「文藝春秋」4月号の特集は「日本地図から『新しい戦前』を考える」で、日米台中の軍事専門家に日本周辺の「今そこにある危機」を聞く。それぞれに注目すべき発言がある。

誌における掲載順を変えて、まず、劉明福中国国防大学教授の「知能戦・文明戦・死者ゼロで台湾統一をやる」。「南北戦争という統一戦によって分裂勢力を断固として粉砕し、国家統一を守った、のであるから、米国こそ中国のお手本であり、「統一」は「平和」よりも尊いもの」とぬけぬけと言ってのける。この思想が現今の東アジアそして世界平和を乱しているのだ。

マイク・ポンペオ前国務長官「金正恩は習近平に支配されている」で、「金正恩は『中国から北朝鮮を守るためには在韓米軍が必要だ』と述べた」という。意外に思ったが、習近平の支配から抜け出したいけど抜け出せない、という本音を語ったのだろう。また台湾有事の際に軍事介入するか否かは留保する「曖昧戦略」をアメリカは放棄する方が理に適っているという。これを維持すれば、それを弱点として突かれる。相手が中国だけにもっともと思う。

李喜明元台湾軍参謀総長「中国軍の侵攻を退ける唯一の方法」で

1.「非対称作戦能力」を備える。強大な中国軍への対抗策として艦艇や戦闘機の数で張り合うのではなく、小型兵器に重点を置く。

2.「国土防衛部隊」(志願兵)なども含めて、訓練の行き届いた兵力を備えること。

3.強烈な防衛意識、「必ず祖国を守る」という意志と覚悟を持つこと。

4.社会全体が十分に強靭であることー物資、エネルギー、医療、武器などの備蓄など

以上は、ほぼそのまま日本にも適用できる。渡部悦和元陸上自衛隊東部方面総監の「自衛隊は中国人民解放軍に敗北する⁉」(扶桑社新書)などで明らかなように、日中の軍事力は、中国の急激な軍事費増強により、今世紀に入って逆転し、その差は開く一方だからだ。

そして日本は、本松敬史元陸上自衛隊西部方面総監「なぜ台湾有事が日本の危機なのか」。台湾有事に巻き込まれたくないと考え、日本が直接攻撃を受けない限り、(安保条約第6条の)「米軍への基地の提供」はすべきでないとしたら、「米軍の防衛義務」(同5条)は機能しなくなるのは明白であり、これは日米同盟の破綻を意味する。前述(台湾の項)の如く、日本単独では中国の軍事力に対抗できない。そして中国は「平和」より「統一」が尊いとする国であり、その「統一」すべき国境とは中国の意思であり国際法は関係ない。既に尖閣は中国領として行動している。そしてこの国は「平時」と「有事」がシームレスに繋がっている。これを峻別する我が国の法体系では対処しようがない。

ロシアのウクライナ侵攻で2023年フィンランド、つい最近スウェーデンがNATOに加盟した。共に中立を標榜していた国だ。日本国民に注意していただきたいのは、「永世中立国」スイス共々、今は少なくなった徴兵制の国であることだ。「中立」であるためには、国民にそれ程の国防意識を要するということだ。「中立」さえ謳えば「非武装」とすべき、との左派教育からいいかげん目覚めたと信じたい。日本が中国・ロシア・北朝鮮(幸か不幸か悉く隣国である)からの脅威をのがれるのは、日米同盟の堅持と、それを機能させる日本国民の国防意識の覚醒しかない。ロシアはウクライナとの「統一」を目指し、北朝鮮は半島「統一」を志向し、共にその境界は、国際法ではなく自らの意思で、隙あらば当然、東に延びる。

関連して、短期集中連載、垂秀夫「駐中国大使、かく戦えり」は第3回の今号「尖閣諸島のために戦略的臥薪嘗胆を」であり、民主党政権がいかに無能であったかを曝け出す。2010年9月尖閣諸島付近で中国漁船が海上保安庁船に衝突し、当然逮捕すべきなのに、この政権は釈放したことを我々は知っている。この著者(当時、中国課長)の「中国は、圧力さえかければ日本は必ず譲歩すると考えており、ここは降りるべきでない」との進言に対し、菅直人が激高し「超法規的措置」を取らせたのである。その理由は、「私は日中関係を大事にする政治家である」から、母校の東工大の中国人留学生と食事会をしている、というのだからお話にもならない。それと、11月に横浜で開かれるAPEC首脳会議(議長:菅総理)に胡錦濤国家主席が来なくなるのを恐れたのだ。一国の総理でありながら、自国の主権を守ることに思いが至らないようだ。(翌年の)3.11による原発事故直後の現地視察といい、絶対権力者としてのスタンドプレイ以外、何も考えられない最低、最悪の人物が日本国リーダーになっていたということだ。著者が「日本は必ず譲歩する」と言ったのは理由がある。2009年8月民主党政権が発足し、鳩山由紀夫総理が誕生した時、無理矢理天皇陛下と習近平国家副主席の会見を設定したからだ。陛下の健康に配慮して、宮内庁が定める、会見1か月前までに打診する「1か月ルール」を無視したのだ。中国側はこのルールの存在も知りながらごり押しして鳩山はそれを受けたのである。この総理、沖縄米軍基地を「最低でも県外」と何らの見通しなく宣わったことで、同じく最低・最悪の総理であることを証明している。

 

妻はコロナワクチンは2回受けただけで後は全て拒否している。副作用が激しいからだ。その後、激しい鼻出血で救急車に3度もお世話になっており、妻は、今まで鼻血など出したことが無いから、これもワクチンのせいと信じている。私はと言えば、副反応ほぼ皆無で、知人・報道で帯状疱疹が頻発していることから、免疫力の低下は確かだろうけれど、罹患しにくい、あるいは罹患しても症状が軽くなるというメリットを信じ、指示通りに全て受けた。ところが、福島雅典京大名誉教授「コロナワクチン後遺症の真実」によると、そのメリットも危うい。28歳健康な男性の心臓が溶けて突然死するなど、心臓障害・血管系障害は、ほぼあらゆる人の体内で起きている、という。さらに、ファイザーの開発者は「製造途中の飛行機を飛ばした」と告白しているという。しかも、ファイザー社との契約書で製造物責任は問えない。今後は(有料ということもあるが)絶対拒否しようと思う。ただ、欧米では、ワクチン批判論文は検閲に引っかかるが、日本はそんなことは無い上に、日本の統計は世界に冠たるものというから若干の救いはある。