10年ほど前「日本は天皇を中心とする神の国」と発言して森首相はマスコミ(朝日、毎日等の新聞、TV)、野党(ことに民主党、無論共産党も)から猛バッシングを受け、支持率を急降下させた。当時私は憤慨したことを覚えている。森首相にではない。マスコミと野党にである。森首相の言ったことは全く歴史的にも正しい。日本人の心には常に天皇があった。だから権力を握っても自ら王と称しなかったし、天皇制も存続させ続けたのである。

中西は注目すべきことも言っている。平安時代、仏典の「神」という字に「こころ」と仮名がふってあったという。「神」とは古代日本人にとって「心」だったのだ。だから「天地神明に誓って」とは、つまるところ、自分自身の心、精神に誓うということ。したがって、森総理の「神の国」とは「心の国」のことであると。言うまでもないが、彼も正しい発言と理解したのである。

小林よしのりという漫画家がいる。「ゴーマニズム宣言」以来、朝日、岩波、日教組の呪縛を若い人から解き放つ功績が極めて大と評価している。私自身彼の漫画は読んだことはないが、福田和也、佐伯啓思、西部邁という(朝日からみたら右派の)錚々たる論客を従えての「国家と戦争」は求めて読んだ。ただ、現在、彼は女系天皇容認の論陣を張っているようなのが残念である。一般家庭と天皇家は違う。一般家庭なら女系でいっこうかまわない。しかし、天皇家は違う、天皇家と日本国民が必至で伝えた男系の「神の系譜」の伝統を絶対こわしてはならない。国家元首には大統領ではなく、精神性「心」をもった天皇がふさわしい。