故ケネディ大統領の娘キャロライン・ケネディ氏が駐日大使に内定した。読売新聞によると、ニール・ダイアモンドの「スウィート・キャロライン」はこのキャロラインの愛くるしさに触発されて作られたという。ニールを愛する私も初めて知った。事実とすると、ケネディ大統領暗殺は1963年であり、この前後から(少なくとも日本では)頻繁にケネディ一家の写真が登場する。当時キャロライン・ケネディ5歳位である。「スウィート・キャロライン」がヒットするのは1969年だから、いずれにせよ、キャロライン10歳程度以下のイメージで作られたことになる。
私はこの曲はラブソングとばかり思っていた。事実そう解釈できる。レコードの歌詞カードの訳詞もそうなっていたと思う。父を失った幼い女の子へ捧げる歌とすればどう解釈すべきか。
まず、Sweet Caroline これは「きれいな」とか「優しい」より「かわいい」キャロラインということだろう。続く、そして何度も繰り返される
Good times never seemed so good
I`ve been inclined
To believe they never would
(いい時は、その時には、決して良くは思えないと言うけど、決してそうじゃないと信じるようになってきた)
これは、(父を失った)幼い子に、楽しいと思える時は本当に楽しいと思っていいんんだよ、と言い聞かせているということか。これを普通のラブソングと捉えれば、「こんなにも素晴らしい時が過ごせるなんて 誰も信じないことを 僕は信じるようになってきた」となろうか。(若い男が恋人を得て二人きりの時を過ごす-舞い上がった気持ちを歌っている。)
ニール・ダイアモンド、シンガーソングライターである。ソングライターとしても優れていると思うが(自らのため以外で有名なのはモンキーズに提供したI’m a Believerがある)、シンガーとしては私にとって唯一無二の存在である。(男だけみても、)美声の持ち主なら、エルビス・プレスリー、アンディ・ウイリアムズ、うまい歌手ならフランク・シナトラとすぐあがる。しかし、いかにも男らしい唱法の歌手はニール以外皆無だと私は思う。あの荒々しいばかりにシャウトするニールは、これぞ男の唱法と私には思える。
「スウィート・キャロライン」は日本でもヒットしたが、ニール・ダイアモンドその人は日本での人気はそれほどでもない。全てLP時代のものゆえプレーヤーと共に山荘に運んであるので、その後CD化されたものを借りに蔦屋に行ってもCDがあったためしがない。来日が無いのも人気に影響しているだろう。英米圏ではエルトン・ジョンと共に最も成功した歌手とされているのだが。アメリカでヤンキースと共に全国区の人気を誇るレッド・ソックス本拠地で8回の攻撃の前にかかるのがこの「スウィート・キャロライン」だ。(ちなみにヤンキースはシナトラの「ニューヨーク・ニューヨーク」である。)
「スウィート・キャロライン」、1969年の録音もいいが、1972年(1973年発売)のL.A.グリークシアターのライブ版Hot August Nightを、私はこよなく愛する。まさにシャウトするニール、必聴盤と思う。DVDがあったらすぐにでも買いたい。