「千鶴、大丈夫か?何にもされてないか?」
「大丈夫です。薫・・・スカート姿見せびらかしに来ただけみたいだし(笑)」
冷たい風の吹く桜花学園の校門前で、今しがた熱い戦いが終わった。
「土方さん、ごめんなさい。毎週毎週めんどくさい事に巻き込んで」
「鈴鹿、気にするな。あいつはあいつで、お前と一緒のところを見せびらかしたいんだろう」
「ふふっ、千景・・・結構単純でバカだから」
「平助、千鶴と鈴鹿を連れて教室に入れ。もうじき始業の時間だ」
会長は時間を確認して、平助の指示を出す。
「でも土方さん、まだあの三人来てないじゃん」
平助の言葉で会長の眉間の皺がさらに深くなる。
次の瞬間会長の後ろに男子生徒がぶらりと現れた。
「おはようございます。土方さん、どうしたんですか?そんな鬼みたいな顔をして。」
「総司・・・てめぇ・・・今何時だと思ってやがる」
今現れたのは沖田総司。桜花学園2年生で、生徒会執行部の一員だ。
なぜ2年の総司を差し置いて、俺が副会長の任についているかというと・・・
「何時って、始業時間15分前ですよね?」
「お前ん家にカレンダーはねぇのか?」
「嫌だなぁ、カレンダーくらいありますよ」
総司は手をひらひらと振り、大声で笑う。
「総司、今日は第何金曜日だ?」
「一君おはよう。今日は第一金曜日だけど?」
「第一金曜日の校門当番は俺と総司のはずだが?」
「あぁ・・それで目覚ましが早くなったのか。なんでかなぁと思って、早く起きたついでに近藤さんの家に寄ったんですよね」
「それで
?」
「近藤さんが歓迎してくれて、朝ごはんご馳走になって・・・ついでに娘のチカちゃん学校に送り届けて・・・」
「総司・・・」
「なんです?土方さん」
「俺はお前が喘息持ちだから、身体が辛い時は校門当番は無理するなとは言った。だがな・・・朝早く起きれたんなら、近藤さんの家に寄ってこないで、とっとときやがれ。」
このように、会長と総司もまた仲がよいとは言えないのだった。
そして総司のこの性格故、会長は大切な役職を任せられないと判断、僭越ながら一年生である俺が副会長を務めている。
「近藤さんが稽古つけてやるなんて言ったら、断れるわけないじゃないですか」
「理性で断れ」
「近藤さん家のご飯美味しいし、それに…土方さんみたいに、美味しいご飯作ってくれる人…いないんですよね」
「飯が食いたいなら、近藤さん家の人間になれ。近藤さんの娘さんも、総司の事気に入ってるだろ。嫁に貰ったらどうだ」
「嫌ですよ・・・ブ○だから」
「お前…
」
会長と総司が言い合いをしている内、残りの問題児が登校したようだ。
「よう、千鶴ちゃん、千姫ちゃんも寒いのにご苦労さん」
「新八のせいで…眠い…。おっ!朝からお姫様二人のお出迎えか。おはようさん」
「永倉先輩、原田先輩、おはようございます。」
「おはようございます。お二人とも寒くないですか?」
「ん?全く寒くない訳じゃねえけどよ・・・。おっ、千鶴ちゃん、ピンクのマフラー似合ってるな!」
永倉新八。会長と同じく三年生で、生徒会執行部役員。三年と言うことで引退はしたが、剣道部の部長を三年間務めていた。
見た目は筋肉バカとしか見えないが、こう見えても社会問題にはかなり詳しい。
「新八、朝から柄もなく口説いてるんじゃねぇ…。千鶴ちゃん、おはよう。俺は新八と違って脳まで筋肉で出来てないから、それなりに寒いぜ。ただ首に巻いたりするのは窮屈だしなぁ…。暖まるには人肌が一番いいんが…」
自分の事は棚にあげて、朝から口説いてるこの者は、原田佐之助。やはり会長と同じく三年生で、生徒会では会計を務めている。仕事ぶりはいたって真面目だが…
「佐之助、新八、お前ら何回言ったらわかる…。シャツのボタンはせめて第2ボタンまでは留めてこい!」
「でもよう、土方さん、このシャツ窮屈で…」
「新八は筋肉の鍛えすぎだろ。土方さん、俺のは新八の奴が昨日ボタン引きちぎりやがって…」
「おい、佐之。それは昨夜お前がイカサマするから…」
「自分が不利になったからって、イカサマに決めつけるのは、新八、お前の悪い癖だぜ」
「…要するに」
会長の眉間の皺が更に深くなった。
「てめぇら…昨日も花札してたって事だな」
「あっ…えっ…花札じゃなくて…カルタと言うか…」
「桜花学園 生徒会規則 第七条 生徒会役員ならびに執行部役員は全生徒の模範であること其の三 賭博ならびに賭事は禁止とする…。そうですね、会長」
「斉藤の言う通り・・・そういうことだ…」
「待ってくれ土方さん。俺はやりたくなかったが…」
二人を睨みつけていた会長が急に雪村の方に振り返った。
「千鶴! 生徒会規則 第七条 其の四!!」
雪村ははじかれたように姿勢をただし、生徒会規則をそらで読み上げる。
「『桜花学園 生徒会規則 第七条 其の四 賭博、賭事の現場に居合わせた場合、直に止めさせること』ですよね・・・?」
「そういうことだ…。てめぇら…生徒会室に来い。たっぷり説教してやる」
「いでででで…土方さん耳引っ張ると、耳が冷めてぇからぁいてててて…」
「新八、ここは男らしく腹くくって行こうぜ」
三人が校内に消えると同時に、予鈴がなった。
「もうこんな時間か…。雪村、鈴鹿、平助、教室にはいるぞ」
こうしてまた、桜花の騒がしく長い一日が始まった。
終
おまけ
「会長、タイトルに俺の名前を入れる必要があったのでしょうか…」
「斎藤が主人公のSSを書きたいって意向らしいからな。お前の台詞…あんまりねぇし、大した活躍もさせられなかったって反省してるようだ…。タイトルくらいもらっとけ」
「御意」
タイトルに偽りあり
なんかバッタバッタな感じで終わりましたが…。
結局何が書きたかったって…?風間さんさんのファー襟巻きと、薫の女装です
。
嫌・・・ほんとすいません。無駄に長くて。
最後の人物紹介です。
沖田総司 桜花学園二年生。こちらでは『喘息持ち』にしました。近藤さん家に入り浸っている様子。
永倉新八 桜花学園三年生で、生徒会執行部役員。剣道部の部長。一人暮らししています。
原田佐之助 桜花学園三年生で生徒会会計担当。学生でも、胸元はだけています(笑)。
一人暮らし同士で、新八さんの家に行ったり、新八さんが来たりです。
土方×千鶴の学パロの設定、一度まとめておきたかったんです。