2本目は「エデンの東」。
JOHN STEINBECK'S “EAST OF EDEN”...これはもう私ごときが語るまでもない、古典の名作。
1955年というからもう50年以上も前も作品だ。
こういう古い名画を見ると、最近の映画は人が描かれていないものが多いのかなとも思う。
くしくも「ベッカムに恋して」と重なる部分もある、親子の葛藤がテーマ。
若い頃一度見たが、そのときはそんなに印象に残らなかった。
が、改めて見てみると、この映画のすばらしさがよく分かる。
父と息子の対立、兄弟の対立、別れていた母との葛藤などなど、あらゆる人間ドラマのエッセンスがぎっしり詰まっている。
ジョン・スタインベックの原作は読んだことがないし、旧約聖書の「カインとアベル」の話も知らないが、この映画の重々しさ、パワーは感じることが出来た。
ちょっと長めの初期シネマスコープ(1:2.55)の構図のすばらしさも見逃せない。
これぞまさに「温故知新」だなあ。

とか何とか言ってもこの映画、やっぱり最大の魅力は何と言ってもジェームス・ディーン。
彼の存在感はやはりすごい。
当時22、3だと思うが、そのカッコよさ、パワフルな演技...やはり伝説のスーパースターだ。
寡作な彼だが、改めて「理由なき反抗」や、いまだ見たことのない「ジャイアンツ」を見てみたいと思う。

余談だがNHKのBSハイビジョンの映画放送枠は基本的にふたつある。
その名もズバリ「ハイビジョン金曜シネマ」と「ハイビジョン日曜シネマ」。
今回の2本は前者が「金曜」、後者は「日曜」の番組だった。

その両番組には当然ながら冒頭にタイトルがある。
どちらも10数秒の短いものだが、特に「金曜」のそのタイトルを見る度に、とても切ないような不思議な気持ちになる。
音楽のせいなのか画のせいなのかは分からないが、映画を見る前にいつも心がキュンッとするw。
潜在意識の中に何か重なる記憶でもあるのか、この冒頭のタイトルはいつも切ない...
ウチで映画を見るときは必ず照明を落とすのも手伝ってか、映画本編を見る前から微妙にウルウル...涙
我ながら変だとは思うがw。