Cherish ③ ~Baby Breath Ⅴ~ | ethlinの煩悩毛だらけ

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煩悩さらけ出し日記

To:土方 歳三

Sub:おはようございます


今日も暑くなりそうですね。


仕事は大分暇になってきました(笑)

今日は久しぶりに店頭の仕事の予定です。

ゆきちゃんと仕事するのも久しぶりです。


もう少し余裕が出来たら、ゆきちゃんと一緒にお花屋さんとカフェに寄りますね。


では仕事に行ってきます




ethlin










久しぶりの店頭の仕事に張りきって出たものの案外暇で、ついついゆきちゃんとたわいのない話をしてしまう。


「ゆきちゃん…ダメだ…笑える…ケースに体当たりした拍子にお客様の髪が…かつらが…飛んだ…って…ヤバイ…お腹痛いよ…」


「だって先輩…『お客様!!大丈夫ですか!?』ってかけつけたら…私の足元に…かっ…かつら…ぷぷっ…」


「ちょっ…こんなに笑ってたら…怒られるよ…今日は課長も部長もいないとはいえ…」


「でも…絶対にethlin先輩に言おうと思って…ダメだぁ~涙出ちゃう…」


二人笑いを堪えつつ、二人でお客様の集中してみる。


ふと視界に人影が映った。


「「いらっしゃいませ」」


自分達でもお見事と言いたいくらい、瞬時に営業スマイルで声をかける。


「楽しそうだな?間抜け面してるって聞いたから、楽しみにしてきたんだが…」


目の前にはクスクスと笑う歳三さんが立っていた。


「えっ?あれ?歳三さん?きょっ…今日って…お休みなんですか?」


どう見ても仕事のついでとは思えないラフな格好をしている。


「黙ってて悪かったな。朝のメールで言おうかと思ったが、黙っていた方が驚く顔が見られると思った」


驚く私に小さなクーラーボックスを差し出す。


「約束の差し入れだ。数は余裕もって用意したから取り合いするなよ」


「うわぁ~、土方さんありがとうございます。いいなぁ~ethlin先輩、愛されてますね」


ゆきちゃんはニヤニヤ笑いながら私を肘でつついた。


「えっ…ゆきちゃん違う…えっと…」


ゆきちゃんの発言にどう答えていいかわからず、しどろもどろになる。


「いつもかまってやってくれてありがとうな。こいつは放っておくとすぐメソメソするだろ?」


「ふふふっ~土方さん、超過保護ですね。ethlin先輩はぁ~結構一人でじっとしているの平気な人ですよ。だからぁ~、かまってもらえなくて寂しくなるのは、土方さんに対してだけですよ」


おろおろする私を無視して、二人は仲良く談笑し始めた。


「それに最近の先輩の話って土方さんの話題が多いんですよ。ふふっ…ホストクラブに行く前なんか、漫画とテレビとお姉さんの話題しかなかったのに」


「わかるな。こいつは今も姉さんにべったりだからな…正直妬ける…」


「あははは~そうなんだ~土方さん、苦労してますね~」


(ちょっ…ちょっと??ゆきちゃん何ペラペラ喋ってんの!?歳三さんも何言ってんの!?)


「だっだから……ちょっと…あのね?」


ゆきちゃんはあたふたする私からクーラーボックスを取り上げ、「冷蔵庫に入れてきますね」と言い残してこの場を離れてしまった。


「…ったく…お前は…しょうがねぇ奴だな…」


歳三さんは照れくさそうに笑いながら、私の頭をポンポンと撫でる。

「あんな事言われたら…お前から…片時も目が離せねぇだろうが…」


「すっ…すいません…子供で…」


耳まで真っ赤になっているのがわかる。


(ううっ…恥ずかしい…恥ずかしいよぉ…//・_・// )


「来てよかったな。面白い話が聞けた。それにお前が楽しそうに仕事をしているのを見たら…安心した」


「…それが過保護ってやつじゃないですか…?」


「俺が放っておいたらメソメソ泣くんだろ?だったら…過保護になってもしょうがねぇ…」


(ううっ…これ以上言い返せないよ~)


顔を上げられず俯いていると、視界に白っぽい人影が見えた。


「いらっしゃいませ」


顔は赤いものの平静を装い営業スマイルを向けると、目に入ったのは涼しげなスーツに身を包んだ『着物王子』こと若様だった。


「先日はお買い上げ…」

「風間…てめぇ…何しにきやがった!?」


私の言葉を遮るように、歳三さんの機嫌の悪い声が響く。


「ふん…土方か…。何をしにきただと?笑止、当然客として買物に来たまでだ。まさかこんなところで貴様に会うとは思いもよらなかったが…」


二人は睨みあい、不穏な空気が流れている。


(歳三さんと若様って友達なのかな?でもすっごく仲が悪そう…)


きょとんとしながら若様を見ていると、若様の目線が私に向けられる。


その瞬間、ふっ…と思いっきり鼻で笑われた。


(なっ何?また?)


「ふん…いつの間に趣旨替えした?みちるが壊れたら今度はそのちんくしゃが相手か?」


『みちる』の言葉に私の心臓が跳ね上がる。


(なに…若様もみちるさんの事知ってるの?壊れたって…どういう意味?)


「風間…てめぇ…」


「本当の事だろう?みちるを手放す事も自分の手元に置くことも出来ない…人肌寂しくなったら別の女に手を出す…。前のケバイ女はどうした?飽きて捨てたのか?ずいぶんと節操がない事だ…土方よ…」


「それ以上こいつに余計な事を言うんじゃねぇ」


「やけに庇うな…ずいぶんと趣味が悪い。いや…さすがバラガキと言われただけあるな。女であればなんでもいいと見える…」


「風間…その口いっぺん塞いでやる!!」


歳三さんが若様に掴みかかろうとした瞬間…



ゴッ…



少し鈍い音とともに、若様の膝裏に私の足の甲がヒットしていた。