日曜日。
ウチでじっとしているに限る、そんな雨の日曜日。
台風の進路が気になるところではありますが、とりあえず、映画。
「山田洋次の100本」を再開、今日は木下惠介監督の1951年の「カルメン故郷に帰る」を。
言わずと知れた日本映画最初のカラー作品、純国産フジフィルムによる総天然色映画。
厳密に言うと外国製のカラーフィルムで1937年に作られた「千人針」という作品が日本映画のカラー第1号ということらしいが、そのあたりの事情は素人の私にはよく分りません。
まあとりあえず、高峰秀子の「カルメン故郷に帰る」。
「芸術家」として成功した家出娘が故郷に錦を飾ろうとするが...というお話。
若い頃に多分2度ほど観た記憶があるのだが、ただただカラー第1号ということばかりが思い出される程度で、特に強烈な印象も残っておらず、さて、今観るとどうなんだろうという興味で、いざ挑戦。
尺もタイトで、物語もシンプルだが、これがなかなかさりげなくちりばめられたメッセージ性もしっかりとあり、カラー、カラーと騒ぐだけではもったいない、なかなかの良作。
喜劇に必須であるもののひとつであろう、いわゆるモノの見方、その登場人物たちの視線の角度の差異がおかしみを生むというセオリーの重要性に改めて襟を正したくなるような思い。
あとはねえ、様々な登場人物のそれぞれのキャラが、実に分かりやすく、なおかつ無駄なく描かれていて、みんなちゃんと「立っている」。
複雑さを表現するためには分りにくく描くことよりも、いかにシンプルにその複雑さを押し出せるかが重要なのだ。
また今日もいろんな意味で勉強になりました。
今回観たBSプレミアムで放送されたものは、2012年にデジタル・リマスターされたもので、そのノイズレスな映像はなかなかのもの。
それにしても高峰秀子さん、魅力的です。
少し頭の足りない明け透けなストリッパーというう少し特異なキャラを演じたということもさることながら、今回は太もももあらわに、他の映画にはない肌の露出度で、恐らく当時はかなりの衝撃ではなかったんじゃないだろうか。
ちなみにこの映画、カラー撮影をした後に、改めてモノクロでも「保険」として撮影したらしく、そちらもちゃんと残っているそうだ。
観られるものなら観てみたい。
さて、今年のテレ朝コンクールの〆切もあと2か月を切った。
そろそろ、私も。
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