お題『鯉のぼり争奪戦』による嫁妄想SSでした。
端午の節句は厄払いに使う『菖蒲』→『尚武』と結びつけ、武家の家庭では兜や武者人形を飾るようになりました
。
それに対抗(?)した経済力はあるけど社会的地位が低い商人の家庭から鯉のぼりは誕生したようです
。
最初は五色の吹流し(一番上のヒラヒラしたやつ)だけでしたが、それでは芸がないと思ったのか中国の故事『竜門』にちなみ鯉の形の吹流しを飾るようになりました。
『竜門』はことわざの『鯉の滝登り』の元になったお話です。
そして『ちまき
』とかしわ餅
』
江戸はかしわ餅が主流で、上方はちまきが主流とか。
ちなみにちまきは中国から来たもので。かしわ餅は日本オリジナルです。
江戸の人たちは自己流(オリジナル)が好きだったのかもしれませんね。
では最後に
姉さまはどんな思いで鯉のぼりを作ったのか?
祝言の日
なぜethlinにだけ(ただし妹とは気がついていない)、ふくさのついたお菓子を投げたのか?
鯉のぼりを受け取った直後の土方さんとethlinの会話です。

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「そう言えば…姉さんに聞いといたぞ。祝言の日に撒いてた菓子の事。お前に投げてよこした菓子にだけふくさがついてた理由だがな。」
「はい。やはり何か理由があったのですか?」
「あれはな…妹に渡すつもりで用意したもんだった。もしかしたらどこかで見ているかもしれないから…声をかけられなくてもせめてこの菓子を渡そうと思って用意したんだと。表でお前の姿を見た時、なぜだかわからねぇが妙に懐かしい気がして…とっさに投げた…と言っていた。」
「…。」
「『ご迷惑でしたか?』って聞かれたから、女でもねぇのに『すごく綺麗なものをもらった。』と喜んでいる…そう伝えといたからな。」
「…。」
「鯉のぼりの件もな…俺の小姓にやりたいって言ったら『是非私に作らせてください。』ってな…二つ返事だったぞ。ちゃんと礼を言わないといけねぇな。直接は無理だろうから、手紙でも書くか?俺が手習いしてやるから、お前の字だって気がつかないくらいの綺麗な字で手紙書け。」
「…はい。」
「よかったな。勝手に家から飛び出しても、お前の事はひとつも忘れてねぇ。それどころか、『今幸せでいる事だけを祈っている。』だとよ。」
私の身勝手で家を離れたのに、それでも私の事を思っていてくれる。
私とはわからなくても、私の影を追い求めていてくれる。
どんなに離れていても繋がっている。
ただそれが…嬉しかった。
「まぁ…姉さんが俺の小姓の正体に気がついたら、血相変えてお前も鯉のぼりも奪い返しにくるだろうがな。」
「えへへ、土方さん、きっと姉さまに棒でコテンパンにやられてしまいますね。」
「不逞浪士よりも、お前の姉さんを怒らせた方がおっかなそうだ。」
二人顔を見合わせてクスクスと笑い合った。
「ethlin茶の代わりを頼む。『濃目の茶を二つ』だぞ。わかったか?」
「はい!」
私は今日大切なものを手に入れた。
どんなに華美で高価なお雛様よりも価値のある鯉のぼり。
けして消す事の出来ない絆。
そして前へ進む勇気。
貴方の背中を追い続ける…そのための勇気を手に入れた。