、やっぱり高校生。。。試合が始まると、頭に「勝ち」がチラついて、シュートまでの動きは良いものの、シュートが入らない。
1クウォーター(6-8)、2クウォーター(19-18)とシーソーゲームが続き、3クウォーター(20-22)ではメインの選手を総入れ替えし、2点負けで帰ってきた。
でも、最後の4クウォーターでは、1番バスケ好きで1度も練習を休んだことのない、G12の選手Floulが、敵チームのファウルが口に当たり、口と鼻から血を流しながらの状況で、4連続ポイントを決め、結果34-26で勝つことができた。
前回とは違い泥臭い試合ではあったが、正念場で力を発揮したのは、彼が練習で積み上げてきた「努力」だと感じさせてくれる試合だった。日本でもエチオピアでも、高校生の心は動きやすいと、すごく感じた。そして、才能や環境もあるけれど、努力が力になるということを実証してくれた彼には、すごく自分自身も得るものがある試合だった。

インジェラ!
2日連続で晩飯にチャーハンを作ったら、今日の夜はインジェラが食べたくてたまらなくなった。10食中7食はインジェラという生活を2年間も送ってきたせいか?ヤバイ。。。俺の体がインジェラに依存している気がする。
久しぶりに一人で、カフェに行き「ボザナ・シロ」という肉と大豆が原料のシロと呼ばれるワット(シチュー)を食べた。これが、たまらなくおいしい。皿の中まで少しも残さずに食べたら、周りのエチオピア人に変な顔で見られていた。彼らは、たぶん変わったチャイナだなと思っていた。(中国人はインジェラ食べないからね)
そして、お腹いっぱいになり、周りを見ると、みんな話で盛り上がっていた。まるで日本の居酒屋みたいな雰囲気。それを、ふと客観的に見ると、酒ではなくコーヒーで、仲良さげに話している彼らがすごく幸せに見えた。

その後、お金をウエイターに払うときに、ウエイターが俺の足を踏んでしまった。日本では、この状況だと次はどんな展開だろう?今日のウエイターは、『ご、ごめんなさいぃぃ、ぃやははははは』と謝りながら大爆笑していた。
もう、こんなの全くムカつかなくなってしまっている。オレ、大丈夫か?日本適用できるのか。。。
でも、やっぱりインジェラは一人じゃなくて、みんなで食べないと何か落ち着かなかった。

地震!
最後に、1日10回以上、『ユタカ、日本は大丈夫か?家族は元気か?津波は大丈夫か?』と聞かれます。
特に家族は1度、学校に来たことがあるだけに、『ユタカ、おはよう。平和か?ところで家族は大丈夫なんだな?』と生徒からも先生からも言われます。みんな、日本の地震の事を悲しんでいます。そして、心配しています。

高木 豊の歩む道  In Ethiopia


先週の土曜日に、エチオピアの人気テレビ番組に隊員の亮太君と出演した。このテレビ番組は「アイドル」という
オーディション番組で、勝ち上がれば、本当にアイドルになれるという人気の番組である。

我々は、アムハラ語がしゃべれる日本人として、Japan festivalやマザーテレサハウスで行ってきたコントを行った。今のところ100戦100勝のネタのために、本番中も全く緊張せず、「大爆笑」いただきました。
審判にも『お前ら天才!100点あげる』と言われたが、俺たちは特別枠で今回限り。

テレビに出た後は、予想を超える反響であった。生徒や先生は、めちゃくちゃ喜んでくれて、電話の嵐!道路やタクシーの中でも『お前、テレビに出てていた奴だ!』とか、ひっきりなしに言われている。  
そして、約半日かかって収録したコントが来週の日曜日には20分くらい流れる予定である。この前の番組では30秒くらいにカットされていたので、今回はインタビューで『エチオピアを愛してます。毎日、インジェラ食べてます』って言っておいたので、たぶん、先生や生徒はすごいことになると思う。  

そんなテレビ番組を一緒に出演した亮太君と同期が先週の月曜日に帰国した。今現在、オレはエチオピアで一番古い隊員である。そして、そんな同期を送った次の日の奇跡は起きた。

火曜日、Yeka-subcityの試合があった。対戦相手は、私立のHill-side高校。去年は、部活を始めたばかりで大差で完敗。10月、丸さんと開いた大会で1点差で負け、1月に行った練習試合でも10点差以上付けられて負け。 1年前に「生徒と一緒にHill-sideに勝つことを目標に置いた」。

試合前に生徒に言いました。 『オレも昨日、日本へ帰るはずだった!でも、オレはここにいる!なんでか分かるか?お前らのために残ったんだ!』と延長したことを伝え『日本ではひとがたくさん死んでしまった。リビヤは戦争状態、お前らが試合ができるってことは、めちゃくちゃ幸せなこと!』だから、『試合ができることに感謝しろ』と言い聞かせました。

試合が始まると、
1クウォーター(6-0)
2クウォーター(19-10)
3クウォーター(19-12)
4クウォーター(36-22)にと、最初から最後まで素晴らしい内容。
同期の丸さんに言われた『スクリーンアウトとファーストブレイクのカット、そしてジャンプシュート』を徹底したのが、勝因だと思う。 バスケ経験ゼロのヘボコーチの自分の悩みは「勝利」を味わせることができないこと。先月に行った大会でも全敗だし、練習試合を含め6試合連続の負けで、いつも、あと少しで負けてしまってました。

人生で2回目の「嬉し泣き」をしてしまった。対する私立は、コンクリートコート、ナイキのユニフォームにバッシュ、2人が身長190cm、オレの生徒は、月1回はオレがメンテナンスするホコリが舞う砂コート、ドミから借りた汗臭いボロボロのビブスにMade in chinaの靴、身長は一番でかい奴が175cm。試合中の彼らは、めちゃくちゃカッコよかった!環境に負けず、素人バスケコーチの言うことを聞いて、練習してきた彼らがシュートを決めるたびに、自分の胸の奥が熱くなるのを感じた。試合後、不思議なことが起こった。オレが泣いていると、生徒が抱きついてきて、その後、試合を観ていた、たくさんの人に『あめでとう!すごい良い試合だった』と握手を求められた。

 エチオピアに来て、一番幸せな日だった。やっと、やっと生徒に小さいけれど「達成感」を味わらせることができた。それが、本当に嬉しいかった。