今日、大谷翔平が40-40を同一試合でサヨナラ満塁ホームランで決めた。前の試合で39盗塁を記録し、ホームラン、盗塁で共に王手をかけていた最初の試合で40ー40を決める。やはり、神に祝福されし男とあらためて思う。いかに劇的、いかに凄いのか。
①サヨナラホームランで40号達成のためには、その前に40盗塁を決めておく必要がある。当たり前のことだが、ホームランでは盗塁できないからだ。大谷は2打席目に内野安打で出塁し(その後2打席凡打)、盗塁を決めている。そして同一試合達成の偉業(史上初)を成し遂げた。
②同点(3-3)の9回裏2アウト満塁で打席が回ること。(7回の凡打で今日はもう打席が回ってこない確率が高いと思っていた。)しかも、その第1球をホームランにしてしまうこと。サヨナラ満塁ホームランが大谷初どころか、サヨナラホームラン自体がメジャーで自身初である。それが、この、打者としての大谷翔平にとって(40-40達成という)最も劇的な場面で打ってしまう。
③40-40を達成したのは過去5人いる(しかいない、と言うべきだろう)が、126試合での達成は史上最速である。
ホームランはパワー、盗塁はスピード、これを1人の打者で兼ね備える選手は極めて稀で長いMLBの歴史でも僅か5人しかいなかったのだ。しかも全員1回きりだ。例えば、達成147試合目という最短記録(2006年)を持っていたアルフォンソ・ソリアーノだが、ホームラン40本以上打ったのはこの年のみだ。逆にホセ・カンセコ、アレックス・ロドリゲスは盗塁数40以上記録は40-40を達成した年のみで、バリー・ボンズだけがホームラン・盗塁とも複数回記録している。この3人はMLBを代表する強打者で「野球の殿堂」入りしていて当然の図抜けた成績を残しているが、ロドリゲス、ボンズはしていない。理由は禁止薬物使用が明らかとなっているからだ。もし、大谷が打者のみだったら何度も40-40達成可能だろう。
大谷は40本塁打をこれで3回記録したことになる。これを達成している現役選手は、エンジェルス時代の同僚トラウト、打撃のみでは大谷を上回る成績を残しているヤンキースのジャッジ、あと、アレナド、アロンソのみだが、全員、盗塁は1桁しか期待できない。トラウトのみ、俊足、強打のMLBを代表する選手だったが、近年は故障がちだ。逆に、去年達成(41-73)したロナルド・アクーニャJr.は、まだ26歳、図抜けた走力を持つから盗塁40以上達成は今後も十分可能だろうが、ホームラン40達成は未知数だ。今年は故障でほとんど欠場している。
来季からは2刀流復帰するから、今季、前人未踏の50-50を期待したくなる。