響け!ユーフォニアム(追記あり) | 川瀬有希の独り言

川瀬有希の独り言

田中好子さん、キャンディーズ、岡田有希子さんに捧げるブログ

蘭さんの新譜も無事リリースされSONGSも視聴した今、またネタ枯れとなってブログの更新が毎度のように途絶えるのもどうかと思うので、今日はいつもと違った話題を取り上げることにする。

ファンブログという趣旨からは外れるが、広い意味での音楽ネタということでご容赦を。




アニメーションは十代の頃で卒業し、昔観たものを懐かしく鑑賞する以外に新作を観る機会は皆無だった自分がここ数年はまっている作品がひとつだけある。

京都アニメーション制作の『響け!ユーフォニアム』という作品で、来月およそ4年ぶりに新作が公開されることでファンの間では目下話題となっている。

この4年という数字にピンときた方もいると思うが、例の極めて残虐な放火事件により多くのスタッフが亡くなり、もう新作はつくれないのでは、とも言われていたため、その哀しみと困難を乗り越えてこのたび新たな作品が届けられることに対し、嬉しいという言葉では表し切れないほどの思いがこみ上げてくる。


僕はこの作品をアニメから入ったわけではない。

以前このブログでも紹介したが、偶然そのパレード映像を目にした京都橘高校吹奏楽部に魅了され色々調べている際に、橘をイメージモデルにした小説があることを知った。

武田綾乃さん原作の『響け!ユーフォニアム』の中の立華高校編がそれで、早速読んでみようとしたが、立華はあくまでスピンオフで本編ではなかった。

スピンオフなので本編はとばしてもさして問題はないとはいえ、欠けてる部分に出くわし、よく理解できずモヤモヤしたまま読み進めるのもどうかと思い、やはり定石通り本編最初から読むことにした。

それは正解だったようで、とにかく面白い。

そして、巻末や帯にアニメ化決定とか劇場版公開などの広告があり、これは是非観てみたいと思い、まだ途中までしか読んでない段階でアニメを鑑賞することに決めた。

高校の吹奏楽部の物語、即ち音楽ものなので、読めば読むほどどんな曲だろう、どんな音を奏でているのだろうという欲求が自然に高まり、ここでようやく長年遠ざかっていたアニメの世界に足を踏み入れた次第である。



ただこうして紹介したところで若い人はともかく、僕ぐらいの世代の人にアニメ作品を勧めてもすぐには食指は動かないかもしれない。

ふたつハードルがあるように思う。

ひとつはキャラクターデザイン。

上の画像を見て今どきのデザイン故、詳しくない人だといわゆる萌え系アニメと勘違いして敬遠することは十分考えられるが、ご安心を。

ゆるゆる・フワフワなんかでなく、完全に熱血系の青春ドラマです。

人間関係も複雑で、心の襞に触れる展開も随所にある、極めて熱い内容です。

もうひとつのハードルは〈吹奏楽〉というキーワード。

吹奏楽なんて縁がない、ああいうジャンルの音楽は興味ない、楽器の知識がない、音楽理論を知らないので難しそう、等々。

こういう心配も一切無用。

僕自身楽器ひとつ弾けないし、理論的なことも大して知らない。

しかも数年前まで吹奏楽なんて全然関心がなかったが、今はご覧の通りハマりまくってます。

なので先入観を持たず是非一度観てほしいし、なんなら原作小説からでもいいですよ。

小説を読んだら僕と同じで絶対観たくなりますから。

現在は配信関連が充実してるのでお金もかからないし(例えばdアニメだと初めての利用なら30日間無料なので、その間に劇場版も含め全部観られるから、観終えたら期限前に解約すればいい)。



と、ここまで書いてもやっぱりどうも、という方にはYouTubeにupされてるこの映像を。

いろんな楽曲演奏の中で自分が一番感銘を受けたのがこれ。

関西大会で自由曲として披露した「リズと青い鳥」の場面。

とりわけ第三楽章の、希美のフルートと掛け合いながらみぞれのオーボエ・ソロがこれでもかと炸裂するシーンは何度観てもゾクゾクする。

実際このパートだけで何十回リピートしたことか。

ここに辿り着くまで一体どんなストーリーが繰り広げられるのだろう、と興味持ちません?


そして、曲の素晴らしさもさることながら、京アニらしい卓越した作画水準も特筆に値する。

運指の正確な描写、楽器にライトが当たった時のリアルな反射具合、実写でも再現が難しい絶妙なカメラアングル。

その全てが作品を比類なき高みに導いている。

これはチェックしたくなるでしょう(笑)。



アニメ全体を通して観てる時に思ったのが、これ、吹奏楽経験者なら生々し過ぎるくらいの感情が思い出と共に胸に去来するのでは、という点。

僕のような未経験者ですらリアルに感じる物語だから。

いや、正確にいうと自分も中学時代のある体験からそう感じられるのだが・・・。




僕の通っていた中学校は当時吹奏楽のいわゆる強豪校だった。

支部大会の常連(それも毎回金賞)で、全国大会にも数回出場したこともあり、それはカリスマ的ともいえる顧問の先生の指導の賜物であることは誰の目にも明らかだった。

ただ公立の学校なので、ある期限がくれば(確か同一校在任の上限は10年だったと記憶する)別のところに転任しなければならない。

そのカリスマ先生が去り、新しくやってきた顧問の先生の下厳しい練習は続けられたが、その年支部大会連続出場の記録は途絶えてしまった。

部員の名誉のために言っておくが、休みなく朝から晩まで毎日練習し、懸命に打ち込んでた姿は以前と何ら変わりなく、僕のような素人には奏でられる美しい音色・圧倒的な迫力は同じように思えたが、聴く人が聴けばどこかしらオーラが消えてしまったのかもしれない。

顧問が変わったというだけで。

それくらい学校の顧問の部員に与える影響は大きいのだな、と子供ながらに思ったものだ。

だからこそ、作中の滝先生の存在が異様に生々しく僕には感じられ、物語全体がフィクションでなくドキュメントのように映ってしまうのである。




今回は何だか長々とした駄文になってしまったが、とにかく『響け!ユーフォニアム』の続編となる新作公開、更には来年、おそらくシリーズ完結となる第三期放映が決まった今、自分も楽しみたいと思うと同時にこの作品をより多くの人に知ってもらいたいと願っている。




追記>

参考に上げた動画だけでは分かりづらい面もあると思うので、第三楽章のオーボエとフルートのパートのみを抽出した動画を同じくYouTubeから(こちらはフルバージョンです)。

こうして譜面で見るとよく分かるが、両者の息がぴったりでないとあっという間に混乱・崩壊してしまうのが自分のような素人にも容易に理解出来る。

ここまで到達するには紆余曲折あるのだが、それは第二期前半と劇場版「リズと青い鳥」を観てのお楽しみ。

ついでにアニメでなく実演の動画も。

ほんとこの曲、大好きです。