日曜日。

 

ていうかゴールデンじゃないゴールデンウィーク。

 

 

実は私にとってはこれまでとそれほど変わらない長期休暇。

 

これまでだって独りだしね、貧乏だしね、どこかへ出かけるとかそういうこともなく、毎年ただただうちに引き籠って、映画やテレビドラマを観たり、シナリオ書いたり、そんなゴールデンウィークは今年も全く変わらない。

 

ただ、スーパーに出かけるといつもより多い客に困惑し、マスク姿の他人とお互いに「接触」することを今まで以上に避けることに気を遣うといったそんな息苦しさを「共有」するという点だけは少し違うといえば違うんだろうけど。

 

仕事も今のところ幸か不幸かこれまで通り、休み前まではそれなりに忙しく、休み明けも今のところ「通常運転」の予定。

 

エッセンシャル・ワーカーでもなく、かといって自粛を余儀なくされている業種でもなく、あるいはテレワークができるような高尚な仕事でもないんだけど、奇しくもシナリオを目指したことで何とか生きながらえている。

 

もちろん今後どうなるか分からないけど、それでもこれまで通り、長すぎるモラトリアムだということも含めて、地道に低空飛行を続けるしかないよね。

 

 

それにしても、だ。

 

もうね、安倍政権の失政に失政を重ねてきたその歪み、ていうかやる気のなさが、すべて我々国民にのしかかってきて、不毛な我慢大会の様相...

 

国民は何でもっと怒らないのか。

 

あるいは自民党支持者と学会員、加えて投票に行かなかった無関心層に限ってだけど、ここまで安倍政権を生き永らえさせてきたことに対する贖罪、あるいは懺悔のつもりで命を懸けてその失政を甘受して拷問大会を楽しんでいるのか。

 

もっもっと怒って、#自粛と補償はセットだろ と詰め寄り、今後も充分な補償がないのなら、#安倍辞めろ と堂々と言わないとダメだよ、ホント。

 

どれだけ奴隷体質なのか、どれだけ不感症なのか、あるいはドMか、あんたらは?

 

 

テレビでも安倍の大失政をストレートに非難する論調はいまだに決して多くなく、ましてや #安倍はやめろ と言うこともなく、国民が自粛という名の圧政の下で苦しみながらも創意工夫し、寄り添いながら何とか生きながらえて、しなくてもいい苦労をしている姿をただ美談として垂れ流すばかり...

 

あるいは例えばパチンコ店をスケープゴートに仕立て上げて、ただでさえ格差社会にもがき苦しむ国民をより一層分断に追い込み、敵愾心を煽り、不毛な対立をより一層生み出しているだけ。

 

果ては「自粛警察」なる輩が出てくる始末...

 

 

しかも憲法記念日の今日、安倍首相は自分の失政を棚に上げ、このコロナ禍であってもロクな施策はしないのに憲法改正だけは訴えるという、狂気の沙汰、火事場泥棒としか思えない愚挙に出た。

 

現行憲法下において、これまで数々の憲法違反を繰り返し、為政者といてやってはいけない改憲をけん引してしまうという無知蒙昧、それを今、このコロナ禍の今やるか?

 

立憲主義が何たるかを全く理解していない、そんな裸の王様がだ、憲法を語るなんて、ましてや改正を宣うなんて、100万年早いんだよ!

 

緊急事態条項? 今なにもできていない無能さに対する言い訳でしかないじゃないか。

 

 

世界から見れば、日本はかなり特異な国としてに映っている。

 

...狂ってる。

 

この風前の灯火、生きるか死ぬかの瀬戸際に追い込まれても何で国民はもっと怒らないのか、何でもっと補償を要求しないのか...

 

先の戦争と同じじゃないか。

 

「欲しがりません、勝つまでは」ゲームに興じている場合じゃないよ、死ぬかも知れないのに...

 

 

 

 

ああ、これも不毛な独白...気を取り直して、せっかくの日曜日、私は淡々といつものルーティーンを...ということで映画です。

 

 

今日は「裏切りのサーカス」という2011年のイギリス映画を。

 

 

原作はジョン・ル・カレのスパイ小説、それだけでもワクワクする。

 

 

いや本当は地味な作品らしいぞということは漏れ聞いていて、それでもさ、今頃盛り上がっているはずの「007」最新作が観られないことの穴埋めという訳でもないけれど、何となくスパイ映画をチョイスしたわけだ。

 

午前中に、普段あまり飲まない紅茶を買ってきたことに見ている途中で気付いて、ハッ、っとなったり、無意識にイギリス映画、スパイ映画を望んでいたのかも知れない、なんてね。

 

 

冷戦下、引退を余儀なくされた老スパイが再び第一線に呼び戻されて二重スパイ、裏切り者をあぶりだすというお話。

 

作中に“mole”という言葉が出てきて、まさにこれが「モグラ」が転じた二重スパイを表すもので、ああなるほどあの「ミッション:インポッシブル」に出てきた“molehunt”をこの映画でもやるのか、つまりはプロットは同じなんだなと。

 

ただ大きく違うのはこの作品の主人公が二重スパイをあぶりだす側で「ミッション:インポッシブル」の主人公イーサン・ハントはあぶりだされる側、無実の罪を晴らそうとしているってとこで、更にはこちらには爆発があったり宙づりになったりとかね、そんなド派手なアクションも怒涛の展開もなくて、もうね、ひたすら地味な展開、ひたすら地道な「捜査」が展開され、ほとんどが会話の積み重ね、いわばディスカッションドラマの形で物語が展開していく。

 

ただ出演陣は豪華で、いや豪華すぎて、それだけでも飽きさせないし、少しでも気を緩めると話が分からなくなりそうで、そういう意味では緊張感を強いられる、そんな妙な作品。

 

 

大分前に観た同じジョン・ル・カレ原作の「寒い国から帰ったスパイ」とか「ロシア・ハウス」、あるいは「テイラー・オブ・パナマ」などの地味スパイ映画の雰囲気がこの作品にもあって、派手さはないし、ワクワクドキドキもないしね、ひたすら地味で渋いんだけど、本物の諜報員なんて実はこんな感じかも、たまにはこういうのもいいよね。

 

ラストのコリン・ファースの悲哀だとか、トム・ハーディが恋に落ちる女性は「ひまわり」のリュドミラ・サベーリエワが演じたあの女性を意識したのかなとか、髭のないゲイリー・オールドマンもかっこいいなとか、それでも色々楽しめた、かな。

 

ちなみに原題は、“TINKER TAILER SOLDIER SPY"、ウィキペディアによるとマザー・グースの童謡を引用し、もじったということらしい。

 

対して邦題は「裏切りのサーカス」...ミスリードな感じだが、語呂はいいし、雰囲気は悪くない。

 

つまり「サーカス」はいわゆるあのサーカスではなく、かつて秘密諜報部、MI6があったケンブリッジサーカスという交差点の名前から付けられた通称としての「サーカス」ということらしい。

 

意味は全然違うけどね、今回はまあ悪くない...バカ邦題追放警察としては...今日は許す。

 

 

という訳で、私はTwitterで #安倍はやめろ とつぶやき続ける以外は、普段通り、これまで通り、いつものゴールデンウィークにするつもり。

 

 

映画とテレビドラマだけが、今のところ、私の味方だ。

 

 

寂しさに耐え、貧困に耐え...なんてね。