今回も散々な目に遭わされた狼さん(歳三王子)。
そしてばらちゃんシリーズにも登場した伊東さん。しかもオカマで決定(笑)
なおねぇとネタ合わせしていた時は『オカマと呼ばれている人』くらいだったんですが…
「オカマでいいよ。オカマにしよう!伊東さんオカマで決定!!」
まったくもって人でなしな変態妄想姉妹です
。
ちなみに伊東さん(よい魔女)は山南さん(悪い魔法使い)との間に因縁があるそうですよ。
それはまた別のお話で…。
では、ハロウィンも散々な目にあった狼さん。
家に帰ってからの狼さんの安らぎTIMEを覗いて見ましょう。
伊東の家で起こった事は即刻記憶から抹消してぇ…。
だがな…伊東はご丁寧に写真を寄越しやがった。
そして家に帰った赤ばらちゃんは俺が止める間もなく嬉しそうに写真を見せて、結果…俺はいい笑い者だ。
総司の奴…ゲラゲラと笑いやがって…。
お前なんざ、散々伊東に悪戯して、父王に怒られて尻叩かれてたじゃねぇか。
…まぁ、島田に比べたら、俺はまだマシだったかもしれねぇがな(苦笑)
伊東の部屋にはいくつかパネルが置いてあった。
俺が森を歩いている時の写真のパネルを見つけ「あんのおかま野郎…盗撮しやがって!」と怒鳴ろうとした瞬間、俺は隣にあるパネルを見つけた。
島田の写真だった。
島田はな…横綱の格好をさせられていた。
ご丁寧に化粧まわしを身につけ、優勝カップまで持たされてよ…。
島田…優勝力士でよかったな(苦笑)。
最近髷を切った理由は伊東のせいか?
脱がされなかっただけ、俺はまだマシな待遇だったと思うことにした。
そうじゃなきゃ…気が狂っちまうぜ。
俺は部屋に戻り、伊東が俺に寄越した封筒から写真を取り出す。
伊東を抱き上げる…虫唾が走るような写真、伊東と赤ばらちゃんが俺に寄り添い写した写真とそれから…
「あんにゃろう…いつの間にこんな写真撮りやがったんだ」
そこには満面の笑みを浮かべる赤ばらちゃんの傍で優しく笑う俺がいた。
「最後は伊東のせいで散々なハロウィンだったが…城で上っ面ばっかりの連中を相手にするよりは楽しめた…かもしれねぇな。まぁ、悪くねぇ…かもしれねぇな」
ふと時計を見ると、赤ばらちゃんに絵本を読んでやる時間になっていた。
俺は本棚に並べられた絵本をざっと眺める。
「そうだな…この前は桃太郎だったな…その前は浦島太郎。久しぶりにお姫様の登場する本がいいか…」
ふと一冊の本が目に入った。
「ふん…これはまた皮肉な物語だな。まぁいい、最後はハッピーエンドの話だ。しかし…クッククク…エンディングに行き着くまでには何日かかるんだろうな」
俺は本と机に置いてあった小さな包みを手にして、赤ばらちゃんの部屋へと向かった。
「赤ばらちゃん、俺だ。入るぞ?」
軽くノックして声をかけると赤ばらちゃんの声が響く。
「あ~狼さん、まだダメですよ。もうちょっと待ってください」
中ではなにやらバタバタと音がしている。
「…いいですよ~入ってください♪」
ドアを開けると小さくて真っ白な塊が俺にぶつかってきた。
「狼さん♪Trick or Treat♪」
「なっなんだ?ふっ…随分ちいせぇおばけだな、赤ばらちゃん。ほら…俺からもお菓子だ」
白い塊の正体は、シーツを頭からすっぽりと被った赤ばらちゃんだ。
「あれれ?何でわかったんですか?わからないように全身隠したのに」
「胸に俺が贈った赤い薔薇のコサージュをつけてるだろ?」
よっぽど気に入ったのか、お化けの扮装の時までコサージュをつけていた。
「えへへ~♪狼さんがお姫様にしてくれました~。このお花をつけてたら~私は赤い薔薇のお姫様です♪」
「お化けなのにお姫様になる必要なんざねぇだろうが…ったく…しょうがねぇな。寝る前につけてるとピンが刺さって危ねぇぞ。二人で森を散歩する時にまたつけてやる。そん時赤ばらちゃんはお姫様だから、お姫様抱っこしてやるよ」
そっとコサージュを外し、手を引いてベッドの中に潜らせる。
「今日はどんなお話ですか?」
「ん?今日は…これだ」
俺は絵本の表紙を赤ばらちゃんに見せてやった。
「美女と野獣…わぁ~初めて読みます♪どんなお話だろ~♪」
「王子様が魔法をかけられて野獣にされちまった話だ」
「え~( p_q)王子様…かわいそう…狼さん、王子様は元の姿に戻れますか?」
「さぁな…野獣の元に来た美女次第だ。真実の愛を見つけられれば…野獣はきっと王子様に戻れるさ」
俺は本を開き、ゆっくりと語り始める。
「昔々…光輝く美しいお城に王子様が住んでいました…」
(俺もいつか王子に戻れるのか…それとも…。まぁ…そんな事は今はどうでもいい。狼の姿でも、元の姿に戻れなくても…俺の傍にはいつも小さなお姫様がいるからな…)
気がつけばほとんど物語が進まないうちに、赤ばらちゃんはスヤスヤと眠ってしまった。
「なんだ、もう寝たのか?しかたねぇ続きは明日だ。野獣さんも苦労するぜ。この調子じゃあ…なかなか王子に戻れやしねぇな。あんたもちょっとは俺の気持ちがわかるだろ?」
布団をそっとかけて、部屋の灯りを消す。
窓から差し込む優しい月の光が、赤ばらちゃんの寝顔を照らしている。
俺はベッドの脇に跪き、優しく寝顔を撫でてやった。
「ふっ…警戒心のねぇ顔しやがって…ぐっすり寝てやがる。……おやすみ、俺の小さな薔薇のお姫様」
赤ばらちゃんの頬にそっとキスをして、俺は静かに部屋を出た。