ブログネタ:秋、感じた? 参加中本文はここから
意味のないSSです。
興味のない人はここで脱出してください。

貴方に連れられて夜の公園を訪れた。
お昼の内に行こうって言ったのに、貴方が頑として「夜じゃなきゃ駄目だ」って言い切った理由はすぐにわかった。
ひっきりなしに聞こえる虫の音。
スピーカーなんか無いのに、公園の中はまるでオーケストラ会場のようだった。
声を出すのは無粋だと言わんばかりに、私達は黙って虫の奏でる音色に耳を傾けていた。
「…すごい。」
「だろ?」
自慢げに笑う貴方の顔を見て、つい笑いが漏れる。
「うん、すごいね。本当にすごい。異常気象だなんだって言いながらも、まだまだこの星の自然は生きてるんだって…実感した。」
「自然界に生きるもの達は、自分がどこでどうやって生きるべきなのか、ちゃんとわかっているんだろうな。人の手が入って生きる場所が段々少なくなっても、こうやって自分の居場所を見つけている。この世に生まれ出て、自分の生を全うするために生きて、そして次世代へと命を繋げていく。…俺達も見習わなくちゃ…だな。」
貴方の指が私の指にそっと触れる。
少し遠慮がちに迷うように…そしてキュッと私の手を強く握る。
私もそれに応えるように、長い指に自分の指を絡ませた。
恥ずかしさを紛らわすように、私達は黙って歩き出す。
「…」
「…」
静かな公園に響くのは、虫の声と私達の歩く足音だけ。
「…でも、ちょっとだけ残念だったな。」
「なっ何が?」
貴方の焦り気味な声が妙におかしく感じる。
「なんか俺不味い事…した…んだな…。」
「不味いって言うか~」
「はっきり言えよ。」
「言っていいんだ?」
「…いや…聞きたくないような…」
安心して
そんな気持ちを込めて、私は貴方の手を握り締めた。
「今晩のオーケストラは三流ね。指揮者がいないから皆好き勝手に音を奏でている。まるで…音の洪水。溢れてしまいそう…」
そうよ。
私の気持ちも溢れてしまいそうなの。
貴方への思いが溢れて言葉になってしまいそうなの。
だから聴かせてよ、貴方から。
私をどう思っているのか、今夜貴方の本当の気持ちを奏でてよ。
-あとがき-
仕事帰りに公園の横を通ると、虫の鳴き声がすごいんです。
家の近くでなら リィ…リィ… って聞こえる声が
リィリィリィリィリィリィリィリィリィリィリィリィリィ…
ひっきりなしです
。たくさんの虫達がいるって事実が嬉しいんですけどね。
そしてその音色を聴いていると、まるで音の洪水だ…ってそう思いました。
仕事帰りにお風呂屋さんに寄った時も洗い場の外に虫がいるらしく、静かな秋の音色が聴こえていました。
まだまだ残暑は続くけど、やっぱり秋は来ています。
そしてまだ日本には四季が残っている。
大切にしたいです。