どこへ車を入れればいいのか分からず



庭の奥まで車で入って行くと


音に気付いたのか父親が出て来ました






驚いた





まだ60歳そこそこの親父が




まるでやせ細り




老人そのものだった。





親父自信が自分の裸の写真に

自分で  「 肉体美 」  と書く程




筋肉が服を着て歩くような



体重も70キロ有るかないかなのに



僕が両手で握っても指が届かない手首


張り出した胸



そりゃあもてるわってな顔


その何もかもが見事に崩壊していた




高校1年の夏



体を苛め抜いて(抜かれて)



僕の握力は80キロを超え

りんごだって手で割り


ウエストは68センチほどしか無いのに

L サイズの服しか入らず



めい一杯自分に自信をつけ


木刀を持って友人と2人で

複数相手に好き勝手やってた頃



親父に、腕相撲をしようと言われ



友人と僕に



2人一辺に掛かって来い




そう言われ、



友人と僕とで親父の左手を握り



両手を使って体重を掛け


足を突っ張って必死で引っ張る

僕達2人を



左手一本でフッ飛ばした親父




10年前はまだ面影も有ったのに




誰もが見る光景




最後に親父が海に潜る姿を見ようと




僕も負けないように頑張ろうと思ってたけど




とてもそんな事は出来そうにない その姿









僕は









自分の親も歳を取る













その事を忘れていたのかも知れない









・・・・・・つづく