日曜日。
春ですね。
桜も散り始めて、時間はさらに進んでいく...
映画を。
...っとその前に、外付けHDDの空き容量確保のために先日録画しておいたテレビ東京の山崎豊子原作のドラマスペシャル「二つの祖国」の後編を観て、いろいろ考えさせられたり、ウルウルしてしまったんだけど、気を取り直して(?)映画を。
最初は先週に引き続きスピルバーグ作品、同じトム・ハンクスの「ペンタゴン・ペーパーズ」をAmazonプライムビデオで観ようと思っていたんだけど、更なる外付けHDDの空き容量確保のためにその中から「ハドソン川の奇跡」をチョイス。
これもトム・ハンクス主演なんだけどね、クリント・イーストウッド監督の2016年の作品。
2009年のエアバス航空機のハドソン川不時着事件を描いているのだが、当時機長のサレンバーガーの英雄譚として騒がれたことは記憶に新しい。
原題はズバリ“SULLY”、主人公のチェスレイ・サレンバーガーのニックネームだ。
邦題は...突っ込みたいところだけど、新元号「令和」に大騒ぎするバカで政治リテラシーの低い茹でガエル国民ばかりの国だからね、ま、しょうがないね。
この作品のポイントは回想形式、時間軸を細かくいじりつつ、単なるヒーローモノとしてだけではなく、サスペンスの要素も巧みに脚色されたその構成の妙にあると思う。
それをトム・ハンクス演じる単なるヒーローとしてではなく等身大のひとりの人間としての“サリー”の心理描写のうねりをあれやこれやと加味させつつも、劇映画ならではの対立軸をあえて盛り込んでそのハラハラドキドキをうまく演出したことも、ホント、さりげなく巧いなと。
最近では同じような航空機の事故を扱ったものとしてロバート・ゼメキスの「フライト」という異色作があったけれど、こちらはもう素直な英雄譚。
96分のタイトな本編には、昨年大ヒットした「カメラを止めるな!」のように「2度始まる」的な描き方もされていて、それは良くも悪くも観客に優しいというか、ホント、シンプルな物語をいかにドラマティックに仕立て上げるかという作り手の創意工夫も垣間見えたりして、もうね、ホント、ただただ単純にこの清々しい英雄譚にすんなり身を任せられ、素直に感情移入し、感動できたように思う。
あとは余談として、アメリカ人はトム・ハンクスが大好きなんだろうなとか、全編IMAXデジタル撮影に特化したARRI ALEXA 65のバッキバキの高精細デジタル撮影に複雑な思いを抱いたり、エンドクレジットの出演陣にやたらと“HIMSELF” と“HERSELF”が出てきて、ああそういえば最近イーストウッド、いろんな「実験」をしてて老いてなお盛んだなとかね、まあそんなことも思ったりして。
個人的にはこの「回想形式」に対してどうも素人的にアレルギーがあるというか、挑戦できずにいるけれど、いつか挑戦してみたいとも思う。
ジェームス・ジョイスの「ユリシーズ」もプルーストの「失われた時を求めて」も読んでいないし、アインシュタインの相対性理論なんて私には分かるはずもないけれど、でもいつか、いつかきっとオーソン・ウェルズの「市民ケーン」のように時間軸を自由自在に操ってみたい。
映画、テレビドラマ...やっぱりいいね。
さて今日は青椒肉絲を作って、舌鼓...じゅるる。
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