昨日6月23日は沖縄で日本軍による組織的戦闘が終わったーはっきり言えば、日本軍が沖縄を見捨てたーとされる「慰霊の日」のため、TVの報道番組は各局ともこれを特集し、今日の新聞社説でもこれを採り上げている。読売も朝日もだ。結論は読むまでもなく決まっている。「再び戦場としないため」、読売は「(南西諸島の)防衛力強化」であり、朝日は「政府は中国の動きを口実の防衛力増強している(要するに反対)」だ。まさに正反対である。
「最低でも(沖縄)県外」と言った首相がいる。民主党の鳩山由紀夫だ。日本全土の0.6%の面積しかないのに米軍基地の7割が集中している現状を変えようと考えるのは当然のことだ。
しかし、ここで「綸言汗の如し」の中国由来の名言を思い出してしまうのが日本の悲劇だ。綸言とは天子の言葉である。これは、決して、汗のように流れて消えるという意味ではない。汗が出れば再び体内に戻すことはできない、という意味である。ところが、鳩山は「(ぼくちゃん)一生懸命に勉強すればするほど全く無理ということがわかった」と宣ったのである。一国の最高権力者の言である。当然、根拠なしに発言するとは誰しも思わない。日本でも「天子には戯れの詞なし」とは平家物語の時代から知っている。
日本国の首相は天子ではないことはよくわかった。相変わらず「日本の良心」として朝日新聞の言説を「綸言」と思っている人々に「防衛力増強に歯止め」を言い続けていいのか。中国による台湾・尖閣有事でもこれを貫けるのか。
心配することは無いか。戦前「鬼畜米英」と開戦へ日本国民を煽りに煽り、軍が沖縄を見捨てたその時まで「我が必殺必沈の連続猛攻は大いなる戦果」との(今様の言葉で言えば)fake newsを流し続けたのが朝日新聞なのだから。戦後はご承知の通りだ。機を見るに敏、なのがこの新聞社の特技なのだから。