もっと素敵でかっこいいタイトルはないものか…そう思いつつ①を書き上げた後「うん…間違ってない…(と思う)。」とそのままにしました(笑)。
桜花出張版を書き始めてから7ヶ月くらい経ちました。
その間私の遊びに行くブロガーさんが少し変わり(変わらず遊びに行っているブロガーさんもたくさんいらっしゃいます)、おそらく私のブログの読者の方も変わっていると思う。
先日書き溜めたSSの索引を手直しして一気にUPしましたら、「以前拝読したものも、さかのぼって読み直したいなと、楽しみが増えました」なんで嬉し恥かしいお言葉を頂戴いたしました
。
んで、土方さんがethlinをBBと呼んでいる事、今このお話を読んでる人のどのくらい知ってるんだろう(憶えているんだろう)と思いましたので、少し説明させていただきます
。
久しぶりに使ったサブタイトル『Baby Breath』ですが、かすみ草の事です。
正しくはbaby's breath(ベビーズブレス)ですが。
ethlinが土方さんと二回目に会った時に「かすみ草が似合う」と言ったところから始まりました。
特にこのお話を…と言った取り決めはありませんが、土方さんとethlinが中心のお話の時はこのサブタイトルを使っています。
今回このお話を書いてから、懐かしくなってなおねぇが書いてくれた土方さんとethlinの出会いの辺りを掘り起こしてきました。
なおねぇが書いた初めての出会い から始まり、二度目に会ったお話『月に咲く花』 ① ② ③ ④ ⑤ に続きます(←なおねぇのブログ記事にジャンプします)。
そしてロマンティックの欠片もない初めての出会い その詳細 (←私の方で細かに書いたお話)です。
どうでもいい事ですが、ethlinの今回の服装は、全部私の私物です。
今回のお話を思いついてから少し書きながら「男の子と見間違える格好」を考えていて、軍パンの存在を思い出し引っ張り出してきました。フランス軍の本物のお下がりです。
Vネックの大人っぽい紫セーターに軍パン、ここ数年冬はこれで過ごしているドイツ軍のコート(これは新品だった)、ブーツのみYOSUKEのエンジニアブーツで会社に行き、ロッカーの全身鏡に姿を映して「…よしっ
」とか思ったり(苦笑)
なおねぇの記事を拾いながらチラチラと前後の記事読んでみたらこんな頃から…
「読心術使ったんか!?リンクしている」って言ってました(笑)。
つい笑ったわ~。
では、このお話の最後は自称ethlinのストーカ(笑)ゆきちゃんにしめてもらいます。
もう少しだけお付き合いください。
「うわぁ~先輩バッサリ切りましたね~。伸ばしかけもかわいかったのに~でもでもかわいいいです
。似合いますよ~。」
やめてよ~と笑いながら逃げるethlin先輩を捕まえて、頭をガシガシと撫でまわす。
「えへへっ、スッキリしたよ。気分一新した!またスタートラインから始めるんだ…。」
「んん?やっと土方さんとちゃんと仲直り出来たんですか?」
吹っ切れたように笑うethlin先輩に笑いかけると、ギョッとした顔を向けられた。
「やっと…やっとって…なっ…なんで?」
「なんでって…なんとなく…なんとなく言っただけです。ほら、一緒に初詣に行ったとか言ってたし~年末に仲直りしてたんでしょ!」
先輩は納得いかないらしく、何かブツブツと呟いている。
私は誤魔化すように、さらに先輩の頭を撫でまわした。
「先輩は小さいからショートの方が似合うかもですね。それに…クス…先輩は土方さんのハム太郎ですもんね~。」
「えぇ~歳三さんは私の事ハム太郎なんて呼んでないよ~!!」
「その先輩の脹れた顔…餌食べてるハムスターそっくりで・す・よ。ナイスハム太郎です
。」
「もう、ゆきちゃんったら~。」
♪~♪~~♪
「あっ開店前の音楽が始まった。立礼の準備しないとね。」
先輩は頭に三角頭巾を被り、いつもの立ち位置へと足早に急ぐ。
私も同じくいつもの立ち位置につき、チラリと先輩の方に目線を動かした。
(先輩…ごめんなさい。本当は沖田さんに少しだけ話を聞いたんです…)
今年に入ってすぐに、私は桜花へと足を運んでいた。
初詣の話を聞いてから、すっかり土方さんと仲直りしたと思った私はさっそくカフェに行こうと誘いをかけた。
しかし先輩は「ゴメン用事があるから…」と口を濁し、何故か誘いを断わるのだ。
「斎藤さんのスイーツが食べたい!」と言ういい訳の元、私は一人桜花へと出かけた。
冬の花に混じって春の花が陳列された花屋を覗き込んだ。
(土方さんはっと…いないな…)
「こんにちは、ゆき。僕に会いに来てくれたんだよね?って僕が言っても、けして自惚れじゃないよね?」
「いやん
沖田さん。あけましておめでとうございま~す
。」
「あっ、そうだね。ゆきとは今年入ってから初めてだね。あけましておめでとう、ゆき。今年もよろしくね。」
「はい
もちろんですぅ~
。」
はしゃぐ私を沖田さんはいつものように王子様スマイルで迎えてくれるものの、何か言いたげな表情をしている。
「ethlin先輩も誘ったんですけど~用事があるって振られちゃいました~。」
「ふ~ん…そう…そうか…。」
(あらら…図星だったみたい。)
「ところで土方さんはお休みですか?」
(おっと…しまった…。土方さんに会いに来たってバレたかな…。)
「土方さんなら今休憩中だよ。クス…『べべちゃん』にメールしようかどうしようかって…携帯弄ってるんじゃないかな。どうせ今日もまた出来なくて…結局ふて寝するんだろうけど。」
(ん?何?)
「誰ですか?ベベちゃんって?」
本当は聞き流すべきだったのかもしれない。
でも聞いたことのないその呼び名につい反応して、私はすぐに聞き返してしまった。
沖田さんにしては珍しく失敗した…といった顔をして、少し考えると真剣な顔をして私に向き直った。
「聞かなかった事にして…って訳にはいかないよね。全てをゆきに話すわけにはいかないけど…ゆきはいい子だから僕との約束を守れるよね?」
「もっもちろんですよ。どんとお任せください。」
「クスクス…本当にかわいいね…ゆきは…。」
(はぁ~王子様スマイル…素敵過ぎる。)
なんてぼんやりしている私に、沖田さんは少しだけ土方さんと先輩の事を教えてくれた。
秋頃から続いているケンカは、まだ完全に解決していない事。
クリスマス、そして初詣の時に二人は話をしていたものの、その後は連絡が途絶えている事。
そして…
「ベベってね…『BB』…かすみ草の英語読み『Baby Breath』の略だよ。土方さんはね、コロボックルちゃんのアドレスを『BB』って登録してるんだ。僕からコロボックルちゃんのメルアドを隠すためにね。そんな事したってさ…クスクス…すぐにバレるんだけどね。一度アドレスの名前を弄ったら、コロボックルちゃんのアドレスを盗んだんじゃないかってすごい剣幕で怒り出してさ…。」
顔に似合わずロマンチストでおまけに子供でしょ?あんな顔してるのにさ…と沖田さんは笑う。
「あの人はね…待っているんだ。自分が手放してしまった小さな白い花がここに帰ってくるのを…ずっとね。クス…そんなのさ~自分で迎えに行って、無理やり攫ってくればいいのに。本当におかしな人だよ。」
私は笑えなかった。
だって…なんだか沖田さんが辛そうな顔をしていたら。
土方さんと先輩のケンカに対して沖田さんがそんな顔をする理由なんて…私には全然わからないし、二人がこんなにも長くギクシャクしている本当の理由もわからない。
きっと知らなくてもいい。
ケンカの理由は土方さんと先輩だけのモノだ。
私がとやかく口出ししたって、きっと何の解決にもならない。
「そうですか!先輩も頑固だからな~。頑固者同士のケンカ、ホントに困りますね。」
私が出来る事といったら、いつものようにおどけて笑う事だけだった。
「ケンカの事や『BB』の事聞いちゃったのは沖田さんと私だけの秘密ですね。任せてください。誰にも喋りませんから。だから…だから私が今日おせっかい焼きにここに来た事も、沖田さんと私だけの秘密にしてくださいね。」
「じゃっ!」と手を上げて立ち去ろうとすると、沖田さんはショーケースの中からブーケを一つ取り出して私に差し出した。
「これ、偶然だけどゆきをイメージして作ったから…受け取って。」
それは白いカラーを中心にしたシンプルなブーケだった。
「あっ…ありがとうございます。うれしい…デス。今度はethlin先輩と遊びに来ますからね!その時は沖田さん、開店御祝くらい大きな花束作ってくださいよ~!!」
私は大きく手を振って花屋を後にした。
きっと誰もが秘密を抱えている。
人には言えない秘密。
知られたくない秘密。
他人が踏み込んではいけない…自分だけの大切な秘密。
私が先輩に秘密にしている事があるように、先輩も私に秘密にしている事がある。
(いつか話せる時が来たら話してくれますよね…その時はきっと、笑い話になってて…『こんな事があったんだよ』って笑って話してくれますよね?)
開店まであと一分、私はethlin先輩に大声で声をかけた。
「せんぱーい!今度の休みはカフェでランチしましょう!もちろんケーキもたくさん食べましょうね~♪」
くるりと振り向いた先輩が満面の笑みを向けた。
小さな花がパッと咲いた。
白くて小さな…Baby Breath。