昨日こどもが見ていたテレビで、Sexy Zoneのメンバーが「ゆっくり休んで早く良くなってほしい」と言ってるのが聞こえました。
「あれ?さっきも言ってなかった?」
デジャブでも見たのかと思って子供に聞くと、
「違うよー。二人とも、お母さんの好きな深瀬さんと同じ病気だよ。」
との返答。
若者に疎い母なのでヤフーニュースを見たら、ご本人のコメントとして、「病名にもショックを受けて」とありました。
人生を何十年も生きて来た人間は、周りに何人もそういう人がいるのを知ってるけれど、まだ若い彼は自分だけ?という気持ちになってもおかしくないですよね。
記憶力の悪い私が、今でもはっきり覚えている20年くらい前の出来事があります。
大失恋をした友人から、「夜中に息ができなくて死にそうになった」と涙声で電話がかかって来たのです。
急いで支度して1人暮らしの友人宅へ駆けつけ、病院に付き添いました。
そこで先生に言われたのは、「何かとても悲しいことがありましたか?」という質問と、「よくあることなので心配ないですよ」ということだけ。
帰りには精神を安定させる薬をくれました。
当時はまだパニック障害という言葉が広まっていませんでしたが、今から思うと友人は明らかにパニック障害だったと思います。
でも、先生からは診断されなかった。もちろん、うつ病は当時でもあったはずなので、医師によってはそのような言葉を出す人もいたかもしれません。
もし、彼女がパニック障害やうつ病という言葉を少しでも耳にしていたら、今のようにバリバリとキャリアを積んでいたかどうかわからないなあと思うのです。
と言うのは、もう一人の友人を思うからです。その友人はパニック障害とうつ病を併発していると診断されました。
そして、その後何年も家にこもる生活を続け、今はだいぶ外出できるようになりましたが、遠出はまだできません。
同じようなことで言うと、私自身は子供の発達障害の診断を受けるか否かで悩んだことがあります。
親戚からは「そんなレッテル貼られたらかわいそう」と言われましたが、専門家のネットでの意見では「診断が母親を楽にしてくれるなら受けた方がいい」とありました。
悩みながらも忙しくてそのまま過ぎたのですが、20才を目の前にして、本人が診断を受けたいと言い出しました。
成長したらだいぶ問題なく生活できていて、グレーゾーンではあったのですが、たぶんバイト先などできつく怒られたのだろうと思います。
理由を聞くと、「判定されれば周りがわかってくれるから」と言うのです。
その時悩んだのは、もし断定されたら、それは本当に本人にとって良いことなのだろうか?ということ。
一時的には周りの理解を得られて楽になるかもしれないけれど、就職だって影響しそうだし、結婚する時に何か支障は出ないのだろうか?など、頭の中がグルグルしました。
結局、予約が1年半以上先でないと取れないとわかり、成人するまで保留しようということになりました。
この話を、ピアノ講師をしている友人にしたところ、「どっちがいいかわからないよね。うちの生徒でも何人かいるけど、診断されている子は、自分の能力に制限をかけているような気がするよ」と言われました。
頑張ればできそうな課題でも、ちょっと壁にぶつかると諦めてしまうというのです。本人だけじゃなくて、親にもそういう兆候(あきらめ)が見られるそうです。
かたや、たぶんグレーゾーンだろうなと思う子でも、親がまったく気にしていない子の場合、難しいものでも挑戦してできてしまうとのことです。
「可能性を狭めてしまうことも有ると思うんだよね」という彼女の意見は、私の二人の友人のケースと被って聞こえました。
この問題はとてもナーバスなことなので、診断を受けるのが良いか悪いかは誰にも言えないでしょう。だって診断されても才能を活かして活躍されている人もいるし、人それぞれです。
ただ、診断を受けるかどうか?と悩む段階では、たいてい本人は煮詰まっていることが多いので、周りがしっかり、「この人にはどっちが良いだろうか?」と見極めてあげて、期待する答えをもらえる方を選んでほしいです。
どうしても母親目線になってしまうので、ジャニーズの若き2人が、周りの声に振り回されないで自分を取り戻してくれるといいなあと胸を痛めてます。