雨、雨、雨...

シトシト、シトシトと降る雨の音を聞いていると、ちょっと寂しくなってくる。

なーんて、大の男が何を言っている。

 

まあでも雨では散歩もできない...いや、しなくていいという言い分けになる。

ああ、そういうところが自分のずるいところなんだよな。

 

という訳で、今日は思い切って大長編映画を鑑賞してみた。

1939年、元号でいうと昭和14年のあの名作...「風と共に去りぬ」。

今まで2、3度は観たと思うが、今回はBS-hiで放送された文字通りハイビジョンのコンテンツ...観逃す訳にはいかなかった。

 

久し振りに観て思ったのは、やはりこの作品は「奇跡」の映画だということだ。

今から70年前に作られたとは思えないテクニカラーの美しさ、物語の緻密さ、そしてスカーレット・オハラの複雑でエゴイスティックで人間的なキャラクター...改めてこの作品のすごさを感じることができたように思う。

 

さらには4時間近くの大長編であるにもかかわらず、テンポは悪くないし、省略も実に巧みで、飽きさせることがない。

それは恐らく原作そのものが大長編だということもあると思うが、それにしてもそのエッセンスをうまい具合にすくい取ってシナリオ化しただろうことは、原作を読んだことのない私にも想像に難くない。

 

当時の観客はこの映画をどういう風に捉えていたのだろうか?

今を生きている私にも、このスカーレット・オハラのキャラクターはすんなりと受け入れられない。

時には冷たく、時にはエゴイスティックで、強さを見せたかと思うと、弱さを武器にしてみたり...こんな人物像が当時どういう風に受け入れられていたのか、とても興味深い。

でも、そんな複雑なキャラクターであるにもかかわらず、観ていると不思議と感情移入している自分がいるのだ...

そういう意味でも、この映画には学ぶところがいろいろあるように思う。

 

数年前にとある雑誌で、これまでの映画の興行成績を時代時代の貨幣価値にそってランク付けると、この作品が第1位になるという記事が載っていたことを思い出す。

いや、そんなことでは推し測れない、偉大なる「遺産」である。

 

昨日生まれて初めて観た「ローマの休日」もそうだったが、やはりこういう不朽の名作と呼ばれる作品には、明確な存在理由があるものだ。

ここのところ、すっかり新作映画からは遠のいてしまって寂しい思いをしているが、こういう古典の名作を改めて味わってみると、それはそれでいいのかなと思ったりもするw。

 

「風と共に去りぬ」...それもハイビジョンで味わえたことに、今日もひとり静かにその喜びを噛みしめている。