INNOCENCE ~Baby Breath Ⅱ~ ① に続いて忌々しい(笑)『あれ』のネタでした。
私、『INNOCENCE』をUPした後、なおねぇから「泣いた…」ってコメが来て「えっ?
なんか泣く要素なんてあった?」って驚いた(笑)
たぶん仕事中だったと思う。
「なんで何でナンデ…?」と思いながら、「リベンジせねば…」とずっと計画を立てていました。
前回のお話をUPする時、UP直前まですごく迷いました。
あと2~3話入れてからにしようかな~とか。
でも何回も何回も読み直して「いいや…UPしてしまえ」と(笑)
私、自分でSSをUPしてから、結構読み返すんです。
それはステキブロガーさんのお話も同じです。
索引があったらそこから黙々何回もしつこく読んだりしてます。
で、UP後『My Precious』も読み直してて(←正直照れくさかったのもあり、読み返すまで躊躇した)、「この展開になったからあのネタの再チャレンジありかも」と思い、出来たのが『赤いずきんのおちびさん』です。
赤ずきんちゃんのドイツ語名『Rotkäppchen』は『赤い帽子のおちびさん』といった意味らしいです。
そこからタイトルの『おちびさん』をいただきました。
さて、泣いてしまったethlinですが、機嫌は直ったのでしょうか?
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最後の客を見送り、後片付けもほとんど終わった店の明るすぎる照明を落とす。
今日の『夜』の桜花は今までの中で一番の入りだった。
伊東さんと山崎のフォローもあり、何のトラブルもなく一日が終わった。
「土方さん、お疲れ様でしたわね。今日は『朝』から『夜』までの勤務で大変だったっでしょ?」
珍しく伊東が声をかけてきた。
「いや…大変なのは伊東さん…アンタも同じだろ?正直アンタが何を企んでるのかは知らねぇが…」
「あらあら」
相変わらず嫌味な笑みで俺を眺めている。
「今はその時ではない…とだけお伝えしておきますわね。時期を間違えてしまっては、大も小も何もかも歯車が狂ってしまうモノでしてよ。まぁ今は…私は土方さんに仇をなす存在ではない…とだけ申し上げておきましょうか。もちろん、近藤さんに対してもですけど」
「ふん…勝手にしろ…」
正直伊東は苦手だ。
近藤さんや山南さんは信頼を寄せているようだが、腹の中が読めない限り、一瞬でも気を許す事は出来ない。
「土方さんは最近少し変わりましたわね」
「はぁ?俺がか?」
「えぇ。最初にお会いした時から、私の事は信用できないとおっしゃってましたわ」
「…それは今も変わらねぇ」
「えぇ…存知上げておりましてよ。あの時の土方さんは棘だらけで…何かの『目的』のためだけに生きていた…そうじゃなくって?」
目の前に熱い茶が差し出された。
「桜花がオープンした直後…いえ…直前かしら?少しだけ変わられた気がしますけど?」
「…」
「私のお友達の大切な『お嬢さん』は、きちんと家まで送り届けていただけたのかしら?」
伊東は表情を変える事なく、水割りを口にした。
「何でアンタがそんな事を知っている?」
「嫌ですわ…私が山南さんにお願いしましたの。土方さんに『私のお友達の大切な『お嬢さん』を家まで送って差し上げて』と頼んで欲しいと。土方さんでしたら予定時間内に戻る事もわかってますし。それにお嬢さんがいる時だけは、土方さんも笑うんですのね。あら…失礼。いつも覗き見しているわけではなくてよ。」
伊藤はグラスの水割りを飲み干すと、Staff Roomへと向かった。
「その笑顔が営業にも生かされると助かりますわ。でも…それは『お嬢さん』のためのモノですわね。失礼…」
伊東が消えた後、ethlinから手渡されたコンビニの袋を手にする。
帰りの車の中、助手席でethlinは一生懸命にキャンディの数を数えていた。
「そんなに数えなくても少なく入ってるわけねぇだろ?」
「えっ?あっ…うーん…」
そう言ってまたごそごそと数を数えだす。
(声かけたから気が散ったのか…)
正直、キャンデイを二袋買ってやったくらいで機嫌が直った単純さには感謝したい。
やがて満足そうに袋に戻し、いつものようにたわいのない話を始めた。
「ほら、着いたぞ。ちゃんと晩飯をしっかり食べて、早めに寝ろ。今から桜花に戻って仕事だから、電話は出てないかもしれない。寝る前にメールくらい入れろよ」
そう言ってそっと顔を撫でてやり、額に口づけを落とす。
「…(//・_・//)歳三さん…お仕事がんばってくださいね。あと、お仕事が終わったら、ちゃんと休んでくださいね」
「あぁ…わかってる」
「あっ…それからコレ、歳三さんの分です」
そう言ってさっき買ってやったキャンディの袋の一つを差し出した。
「半分こです。疲れている時は甘いモノが一番なんですよ」
「もしかしてお前…さっきから均等に分けてたのか?」
誇らしげに「はい」と笑う。
「どうしても数が一個半端になったから…歳三さんの方に入れました。あれ…もしかして…飴…嫌いでした?」
「くっ…くくく…お前はホントに面白い女だな」
意味がわからないといった顔で、不思議そうに見上げるethlinを抱きしめる。
「ありがとうな…お前から元気…もらってばっかだな…」
「???私も歳三さんから元気をたくさんもらってますよ。だからいつも半分こですよね」
(半分こ…か)
中から一つ取り出し、口の中に放り込む。
(いつかお前に…苦しみも分け与えてしまうのかもな…)
お前が俺を選んだように、俺も小さなあいつを選んだ。
(俺がお前を幸せできるのなら…お前が俺を癒してくれるのなら…絶対に守る…絶対に離さない)
最後の照明を落し、俺はStaff Roomへと足を向けた。