シトシト、シトシト...雨が降ってます。

 

 

春なのに、少し肌寒い。

 

 

桜もこれで、すっかりその花びらを散らす訳ですな。

 

 

 

 

 

 

映画を観ました。

 

 

 

1963年、映画が映画らしかった時代の、いい意味でも悪い意味でも究極の超大作、エリザベス・テイラー主演の「クレオパトラ」を。

 

 

 

いろいろ調べてみると、良くも悪くも当時、話題満載だったようで、金はかかるわ、撮影がなかなかスムーズに前に進まないわで、とにかく大変だったらしい。

 

 

 

 

私が観たものは、BSプレミアムの放送のものだが、序曲はあったもののインターミッションは字幕が出ただけで、その直後に本編に戻ったので、インターミッションそのものは端折っていたものの、恐らく現行のDVDに収録されている、現存する最も長いバージョンだと思われる。

 

 

IMDbにも尺も違いにより複数のバージョンがあるようだが、その中の248分バージョンということで間違いないと思う。

 

 

 

文字通りクレオパトラの波乱の生涯をつづったものだが、前半の2時間はユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)との関係、後半の2時間はマルクス・アントニウス(マーク・アントニー)との関係をメインに描かれている。

 

 

当初は全6時間ほどの大作で、このふたつの関係で前・後編に分けて制作していたらしいが、いろんなゴタゴタがあって、結局1本にまとめることを余儀なくされたということだ。

 

 

 

それでも4時間以上...長い、長すぎるよw。

 

 

まあね、そうはいっても、とにかく豪華絢爛、映画にお金をかけるということは、こういうのを言うんだなと。

 

 

セットにはいかにも金がかかっていますよ~、という壮大なもの、エキストラの数も、そりゃもう半端ない。

 

 

 

 

調べてみると、撮影方式はTodd-AO、まさしく本物の70mm映画で、今回のBSプレミアムの放送では見事にその70mmの恩恵が画面に現れていて、その肌理細やかさ、レストア状態のよさも含めて、久し振りに本物の「高解像」感を堪能できた。

 

 

 

 

かといって、その70mmで撮影された豪華さは、無駄に贅沢なわけではなくて、まさに当時の「世界観」を感じさせる、作り物感のない雰囲気は、まさに帝政ローマに引き込まれるといった印象。

 

 

 

しかも、その豪華さに負けていない、いや、負けていないどころか風格漂わせる出演陣たち。

 

 

 

エリザベス・テイラーはやっぱり本物のスターだし、カエサルを演じたレックス・ハリソンも存在感ありすぎ、アントニウスのリチャード・バートンはその豪快な演技に目を見張った。

 

 

 

この3人の存在が、この豪華なスケール感に見合っていて、まさに映画が映画らしかった時代の極めつけの作品といえるんじゃないだろうか。

 

 

 

 

内容は、私の知っている挿話、例えば「ブルータス、お前もか」のセリフで有名なあの事件や、クレオパトラが絨毯に包まって「潜入」する逸話、毒蛇に自らを噛ませて「自殺」するところなどが、満遍なく表現されていて、そういう意味ではそれほど置いてきぼり感がなくてよかったなと。

 

 

 

でも実際にシェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」に出てくるあの有名なセリフは使われていなくて、そういう部分は作り手のある種のプライドだったのかなと。

 

 

 

エリザベス・テイラーのクレオパトラはまさにはまり役で、そのゴージャスなルックスはいかにも女王然としていて、魅力的だった。

 

 

下世話な話だが、テイラーのふくよかな感じはまさに私のツボで、その二の腕のポッチャリ感も含めて目がハートです(スイマセン、アホで)。

 

 

 

 

...っと、話を元に戻すと、そのテイラーさんのルックスのみならず、どこか弱々しく、人間らしい内面も見え隠れするあたり、この女優さんがますます魅力的に感じたなあ。

 

 

 

観る前には、とにかくいろんな意味で「問題作」的な扱いをされていることを知っていたので、不安の方が大きかったのだが、いざ観てみると、幾分かっとされているかなと思われる部分もあったりしたけど、全体的にはインターミッションを挟んで2つの作品を続けて観たという感じもあって、退屈することはなかった。

 

 

それどころか、クレオパトラの人となり、ジュリアス・シーザー(カエサルというより、こっちの方が言いやすいw)との関係、アントニーとの関係とそのアントニーの苦悩も含めて、権力者それぞれの人間模様がじっくり丁寧に描かれていて、ただ単に大味な大作では全くない。

 

 

意外と言うと悪いけれど、ホント、超大作の割にはドラマ部分もしっかりしていたな。

 

 

 

 

 

 

 

 

ただね...やっぱ、長いねw。

 

 

 

疲れた...


 

 

 

でもやっぱり、長尺映画はいい...映画を観たぞ~、という爽快感がいい意味で肩にのしかかる。

 

 

 

こうなると前・後編2本立ての6時間バージョンを観てみたくなるな。

 

 

 

シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」も読み返さなきゃいけないし、あ、もう何年も前に買って、いまだに読んでいない「アントニーとクレオパトラ」も本棚にあるじゃないか(汗)。

 

 

 

 

まだまだ、勉強不足ですね。

 

 

この「勉強不足」に関しては、一生を通じて解消できなさそうだ。

 

 

ま、いっか...そんなもんだ。