企業のあるべき姿を考える①

 

企業は収益をあげて成長する事が目的です。そして、収益をあげる為には経営環境を整える必要があります。

 

ところが経営環境を整えるよりも、目先の利益を追い求めているためにサービスレベルの低下や不効率な業務の放置、勘に頼る判断によるミスリードなど様々な障害が発生して成長を阻害します。

 

現在の科学は、物事に「名前」を付けて整理することで発展してきました。この当たり前の事が、日々の企業活動の中で忘れ去られています。

 

例えとして、社員と社員番号の関係で説明します。

どんな会社でも、社員番号は存在すると思います。少なくとも給与計算をシステムで行っている場合は、必ず社員番号が存在すると思います。

 

その後、営業ツールを導入する事になったとします。このツールにはユーザーIDが必要なのですが、営業ツールの導入を決めた部署が勝手に社員にIDを付けて運用を開始したとします。理由は、全社員が使用するものではないからというものです。

 

月日が流れて、人事評価システムや購買システムなど様々なシステムが導入され、社員に対するIDは、システムの数だけ存在する状態となりました。

 

経営者は、社員の活動を網羅的に把握したいと考えます。これだけシステム化が進んでいるのだから簡単に情報を収集できると考えたのでした。

 

しかし、実際は、一人の社員に複数のIDが割り振られており、例えばIDが1番の社員は、Aさんだったり、Bさんだったり、特定できません。逆にAさんの情報を取得する場合、常に○○システムの何番のIDがAさんであるという判断が必要になります。

 

では、どうすれば良かったのでしょうか?

 

どんなシステムを導入しても、社員個人が特定するという原理は同じです。社員と社員の情報的に管理するIDは、1対1があるべき姿なのです。これをシステム単体で考えるのではなく、全社レベルで考えて統一すれば、システムはシンプルになり、様々な仕組みを導入しても、正しい情報を迅速に取得できる環境になります。

 

この、単純なルールを決めて順守することがシステムの安定性や拡張性を担保するための重要な事なのです。

 

このルール決めは、システム化とは関係ありません。物事を考えるさいの基本中の基本です。例えば部署コードの決め方や会議室を表すコードの決め方などのルールが必要です。このコード付け(名前付け)があるべき姿であれば、その後、システム化する場合に円滑に進捗させる事ができます。

 

業務が円滑に進められるか否かは、この物事に対するネーミング(コード化)にかかっていると言っても過言ではありません。

 

一度、自社の状況を考えてみてください。