次期日本人MLB選手中最高と衆目の一致する(あるいは一致していた)佐々木朗希投手の(度重なる)登録抹消のニュースを聞き2つの問題が浮かぶ。

1つは佐々木朗希の個人的な問題。「ガラスのエース」ではないのか、ということ。プロとなってから1年間まともに働いたシーズンは皆無で、初めはまだ子供の体だからと好意的に見ていたが、既に5年目の22歳。「ガラスのエース」の原因が、肉体的に故障しやすいのか(それでは中4日登板が義務付けられるMLBでは働けない)、あるいは、MLB選手となる時に備えて日本では故障しないことのみを追求しているのか、とさえ考えてしまう。高校時代、決勝で登板を回避したのは将来を考えた監督の英断と思っていたのだが本人の意志だったのかとも思ってしまう。

もう1つは、投手にとって最適な投球数・休養期間は?という問題。野茂英雄の活躍により初めてMLBの試合を見た時、打たれていなくとも投球数100球前後で交替させられてしまうのが衝撃だった。当時の日本では、打たれない限り交替させられることはなかった。アメリカでは肩は消耗品という考えが徹底していて練習の投球数すら制限される。さすが!と思ったものだ。野茂時代にはさすがに無かったが、その少し前には、絶対的な先発投手は先発した翌日救援にまわったり、中2日で先発することなど珍しくなかった。当然、若くして投手生命を絶たれた選手は数多い。

その、さすが!と思ったMLBでも投手の故障は多い。大谷翔平もダルビッシュもMLBでトミージョン手術を経験している。先発投手は中4日が基本で、現在の日本の週1回登板と比べて遥かに負担が多いとも言えるが、MLBのように打たれてないのに100球で交替させられるということは稀である(その数少ない例外が佐々木朗希で、ノーヒットノーランがかかっていても100球で降板している)。

見ている分には、打たれてもいないのに100球に達したからと言って5回や6回で降板するのは面白くない。その意味で現在の日本プロ野球の週1回先発というシステムは悪く無い。投手の故障防止の観点からは、週1回先発で投球数100球までというのがベストなのだろうが。