Sweet×Sweet Blood ① | ethlinの煩悩毛だらけ

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煩悩さらけ出し日記

これはなおねぇ(なお@総司 )とリレー中の 探偵 土方歳三 出張版


薄桜鬼の完全二次小説となっています。


苦手な方はご注意ください。


そして…キャラが若干崩壊しています(笑)


ますますご注意くださいね。


Vampire Hunter e  にて原田さんにお金を踏み倒され、朝日の当たらない家 ~ Vampire~ Ⅲ  でヴァンパイア総司に大好きなおねぇを食われてしまったethlinですが…。









「うえぇぇぇ~おねぇが~おねぇが~」


私の目の前にはおねぇの部屋から回収された、破れた御札が数枚散らばっている。


「ethlin…泣くな。お前のせいじゃねぇ。この御札は完璧だった…これさえも破られたって事は…クソッ…ヴァンパイアの野郎どもの中に御札が効かねぇ奴がいるって事だ。あいつらを甘く見すぎていたな…。俺の大事な従妹に手出しやがって…あいつら…クククッ…血祭りに上げてやるよ」


前回ヴァンパイア除けの御札と安産祈願の御札を間違えておねぇに渡し、総司と呼ばれるヴァンパイアとの接触を許してしまった。


だから今回は失敗は許されなかった。


一字一句書き漏らすことなく仕上げ、歳三お兄ぃにも何度もチェックを入れてもらった…いわば秀作だった。


それがただの紙切れ同然に、おねぇの部屋に破り捨てられていた。


結果、おねぇは総司という名のヴァンパイアを部屋に招き入れ、身体を許してしまった。


血を吸われたわけではない。


しかし、おねぇが『獲物』としてターゲットにされてしまった事は消せない事実だ。


歳三お兄ぃは私を責めなかった。


お兄ぃだけじゃない。


みんなが「お前が悪いんじゃない」と慰めてくれる。


その優しさが心に痛い。


「ethlinちゃんよ~。そんなに自分を責めるなよ。んまぁ…手出しはされたけどよ…仲間に引きずりこまれたんじゃねぇからさ…まだ引き返せるって」


「永倉さんが~永倉さんが~お酒なんかでで買収されるから~汗うわぁぁぁ~ん!!」


「うぉ!俺のせいかよ!!」


手をつけられないほど泣いて暴れる私の頭を、みちるねぇが優しく撫でてくれる。


「ethlin、なおだって子供じゃないんだから…自分で決めたって事もあるし…。とにかく!自分の事責めるのはやめなよ。御札が効かなかったのはethlinのせいじゃないよ」


「ううぇぇぇぇぇ~汗みちるねぇ~」


子供のようにみちるねぇにしがみつき、胸の顔を埋めて泣きじゃくる。


「ethlin!てめぇそんな羨ましい…いやいや…とにかく泣くな!これから新たな対策を練らねぇとな…あの御札の効ねぇ奴の事も調べないといけねぇ…。とにかく泣いてる場合じゃねぇ。まぁ…泣くなと言ったってすぐに泣き止むわけでもねぇしな…。よっし!ethlin、今夜は飲み明かすぞ!家に電話して俺ん家に泊まるってお袋さんに言っとけ。今日は時間も金も気にせず飲んで暴れろ!!俺が許す!!」


「グス…グス…うぇぇぇぇ~ん汗歳三お兄ぃ~」


「おめぇの好きなピザでもアイスなんでも食わしてやるから…ほら…帰る支度しろ」


「うっ…うん…」


グシグシとしゃくりを上げながら、真っ二つに破られた御札を詰め込んだ。








ワイン1本を一人で空けて、ethlinはうずくまる様に眠ってしまった。


「歳?ethlin潰れちゃった?」


「あぁ、やっと潰れた」


そっと担ぎ上げてベッドに下ろしてやる。


潰れるまでずっと泣き通しだった。


自分が未熟だから、自分の腕が悪いから、自分がおねぇを止められなかったから…繰り返し口から漏れる後悔と謝罪の言葉。


「能力のねぇ奴に、御札作りなんて大事な仕事させられるかよ。アルバイトとは言え…遊びで作らせてんじゃねぇんだ」


ethlinはとにかく幼い頃から俺にべったりだった。


俺の家に入り浸り、ひい爺さんの文献を広げては何度も何度も読み返していた。


俺が近藤さんに弟子入りした頃も俺について回って、俺の真似事を始めた。


勘がいいのか、元々の素質だったのか、真似事でないくらいの力を身につけ、面白半分で近藤さんが御札を書かせた時、悪霊退散の御札には程遠いが合格祈願の御札を書き上げちまった。


実際その札を近藤さんの知り合いに渡したら本当に大学受験に合格しちまった。


なおに流れていると言う『極上の血』が実妹であるethlinにまったく流れていないとは限らない。


これ以上油断すれば、なおは完全にヴァンパイア意の仲間となり、ethlinもターゲットになる可能性もある。


そうなれば従兄妹二人が奴らの毒牙にかかる事になってしまう。


「ん~ん…」


寝返りを打ったethlinの首元からシャラッと音を立て何かが外れた。


「高校卒業の祝いに買ってやった…クロスのペンダントか…」


卒業祝いに何か買ってやると言うと、迷うことなくペンダントが欲しいと言った。


『ペンダントトップがクロスのでね、銀色でね、えっとこんな大きさの…』


前からよっぽど欲しかったのか、身振り手振りで説明までし始めた。


せっかくだから少しいいものをと、俺とみちるで少し高価なモノを買ってやった。


「まさか…ただのアクセサリーが…ヴァンパイア除けになってるわけじゃあ…ねえよな?今時のヴァンパイアが十字架を恐れるかどうかもわからねぇのによ…」


そっと首にかけ、髪を優しく梳いてやる。


「まぁまだまだガキで乳臭いからな…クッ…ヴァンパイアも寄ってこねぇんだろうよ」


とにかく考える事が多すぎる。


(近藤さん…どこにいるんだ…連絡くらいくれよ。こっちはほとほと困ってんだ…)


「みちる、今日はethlinと寝てやれ。夜中に起きてまた泣き出したら厄介だ」


「ふふっ…今日の歳は『妹思いの歳』なんだ」


からかうようにみちるが笑う。


「うっせい…俺は盛りのついた犬じゃねぇ!!それに…考えなきゃいけねえ事が山ほどある。今日のところは…ethlinに譲る」


「ん…じゃあ明日だね…おやすみ」


みちるの唇に深く口づけを落とす。


名残惜しいが今晩は仕方がねぇ…。


俺は一人ソファーに身を落とし目を瞑った。


急激に増え始めた吸血事件。


ヴァンパイアである総司がこの街に来た事。


御札が効かないヴァンパイアの存在。


そして近藤さんの失踪…。


(近藤さん…あんた何か知ってるのか?知ってるなら…教えてくれ…。この街で何が起きているんだ?)


静かな夜に、ethlinの安らかな寝息だけが聞こえた。