なんでこんな立場になっちゃったんだろう。
底流の孤独老人だなあ。
一家は離散だなあ。
でもこりゃあ、親父の呪いだよ。
親父の呪いからは抜け出せないよ。

etekoは親父の建てた桜川のボロ屋敷に今も一人で住んでるよ。
親父が亡くなったのは、16年前だよ。
親父は、ずーと、病院のお世話になってたなあ。
この親父とetekoは、まともに口をきいたことは、一度もなかったよ。
それは、桜川のボロ屋敷に引っ越してから、ずーとだよ。
親父と、一度もまともな会話したことないよ。
こんな人間て、まれだよ。
そんなもんだから、etekoみたいな変な人間が育っちゃったよ。
親父と、生まれてからまともな会話したことないよ。
早く死んじまえと思ってたよ。
親父は、若い頃から、喘息の持病で、病院に入退院を繰り返してたよ。
それに、喘息の薬のサリドマイのシューってやる薬を買ってたなあ。
いっつも、それを口に吹きかけてたよ。
この薬も、当時は高価だったよ。
1000円、2000円、ねっとしたのかなあ。
とにかく、高い薬を購入してたよ。
発作が止まらない時は、地元の医者に来てもらって、注射を打ってもらったなあ。
あの地元の医者とは長い付き合いだったなあ。
etekoが、風邪をひいた時も、御尻に痛い注射を打ってもらったのが記憶にあるよ。
亡くなった親父とは、会話したことなかったよ。
まともに顔を突き合わせて話したことないよ。
こんな人間関係ってあるのかなあ。
親父が無くなった時も、何も悲しくなかったよ。
涙も出なかったなあ。
でも、亡くなったのは、突然だったよ。
突然と言うか、亡くなる前日に、病院に見舞いに行ったよ。
その時は、家で採れた柿を、ナカちゃんがスライスして、マヨネーズで和えてくれたよ。
病院のベットで寝てる親父は、その柿を美味そうに食べてたよ。
そしたら、次の日の夜に、親父が亡くなったと言う知らせが入ったよ。





