こんにちは。作文教室講師の田中えりです。
オンライン指導をしている
シュークリーム君は私立中学の3年生。
(その子の好きな食べ物をブログネームにしています。)
今年の夏休み、宿題として出されたのが
「税金の作文」です。
国税庁と全国納税貯蓄組合連合会が
主催しています。これだけでもう
書けそうにない感じがします
将来の納税者である中学生に、税金の
必要性を理解してもらうのがねらいです。
国語が一番苦手なシュークリーム君。
ただでさえ身近に感じることのない題材
ですから、完全にお手上げ状態でした。
1200字以内という規定がありますが
それ以内に収まっていれば、200字でも
OKだと思っていたようです。
「9割(1080字)を超えるように書くよ」
と言ったら、絶句していました（笑）
いや、気持ちはわかります。
よくわからないことについて
興味もないのに書くのですから。
どんよりするシュークリーム君に
入選作をいくつか読んでおくように
言いました。
もちろん、コピペはいけません。
どんな切り口で書いているのか
どう書き進めるといいのかなどを
把握するためです。
雰囲気を掴んだらOK。
そのうえで、材料を集めます。
ヒアリングにしっかり時間をかけて
彼にしか書けないものを選びます。
書き方の指導よりも、ここが肝。
このようなジャンルの作文の
場合、とんがった個性や
表現力は求められていない
からです。
消費税しか払ったことのない中学生が
税金について語るには。
使い道に注目しましょう。
医療、福祉、教育、インフラ整備、
災害支援…自分たちのために使われている
税金なら、たくさん挙げられるはずです。
その中から、自分と税金の関わりについて
考察していくのです。具体的な体験談を
盛り込みましょう。
シュークリーム君のご両親は
医療関係のお仕事をされています。
そこで、薬にかかる税金を
テーマにしてみては？と提案しました。
ドラッグストアで買う薬には消費税がかかりますが、
病院で処方される薬には課税されていません。
その代わりに支払うものがいくつかあります。
私も初めて仕組みを知りました！
思春期の彼にとって、親に取材するのは
ハードルが高かったと思いますが
背に腹はかえられません（笑）
この他に、専門用語の意味、
保険医療制度の仕組みなどについて
調べておいてもらいました。
材料を集めたら、あとは順番を決めて
並べていくだけ。
医療費の高騰が問題になっている今、
適切な受診が節税につながり
これからの保険医療を支えていく。
これをゴールに書いていきました。
書くことに初めてきちんと向かい合った
シュークリーム君。
書き終えた時の晴れやかな表情が
印象的でした
